「風の電話」:淡々とロード・ムーヴィー #風の電話 #モトーラ世理奈 #諏訪敦彦
映画『風の電話』は、岩手県に実在するという「東日本大震災で心に傷を抱えた人たちのための電話ボックス」をラストに据えた物語。諏訪敦彦監督×モトーラ世理奈というオシャレといえばオシャレ、曲者といえば曲者って感じの二人のタッグです。
3.11後遺症の映画です。出るのが5年ぐらい遅いという気もしますが、でも作られ続けるのは悪いことではありません。近日公開の『Fukushima 50』と好一対って感じもあるし。
ロード・ムーヴィーです。人々との出会いが、次々と描かれます。淡々と、まじめに、シーンを積み重ねていきます。ドキュメンタリータッチな場面も、いくつかあります(クルド人の家族と交流する場面とか)。 そしてモトーラちゃんの静かにぼーっとしてる感じが、そのままキャラクターにも作品にもつながっています。でもその一方で、本作の彼女は結構笑顔を見せたりもします。やっぱりそこがいいです。これまでモデル、女優としての姿を見て来ましたが、気に入ったことがなかったので、初めて彼女をディスらなくてもいいような作品でした。
西島秀俊、三浦友和、西田敏行という面々が出演していて、これまたびっくり。作品の柄に合っていないような…でも、この人たちがいて作品がしまりましたし、メジャー感も出ました。
(以降ネタバレあり) ラストの風の電話の場面は、モトーラちゃんすべての台詞を委ねた長回しだったのだそうですが、うーん、どうかなあ…。成功してるかなあ?? 感動した人もいると思いますが、大江戸はさしたる感銘を受けはしませんでした。きっと『Fukushima 50』の方に感動するんだろうなあ。ただ、対極にあるこういう映画も作られて、公開されてしかるべきなのです。
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