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2020年3月23日 (月)

「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」:マイルドな通俗版ドラン   #ジョンFドノヴァンの死と生 #グザヴィエドラン 

002_20200321230301 映画『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』は、グザヴィエ・ドラン初の英語作品であり、スターたちがキャスティングされたハリウッド映画。どうなることかと思いましたが、うーん、あんまり良い結果は生まなかったような…。

自分の体験に基づいて、ひりひりするような家族関係や人間関係を描き、とことんアンハッピーで、気分が重くなるような胸が詰まるような思いをさせるのがドラン映画の持ち味。ですが、今回は実体験に基づく家族関係、人間関係を描きながらも、アンハッピーでありながらも、どこか「よくできた物語」であり、素直に感動できるような作り。その分、ドラン的な暗さやエッジは影を潜め、むしろマイルドな円熟味を醸し出しております。または「角を矯(た)めて」しまった状態。

 

009_20200323224201 それをドランの成長と取るか、妥協あるいは老化と取るか、難しいところではあります。ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツといっハリウッドのスターを使って、きっちり仕上げた手腕はやはり評価に値すると思います。でも、通俗の罠にはまっていることも確かですよねー。雨の雑踏、『スタンド・バイ・ミー』が高鳴って感動の母子再会なんて場面は、あまりにもありきたりで通俗で、ちょっと驚きました。グザヴィエ・ドランがこんなことを…。

でも基本的にはドランって、話術が達者ですよね。脚本を含めて、うまいです。映像も「いい絵」が撮れてるし、映画としてのレベルが高いのです。

 

005_20200323230201 主人公の少年に『ルーム』や『ワンダー 君は太陽』のジェイコブ・トレンブレイを起用してますが、いやー、この子実に達者。見事なもんです。 もう一人、大江戸が助演女優賞ノミネートしたいぐらいだと思ったのは、ルポライター役のタンディ・ニュートン。くるくる変化する表情を含め、(座って話を聞いてるだけの役なのに)演技の引き出しが多いと感じました。彼女、ベルトルッチの『シャンドライの恋』から、もう22年もたったんですねえ。

ドランのハリウッド進出第一弾である本作は、ちょっとバランスが良くなかったけど、基本的に技量のある人なので、何本か作ったらそのうちオスカーが獲れるかも知れません。そういうポテンシャルは感じさせてくれました。

 

 

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