「地獄の黙示録 ファイナル・カット」:IMAXで観るべき映画 #地獄の黙示録 #地獄の黙示録ファイナルカット
映画『地獄の黙示録 ファイナル・カット』は、同作の公開(1979年)からの40周年を記念したバージョン。もともとの初公開版153分と2001年の『特別完全版』(これは未見)との間の長さ=182分です。もっとも初公開時も先行公開された有楽座だけのバージョン(カンヌ映画祭上映版に近いという話でした)と、一般公開バージョンは長さが違っていたような気がするのですが…。何にしても今回はIMAXでの公開だということで、「これはやはり大スクリーン&いい音で観るべき作品」だと思い、TOHOシネマズ新宿の「レーザーIMAX」(=+600円)での鑑賞。
今回観て初公開版と違ったのは、フランス人のプランテーション主の邸宅での場面がたっぷりあったこと。てか、これ冗長でテンポが崩れます。削って正解だと思いますけどね。あとは有楽座バージョンにかなり近いと思います。エンディングが静かで爆破シーンがないあたりとかも同じですし。
いや、それにしても壮大かつ壮絶な映画です。CGなんかなかった時代ですからね。ヘリコプターも爆破もみんな本物。かなり危険な撮影も多かったと思いますよ。でもそのおかげで、『ワルキューレの騎行』の場面みたいなとんでもない映像が残っているわけです。本当に戦争やっちゃってます。ヤシのジャングルを焼き払うなんて、今では地球環境的に絶対アウトですもん。
40年という歴史の流れも感じさせます。なにしろハリソン・フォードが若いし、ローレンス・フィッシュバーンがまだ子供みたいだし。
マーロン・ブランドは最後の30分かそこらしか出て来ません。それでもやはり唯一無二の強烈な存在感を放っています。闇の中の坊主頭の彼を、まるで月の満ち欠けを映すみたいな照明で撮影するヴィットリオ・ストラーロのキャメラ。終盤の哲学性を、有無を言わさぬ説得力でアリにしてしまったのは、この二人の力でしょう。
でも40年たってもやっぱり、完全に成功したとは言い切れない、バランスの悪い怪作なのでした。しかしながら、異文化への敬意のなさやそれを理解せずに排除・駆逐しようとする米軍兵たちの態度は、現在のトランプ政権にまでつながるものです。そういった意味でも普遍的であり、予言的でもあるのです。
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