「翔んだカップル」(1980):相米×薬師丸 心の名作 #翔んだカップル #相米慎二 #薬師丸ひろ子 #伊地知啓
普段はめったにDVDなど見ない大江戸ですが、唯一新型コロナ感染者を出していない岩手県の友人が「陣中見舞い」としてなぜか映画『翔んだカップル』のDVDを送ってくれたので、時間があるってことで見ました。まあ、しばらくは映画館も閉まっていることですし、たまっているDVDも片付けて(見て)いかないとね。
1980年の相米慎二監督デビュー作であり、薬師丸ひろ子初主演作であり、鶴見辰吾と石原真理子のスクリーンデビュー作であり、若き尾美としのりも出ています。そういえば、今年は『翔んだカップル』40周年だったのですね。びっくりです。このDVDは、劇場初公開版より16分長い122分の「ラブコールHIROKO*オリジナル版」(これもリバイバルで劇場公開されたもの)です。
(年がバレますが)この映画、映画館でも何回か観て、その後VHS(当時14,000円ぐらいしたんじゃなかったかなあ)を買って、何度も何度も見たものでした。ン十年ぶりに見ても、全てのシーンとほとんどの台詞を覚えておりました。そう、当時の大江戸は薬師丸ひろ子の大ファンだったのですね。今見ると、なんだこの垢抜けない子は?と思わないでもありませんが、その一方では不滅の魅力と輝きを放ってもいます。鶴見とか尾美とかは今と比べると、・・・もう笑っちゃいますよね。
相米はこの作品では割と普通にカットを割っています。でも要所要所で長回しを使って、その片鱗を見せております(あのモグラたたきのシーンとかね)。相米演出も丸山昇一脚本も、「なんだこりゃ?」的ツッコミ所がありまして、ところどころ気恥ずかしいです。ま、そういう「若書き」的部分も含めて、まぶしい作品です。だって、何とも言えない感情をしっかりスクリーンに定着させていますもん。あのクジラ! 終盤の切なさ、やるせなさ、何とも言えない感銘。薬師丸の「また明日。」に込められた万感の思い。尾美としのりの屈折と哀しみ。ラストで成長した表情を見せる鶴見辰吾。いやー、やはり心の名作です。みんな悩んで大きくなった。サヨナラだけが人生だ。
そして大江戸としては、相米さんが生きてるうちに、大人になった薬師丸さんともう1本撮ってほしかったなあと思わずにはいられないのです。
特典映像として、2013年にユーロスペースで行われた相米慎二回顧の特別上映後のトークショー14分が収録されております。プロデューサーの伊地知啓さんと、助監督を務めた榎戸耕史さんがゲストで、本作と相米にまつわるお話をしてました。伊地知啓さん、つい先日お亡くなりになったんですよねえ。プロデューサーとして、にっかつロマンポルノの後に本作や『太陽を盗んだ男』『セーラー服と機関銃』『みゆき』『めぞん一刻』『あぶない刑事』『死んでもいい』『お引越し』などなどを手掛けた方でした。ご冥福をお祈りいたします。 そういえば、本作の円広志の先生って、『太陽を盗んだ男』(相米が助監督の’79年作品)のパロディーなんだと初めて気がつきましたよ。
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