「冬時間のパリ」:会話が途切れぬ大人映画 #冬時間のパリ #ジュリエットビノシュ
映画『冬時間のパリ』は、まごうことなき純正フランス映画。大人たちの仕事と恋愛に関する会話劇。とにかく最初から最後まで、誰もが饒舌に話しています。どちらかというと寡黙な大江戸としては、「よくそんなに話すことがあるね」と思わないでもありません。
冒頭をはじめ最も多く語られているのは、書籍のデジタル化の波に飲まれている出版業界の危機の話あれこれ。メインの男二人が編集者と作家で、その周辺の人々も出て来るから、かなりこのあたりの話が印象付けられます。デジタル化と紙の書籍ということにおいて、先日紹介した日本のドキュメンタリー『つつんで、ひらいて』と2本立てにすると良さそうですね。
それにしても、フランスの(作家を招いての)トークイベントって、コワイですね。ゲストで来ている作家に面と向かって、ディスりまくってますもん。さすがというか何というか…。
その話に次いで全編の柱となっているのが、交錯する不倫のエピソード。いかにもフランス映画であります。でも、そもそも大江戸はフランス映画らしいフランス映画って昔から苦手でして、あまり興味が沸かないのです。同じような事やるのなら、ウディ・アレンがやってくれた方が、なんぼかありがたいんです。
結局はジュリエット・ビノシュを見るための映画でしょうし、そうなっていればむしろ成功なんでしょう。確かにビノシュは是枝の『真実』などより、ずっと生き生きとしています。 (以降少々ネタバレあり) ただ、ビノシュから離れたラストは、それはそれでいい味わいを醸し出しておりました。大人の映画ですね。
(おまけ)オリヴィエ・アサイヤス監督→浅井安
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