展覧会『利休のかたち』&『茶の湯とデザイナーたち』@松屋銀座 #利休のかたち #茶の湯とデザイナーたち #松屋銀座
松屋銀座で開催中の展覧会『利休のかたち 継承されるデザインと心』(~1/20)を年末に観ました。こういう(年末からの)正月展は、混む前の年末に観ておくに限りますね。会場造りは混雑を意識したのでしょうか、ゆったりとしていて、作品の間隔も広めに空いたものでした。
広告や会場入り口が独特な味のあるビジュアルですが、原研哉さんが手掛けたそうです。うーん、勇気を持って利休と勝負してますね。なかなかこうはできません、利休の名に臆してしまいますから。
ただ、会場内はそのビジュアルとは離れて実にオーソドックス。利休以来の「利休好み」や「利休形」の茶器・茶道具を、スタンダードな見せ方で展示しています。また、千家関連の職人たちが利休のかたちとして造った作品も展示されています。
なので、基本的には「お茶」の世界の展覧会であり、棗(なつめ)や茶杓の微細な形の差を興味深く見つめる人でないと、ちょっとしんどいかも知れませんね。でも勉強になりますよ。
会場内で唯一撮影OKなのが、国宝「待庵」をその図面から実物大の立体で再現したコーナー。奥中央の竹の花器だけがリアルという風変わりな世界。待庵は映像でも紹介されていました。
作品や資料の数が約80件ということで、ちょっと物足りない印象。また、「デザイン」とうたっている割には、展示品のデザイン面からの分析やデザイン切り口の見せ方がもう少し欲しかったなと思いました。
ところがどっこい、この8階会場の1階下のデザインギャラリー1953で開催していたのが、まさにデザイン寄りの小展覧会『茶の湯とデザイナーたち』(入場無料/~1/27)。こっちと合わせて観れば…、なるほど、デザインを切り口に現代と切り結んでおります。当代のデザイナーたちの解釈や思想が入った茶杓と香合。そこにはしっかり現代の視点からの「継承と創造」がありました。
必ずセットで観ることを、強くお勧めいたします。
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