「ファーゴ」:人間はおかしくて、哀しい。 #ファーゴ #コーエン兄弟 #人間はおかしくて哀しい
映画『ファーゴ』をDVDで見ました。1996年のアメリカ映画。同年の日本公開時に渋谷のシネマライズで観ております。でもこのDVDは、買ったままで一度も見ていなかったもの。
コーエン兄弟の作品らしく、不思議な味わいの映画です。コーエン兄弟はしばしば「犯罪のままならなさ」みたいなテーマを描き出しますが、本作はその代表でしょう。雪に閉ざされた印象が強いし、舞台も北陸みたいな町だし、なんかみんな出口なしみたいな感じだし、そんな人間たちの悲喜劇を淡々と描きます。寒くて寂しそうな町です。いやだなあ。
登場人物たちがみんなそこはかとなくおかしくて、でも一人一人哀しいのです。そういえば、この映画の公開時の広告コピーは、「人間はおかしくて、哀しい。」でした。
人がゴロゴロ死ぬ犯罪映画なのですが、オフビートなコメディでもあります。犯罪を描くことで、人間というものを描き出すコーエン兄弟らしさ。とことん計算違いが重なっていく予測不能の展開と、そんな計算違いに翻弄されていく人々。やはり1990年代を代表するアメリカ映画の1本とされるだけのことはあります。大江戸も今回見て、より心にしっくり来ました。映画的にうまいしね。
役者たちがみんないい感じに役にハマってますが、やはりフランシス・マクドーマンドに尽きますねえ。これでアカデミー主演女優賞獲りましたもんねえ。21年後の『スリー・ビルボード』は更に凄かったけど。
ラストシーンのそこはかとない希望。絶望的な世界の中の一条の光みたいなもんが、良いのです。小さな小さな声で語ります。ああいう味が、映画ってもんですよねえ。
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