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2020年2月24日 (月)

「名もなき生涯」:美しく、哲学的で、偉大   #名もなき生涯 #テレンスマリック

002_20200224215001 映画『名もなき生涯』は、テレンス・マリックの新作。大江戸は以前はテレンス・マリックにピンと来なくて、相性悪いかもと思っていたのですが、近年は映画を観る目が成長したのか人間が成長したのか、『トウ・ザ・ワンダー』『聖杯たちの騎士』『ボヤージュ・オブ・タイム』と、むしろ大好きな映像作家になっております。本作も唯一無二のマリック・ワールド全開です。

常にゆるりと動き続けるカメラ。雄大な風景の中に描かれる人間の日々の営み。風の音、大気の音、鳥のさえずりや虫の声。断続的なモノローグ。とにかくマリック印のオンパレードです。ああ、美しい、美しい。そして哲学的です。第二次大戦時の実話がベースになっていても、そこには巨視的に人間の生を考察するマリックの視座があるのです。

 

001_20200224222901農業に従事する主人公一家と村人たちの仕事描写、生活描写が、とにかく優れています。一方で、物語はその生活の中にさりげなく挟み込まれていくので、注意深く見て想像で補足していかないと、何がどうなっているかを見失ってしまいそうです。ま、シンプルな物語だから特に心配はないのですが、親切な映画ではないことも確かです。でもまあ、それもマリック。偉大な映画に違いはありません。

村八分ってのは、日本だけのことじゃなかったんですね。そして、ここで描かれている同調圧力の怖さは、現代にも通じるものです。 肉体への暴力とか拷問みたいな描写は大したことありません。日本の戦時下だったら、もっとひどい目に遭ったんでしょうねえ。

 

008_20200224224401 そういった意味でいうと、アメリカ(&ドイツ)版『この世界の片隅に』なのかも…。普通の人々の日常生活を通して、静かに戦争への怒りを滲ませる作品(ただ、本作はそれよりも大きなものを描いていますけど)。

広告には、「まさに大スクリーンで見るべき映画だ。」というVariety誌の評が使われていて、大江戸もその通りだと思います。でも、都内の公開館はTOHOシネマズ シャンテと新宿シネマカリテと池袋シネマ・ロサの3館のみ。どこも「小」スクリーンなんですよねー(中では比較的大きそうなシャンテに行きましたけど)。ま、この作品を観たがる人の数からすると、無理は言えないですね。でも本来はIMAXとかで観るべき映画だよなーと思うのであります。

 

 

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