「初恋」:三池崇史久々の得意分野 #初恋 #三池崇史 #ハチャメチャ映画
映画『初恋』は、近年マンガや小説の原作ものではずし続けて来た三池崇史監督が、久々に得意分野でかっとばしたホームラン。歌舞伎町を舞台に、悪い奴らが繰り広げるハチャメチャな抗争アクション。三池監督もノッてますし、役者たちも嬉々として張り切って演じてます。やっぱり適材適所。三池にはバジェットの大きな作品よりも、こういう行儀の悪い作品やらせた方がいいんですよ。いやー、東映の波濤三角マークが良く似合います。
一応窪田正孝と小西桜子を中心に回ってる話ですが、そうは言っても群像劇です。窪田&小西以外は悪い奴らばっかりの群像劇。製作委員会だコンプライアンスだの中で、健全な映画ばかり作られる昨今ですが、時々『孤狼の血』とか本作とかが作られて、凶悪な奴らが跋扈してるのをを見るとホッとします…って、なんか間違ってるな。でも、映画にも多様性が必要なのです。
「やり放題」な三池崇史が帰って来たのが嬉しいですね。暴力もギャグもスタイリッシュさも奇想天外も、ゴチャマゼにして成立させちゃってます。全編かなりテンション高いんで、観終わるとちょっと(気持ちのいい)疲れが残りますよ。
内野聖陽も塩見三省も村上淳も、さすがにヤクザ役の人たちはツラ構えがスゴイですね。不敵で渋いっす。エンドタイトルバックのモノクロ写真も、役者たちを実にカッコ良く捉えていて秀逸です。それらとバランスを取る染谷将太の軽みと笑いも、いいんですよ。 そして評判の良いベッキーのブチ切れ狂乱演技は、やっぱり良かったです。いいぞいいぞ。
人を食った展開とか飄々と笑いを取る台詞など、中村雅の脚本も生きました。そして三池監督を生かしました。このトリッキーなタイトルは、最後まで観ても「??」ですけどね。
ま、バカバカしいといえばバカバカしいけど、こういうパワフルでバカバカしい映画、観たいんですよねー。世の中の人も結構そうなんじゃないかなあ。
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