「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」:浦野=ハンニバル・レクター #スマホを落としただけなのに #囚われの殺人鬼 #成田凌 #羊たちの沈黙
映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』は、前作と同じ中田秀夫監督作品。中田監督、ビルの警備員役でカメオ出演してましたね。中田さん、『羊たちの沈黙』がやりたかったっていうか、成田凌にハンニバル・レクターをやらせたかったんでしょうね。
でも、『羊たちの沈黙』をまんまパクってもしょうがないからか、独房はやたらと明るいし、登場シーンでも(アンソニー・ホプキンスのように)ただ立っているだけではなく、エアーでPCのキーボードを打つ仕草をしております。全体的に成田凌ならこれぐらいはできるだろうってレベル。ホプキンスには迫れないけれど、やはりこの人が演じると面白いですね。ただ前作を引きずって、興奮すると目をひん剥いたりしてるので、わかりやすい狂気。そこがちょっと残念ですね。彼ならもっとできたはずなんだけどな。
わかりやすいといえば、この映画全編にわたって、えらく親切丁寧なんです。といえば聞こえがいいですが、観客の知能レベルをかなり低く見積もっているんじゃないかってほどにバカ丁寧。見ていればわかることをわざわざ言葉で説明したり、暗示させれば十分なのにわざわざ絵を出したり。まあこれは、近年の日本映画全体の傾向でもあるのですが、困ったもんです。ハリウッド映画だって親切そうでいて、そこそこ高度なリテラシーが必要だったりするんですよ。でも映画って、そういうもんなんです。なのに映画ならではの描き方を放棄してしまうのはどうなんでしょうかね? 中田監督の場合、東大出身だけにかえって、誰もがわかるように撮らなきゃいけないんだという強迫観念があるのかも知れません。
主役の二人(千葉雄大、白石麻衣)に関しては、ちょっと演技力にモノ申したいところはありますが、彼&彼女のまわりのあれこれがツッコミ所満載なので、だんだん演技力に目が行かなくなります。 (以降ネタバレあり) そもそも井浦新が実は捜査官だってーのに、白石麻衣の私生活やら着替えやらを覗き見してニヤリとしていなかったか?? それでいいのか?
エンドロール終了後に出る映像は、まさに『羊たちの沈黙』。ですが、シリーズ第3作へ続く映像となっておりました。さて、次回の浦野(成田凌)は、『ハンニバル』のレクター博士になるんでしょうかねえ? あんまりそっちへ行っちゃうと、「スマホを落とす」行為とほとんど関係なくなっちゃうんですけど…(本作も既にして、そうでしたが)。
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