« 2020年4月 | トップページ | 2020年6月 »

2020年5月31日 (日)

「(ハル)」:美しい恋愛映画   #(ハル) #森田芳光 #深津絵里 

15909324064000 数年前に買った映画『(ハル)』(1996)のDVDを見ました。もちろん公開時には劇場で観ております。 改めて傑作ですね。マイ・ベスト・オブ・森田芳光であると同時に、マイ日本映画トップテンに入るであろう1本。日本の恋愛映画史に残る作品でもあります。ともかく「読ませる映画」っていうアイディアが画期的なのです。

24年前ということで、パソコン通信やメール初期の「時代感」をまとってはいるのですが、そして、ヘアメイクや服装デザインに時代がよく表れているのですが、でもそれを超越するだけの普遍性があるのです。今の時代にこそ通用する「永遠の新しさ」みたいなものを内包しているところが、いかにも森田芳光なのです。映像のルック的には、エドワード・ホッパーの絵(『ナイトホークス』とか)を意識していたらしいのですが、確かに現代人の孤独みたいなものが色濃く滲みだして来ます。ピアノをはじめとする音楽も、場面場面の心情の表現としてとても効いています。

内野聖陽が若過ぎて(子供っぽいぐらい)笑っちゃいますが、本作では何と言っても深津絵里がステキです。篇中でも髪型やメイクや服装によって、ゾクッとするほど美しかったり、意外とイモっぽかったりするのですけど、地方在住の一人の若い女性をとても普通に、そしていろんな表情で魅力的に表現しています。サイコーだ、ふかっちゃん。

『(ハル)』と言えばココって感じの、新幹線車内と岩手の田園からハルとほしが互いに撮影し合う場面、そして東京駅でのラストでは感動して涙してしまいました。いやー、美しい映画です。ラストで登場するフロッピーディスクって「何?」って時代になっちゃったけど、この恋愛映画としての美しさは不滅です。

 

 

| | コメント (0)

2020年5月30日 (土)

「シャークネード」:驚天動地のラスト   #シャークネード #サメ映画 #おバカ映画

Sharknado1 映画『シャークネード』(2013)は、トンデモ映画の代表格。まあ、アメリカではテレビ映画として作られ、日本でもテレビ放映のみなんですけど、続編が「6」まで作られたという人気作(日本では最終作のみ映画館で公開されました)。その名の通り、大量のサメがトルネードによって陸地に運ばれて、空から降って来るという、超バカバカしいお話です。テレビ東京で放映したのを録画しておいたのを、ようやく鑑賞。

でもくだらなさを楽しめます。とにかく最初から最後まで、サメ見せ場の連続。イワシじゃあるまいし、サメが群生していて、それを襲った台風の竜巻によってサメがトルネードに乗ってやって来て、LAの住宅街を襲います。ダレ場がないのがいいですね。そして何でもアリです。キャストのビリング・トップのジョン・ハードが30分くらいで死んでしまうという掟破り! 一方、ポリウレタン的な質感のサメは妙にかわいくて、笑っちゃいます。そして、なぜかトルネードが運んでくるのはサメだけ。他の魚介類は一切含まれておりません。なぜだ?

(以降ネタバレあり) 最後のサメとの対決にはぶっとびました。驚天動地のラストとは、まさにこれのことでしょう。チェーンソーを手にした主人公が、空から降って来たサメの口に向かってジャーンプ! 飲み込まれたと思ったら、しばらくたって腹をチェーンソーで切って出て来る、しかもその後に引っ張り出すのは、その前の場面でサメに食われていた女性! 5分とかたつだろうに、その間呼吸はどうしてたんだ?とか全然消化されてなくてケロリとしてるぞ!とか、思考がパニックになります。そもそもあれだと、確実にチェーンソーに斬られてるだろうに…。 いやー、やってくれます。話のタネに、見ておいて損のない作品です。

エンドタイトルはもちろん「Fin」。フランス映画の「The End」にあたるfin(ファン)と、サメの「ひれ」のfinをかけてあるわけですね。なんかこの手法って、別のサメ映画でも見たような気がします。 そもそも本作の主人公の名前がFin(フィン)でありました。

 

 

 

 

| | コメント (2)

2020年5月29日 (金)

「大怪獣ガメラ」:子供だましでドイヒーな脚本   #ガメラ #大怪獣ガメラ

15907602596590 映画『大怪獣ガメラ』を、数年前に買って未見だったDVDで見ました。1965年の大映作品、モノクロ78分。

大江戸はその昔、テレビで放映されたものを一度見たっきりだったと思うのですが、今回はまあまあ面白く見られました。序盤から最後まで、ガメラが出し惜しみなく出て来ます。そこは『ゴジラ』と違うところ。あの、なかなか見せずに、小出しで引っ張る演出とは真逆です。 でも、『ゴジラ』との類似点は多く、原爆との因果関係だったり、場面や構図の類似だったり、まあ当然と言えば当然パクッてるわけです。

かなり子供だましな展開や細部なので、ツッコミ所は多く、特に船越英二の教授が自衛隊の全権を握って指揮してるあたりにぶっとびました。この国難時に総理は全く出て来ないし、いったいどうなってんだ? そもそも作戦として原爆を爆発させようとしたり、一言言われると簡単にその案を引っ込めたり、もうメチャメチャ。 結末もやけにあっけなくて、拍子抜けします。 随所のアニメーション特撮もちゃちですし…。

役者陣の弱さも『ゴジラ』との差ですが、メイン女優(霧立はるみ)にまったく魅力がないというか、むしろ嫌な感じの表情で、致命的でした(『ゴジラ』の河内桃子とはかなり差があります)。そして、俊夫くんがウザイ! かわいげのない子供で、無茶なヤツで、かなりイラッとさせられました。やれやれ。

でも、大江戸は基本的にガメラ好き。ゴジラ・シリーズよりもガメラ・シリーズを愛する者であります。この作品の後に、バルゴン、ギャオス、バイラスという名作怪獣との対戦が続きますので、ここはまずお披露目ってことで。

それはそうと、このポスターのガメラ、新幹線を手(前足?)に持ったり国会議事堂に迫ったりしてますが、作品内ではそんなことはしていません。そこらのいいかげんさがまかり通るあたりも、時代ですねえ。

| | コメント (0)

2020年5月27日 (水)

スピルバーグ・トップテン   #スピルバーグ #スティーブンスピルバーグ

Jaws_main_convert  先日TBS『王様のブランチ』の映画コーナーで、「スピルバーグ作品ベストテン」企画を発表していました。たしか20代~50代に聞いたんじゃなかったかな。以下の通りの順位でした。

1.ジュラシック・パーク  2.インディ・ジョーンズ・シリーズ  3.E.T.  4.JAWS ジョーズ  5.未知との遭遇  6.A.I.  7.シンドラーのリスト  8.レディ・プレイヤー1  9.激突!  10.宇宙戦争 

ふーん。『インディ・ジョーンズ』が「シリーズ」ってのは、ちょっとズルい気もしますね。でもまあ、1971年の『激突!』から2018年の『レディ・プレイヤー1』まで半世紀近くにわたって、幅広い時代から選ばれておりますね。さすがはスピルバーグ73歳!(『激突!』は25歳ごろの作品ですから!)

 で、刺激されて「大江戸時夫の選ぶスティーブン・スピルバーグ監督作品トップテン」も作ってみました。順位は決定的なものではありませんけど。

1.JAWS ジョーズ  2.プライベート・ライアン  3.インディ・ジョーンズ  魔宮の伝説  4.未知との遭遇  5.E.T.  6.ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書  7.宇宙戦争  8.ジュラシック・パーク  9.シンドラーのリスト 10.ブリッジ・オブ・スパイ  (次点=激突!)

何を隠そう(別に隠してないけど)大江戸はスピルバーグの大ファン。ま、中にはしょうもない作品もあったりしますけど、ともすればアンチもいるスピルバーグに対して、大江戸は完全に擁護派に回ります。 映画の監督作はほぼすべて映画館で観ておりますし(第1作の『続・激突!カージャック』だけはTV鑑賞)、TVムービー時代の3作のうち『刑事コロンボ 構想の死角』と『激突!』も見ておりますので、唯一『恐怖の館』ってのだけが未見です。

映画の神様の一人だと思いますし、アメリカの良心だとも思います。あのスケールの大きな絵や、少年のイノセントな心。驚異のVFXと、たくまざるユーモア。やっぱり好きです、スピルバーグ。 製作中と聞く『ウェスト・サイド・ストーリー』や『インディ・ジョーンズ5』も、楽しみでなりません。

 

| | コメント (0)

2020年5月26日 (火)

定番の良さ   #定番 #かっぱえびせん #うすしおポテチ #柿の葉すし #てんやの天丼

_20200509_125126 世の中には数々の定番的商品があるものでございます。それを買っておけば安心、間違いはないっていうテッパン的スタンダード・ナンバー。今日はそこらのご紹介。

 

まずはカルビーの「かっぱえびせん」。写真は最近のコンビニ限定10%増量バージョンでございます。

_20200509_122817 いやー、これは間違いないっすよ。そして、季節限定品で「桜えび」とか「帆立」とか「サラダ」とかいろんな「かっぱえびせん」がありますが、結局はこの「普通の」かっぱえびせんが一番うまいのです。塩味がちょっと薄いのがポイントで、その物足りなさゆえにもう少しもう少しと食べ続けてしまうのです。

なぜか吉川晃司の顔写真入りで、「もっとやめられない、とまらない!」のだそうです。吉川の歌といえば、『せつなさを殺せない』とか『KISSに撃たれて眠りたい』とかありますけど、「やめられない、とまらない!」とはちょっと強引?と思って調べたら、なんとお!1964年広島生まれのかっぱえびせんと1965年広島生まれの吉川晃司による奇跡のコラボをやっていたのでしたあ! タイアップソングまで作っちゃってます。なんか面白かったのでご覧ください↓

https://www.calbee.co.jp/kappaebisen/kk/

Dsc_4417 続いては、カルビーの「ポテトチップス うすしお味」。大江戸はあんまりポテチを食べないようにしていますし、完全に「のり塩」派であり、湖池屋派なのですが、このうすしおは「のん」さんが大好きなのだと知って…(彼女も最近は美容のために、ずっと食べていないのだそうですが)。それなら、一度真剣に向き合ってみようかと…。

Dsc_4418 うん、おいしいですね。これもまた、薄味ゆえに後を引きます。飽きの来ない味です。

で、パッケージには誇らしげに「塩分0.5g/1袋」の表示。 Dsc_4419 ん?と裏返して見ると、「うすしお塩分クイズ」で、思いっきり低塩アピール。一袋に指で2つまみ分程度の塩しか使ってないってことです。(大江戸は違うけど)高血圧でも安心だあ。

 

_20200525_223138 さてさて、スナックから離れまして、営業再開したデパ地下で買い求めた、たなかの「柿の葉すし」です。大江戸はコレ、かなり好きなんですよねー。

_20200525_223254 柿の葉すしといえば鯖なのですが、鮭と鯛もあって、これは3種入りのやつ。3種ともうまいです。

_20200525_223352 でもやっぱり一番味わい深いのは鯖。サバサバウー! 柿の葉の香りと酢飯のうまみが、適度な塩気のサバの芳醇なうまみと甘みを引き立てます。いいっすねー。

 

_20200525_154616 で、最後はお店で食べる定番。てんやの「天丼」、500円(税込)です。「復活!」ってことはしばらく休止してたんですかね? マクドナルドでレギュラーの「ハンバーガー」を休止するみたいなもんじゃないですか。へんなの。

_20200520_122252 いずれにせよ、ここんちのレギュラー天丼は絶対のお得メニュー。エビ、イカ、キス、カボチャ、インゲンが入ってて、味噌汁付きでワンコイン! 同店の他のメニューに較べて、圧倒的なコスパの良さなのです。このレベルの天丼がカジュアルでいただけるのは、なかなかありがたいことです。

定番バンザイです。

 

 

 

 

| | コメント (0)

2020年5月25日 (月)

コロナ小爆発!   #コロナビール #コロニータ 

15904130379050 全国の緊急事態宣言が解除となった今夜、祝杯をあげようと自宅の冷蔵庫のビール入れをガサゴソやっていたら、1本の小瓶が滑り落ちました。割れはしなかったのですが、王冠の隙間から泡がプシューッと噴き出しています。「こりゃ、いかん」と栓抜きで王冠を外すと、白い泡がぐんぐん上がって来ます。そこを口で受け止めて、なんとか大惨事には至りませんでした。ちょっと減っちゃったけど。

15904130496221 で、この小瓶はコロナビールなのでしたあ!このタイミングで暴れるとは、コロナ断末魔の悪あがきだったのでしょうか。ま、もともとこういう節目に飲んでやろうと買っておいたのですけれど、忘れておりました。コロナの自己主張だったのかしらん?

ところが、あれ?ラベルを見直すと…Coronaじゃない?? えーと、Coronita? パチモンですかい??

でもコロナビールって書いて売ってたよなあと思い、ああ、スペイン語だと小さいってのは「〇〇ータ」になるから、この小柄なボトルはその流れで「コロニータ」になるんでしょうねと思い至った次第(ですよね?)。

_20200525_222940

一応サイトで調べてみたら、やっぱりコロナビール家の正統なチビちゃんでありました。207ml、随分とちっちゃなサイズでしょ。 たまたま家にライムがあったので、ちょびっとかじりながら一緒に飲みました。おお、軽快! やっぱりコロナにはライム!梅にウグイス!タンスにゴン!

| | コメント (0)

2020年5月24日 (日)

「新幹線大爆破」:アイディアと勢いで粗雑に走る   #新幹線大爆破 #東映 #佐藤純彌

Superexpress109 先日NHK-BSPでやったのを録画しておいた『新幹線大爆破』を見ました。高倉健・宇津井健・千葉真一主演、佐藤純彌監督(この頃は「純弥」表記)による1975年作品。映像から作劇から人物から、みんな荒っぽいというかアクが強くてざらっとした質感の、つまりいかにも’70年代の東映らしい作品です。

大江戸はその昔に一度映画館で観ておりますが、当時よりもむしろ面白く感じました。次々と出て来るアイディアや、一難去ってまた一難的な構成が、意外に良くできていると感じたのです(「マジっすか?」って展開もありますけどね)。もっと雑な印象ばかりが多かったので。

ただ、犯人3人のバックグラウンドをじっくりと描く回想場面が、えらくウェットで重いのはやはり欠点です。そんなこんなで152分になっている日本版は長過ぎます。海外公開版はそういう所をバッサリ切ってテンポの良いサスペンス・アクションになったようで、アメリカ版は115分、フランス版は100分です。だからフランスでは大ヒットしました。日本ではコケました。

それにしても、題名や題材に難色を示した国鉄が撮影協力を拒んだため、盗み撮りとミニチュア撮影とセットで作り上げてしまうとは、当時の東映らしいというか、おそるべしというか…。今なら、もろもろの権利に関しての訴訟で絶対負けちゃうから作れないでしょうし、それ以前にJRに忖度してパラレル日本の別の超特急になったりしちゃうんでしょうね(でなきゃ、『台湾新幹線大爆破』とか)。 ミニチュアの新幹線映像はやっぱりバレバレなんですけど、まあ当時の映画屋さんたちの勢いみたいなものは感じられます。

そして、この時代の日本映画(特に東映)にありがちなんですけど、音楽がヘンチクリンなエレクトロニック・ミュージックで、耳障りなだけでなく恥ずかしかったです。海外版でもあんな音楽だったのかしらん?

 

 

| | コメント (0)

2020年5月23日 (土)

「日曜日には鼠を殺せ」:しんねりむっつり   #日曜日には鼠を殺せ #フレッドジンネマン #グレゴリーペック

15902245429821 今年がねずみ年だということで買っておいた映画『日曜日には鼠を殺せ』のDVDを(今頃)見ました。1964年のフレッド・ジンネマン監督作品。日本公開は同年の11月ですから、東京オリンピックが終わった直後。興奮や感動の冷めぬうちに、こんな地味で暗いトーンのモノクロ映画(当時はカラー、モノクロ混在の時代)を公開したんですから、コケたんでしょうねえ。資料がなくて、よくわからないけど。

グレゴリー・ペック、アンソニー・クイン、オマー・シャリフといったスターを起用しています(ちなみに本作以前にペックとクインは『ナバロンの要塞』で、クインとシャリフは『アラビアのロレンス』で共演しています。みんなコロンビア映画です)。でも、ペックの主人公がかなりひねくれた暴力的な男(子供や神父にも暴力をふるう)なので、あんまり肩入れしたくない気分になるし、最後に彼の取った行動がどうにも納得がいかないものなのです。それ以上に映画としてどうなのよ?と思います。とにかくすっきりしないラストなのです。作品全体に関しても、しんねりむっつり過ぎて、狙ったものが今一つ美学に昇華していかなかったような気がします。

でも、黒味の多いモノクロの映像は美しく、特に終盤の山岳シークェンスの風景の素晴らしさには、「ああ、さすがは遺作に『氷壁の女』を撮ったジンネマンだなあ」と感心しました。それ以外にも、ライフルの狙撃場面では『ジャッカルの日』を連想しましたし、駅の場面ではちょっと『ジュリア』を思ったりもしました。

本作のペックって、うっすらと無精ひげを生やしたりして、結構ワイルドで、三船敏郎によく似ておりましたね。

 

 

| | コメント (0)

2020年5月22日 (金)

銀座の映画館と歌舞伎座休館中   #銀座の映画館 #映画館休館中 #歌舞伎座休館中

15901539787398 昨日の有楽町・日比谷界隈に続いて、今日は銀座と東銀座の映画館の様子です。実はですね、昨日のは千代田区、今日のは中央区という明確な区分があったりするのです。

まずは丸の内TOEI1&2。ここの「TOEI」って表記、何年たっても慣れませんね。「都営?」って感じで(ま、それ言ったらTOHOシネマズだって、「当方」か?)。でもこの「1」の天井の高さは、今では都内一では?(個人の体感です) 昔ながらの映画館の良さを保っている劇場です。再開発計画があるようですが、少しでも長く今のままでいてほしいなあ。

15901540263200 正面券売所のシャッターは下り、正面入り口にはこのような貼り紙。ガラスには、マリオンと銀座の柳が映り込んでいます。「緊急事態宣言が解除されるまで」営業休止だと書いてありました。

15901539346226 続いてはシネスイッチ銀座。こちらも1&2ですね。1に降りる階段前のシャッターは下ろされています。2に続く階段の奥は、(このビルで働く人のためか)照明がついておりました。

15901539498397 貼り紙はこんな感じ。新宿も日比谷も有楽町も「当面の間」が優勢だったのに、銀座は「緊急事態宣言解除まで」が優勢(?)。地域の商業施設とかに合わせるというか、影響が出るのでしょうか?

シネスイッチ銀座(っていうか「銀座文化劇場」の時代ですが)で「もぎり」をしていた筋金入りの映画ファンの片桐はいりさんは、今の状況をどう感じていらっしゃるのでしょうか?

 

15901533965600 次は銀座と言うより東銀座と言うべきなんでしょうが、東劇です。閉まっているんだけど明かりが灯っていて、いいですね。

15901535756381 券売所のガラスにはこんな掲示。あ、このブルーは新宿や丸の内のピカデリーと同じタイプ、つまり松竹系のフォーマットってことですね。ただ、新宿も丸の内も青地に白抜き文字だけだったのですが、こちらは中央部を四角くくりぬいて、そこに赤文字を使っております。そして、ここ東銀座では「当面の間」ですね。

15901535842042 で、入口のガラス戸には別の掲示も貼ってありました。「東劇映画館 営業休止のお知らせ」です。実はここにも小さい字で「当面の間」と書いてあったりします。

 

15901535916253 さてさて、ここに来たら外すわけにいかないのが歌舞伎座。映画館ではありませんが、おまけです。

 

(夕方6時半ごろなのですが)こちらも明かりがついているのがいいですね。アフター3.11の日々は街中が真っ暗でしたが、今回の場合はそれがないのが救いではあります(その分長い長い休館になっておりますが)。

15901538331515 劇場手前に大きな立て看板。なんだろう?と見てみますと、歌舞伎座のシンボル(座紋)である「鳳凰丸」の写真です。

15901538073264 そこに添えられたのは、おめでたい鳳凰が歌舞伎座の座紋になったいきさつ。そして最後には「一日も早く平安の時が訪れることを祈っています。」とありました。

 

(日比谷・有楽町篇はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-bb69d4.html

(新宿篇1と2はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-4c301a.html

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-079db4.html

 

| | コメント (0)

2020年5月21日 (木)

有楽町と日比谷の映画館(シネコン)休館中   #有楽町の映画館 #日比谷の映画館 #映画館休館中

15900672718970 先日2度にわたってご紹介したのが、新型コロナ禍で休館中の新宿の映画館(シネコン)↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-4c301a.html

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-079db4.html

 

で、今回は日比谷・有楽町界隈の映画館(シネコン)はどんな具合かのレポートです。

 

まずは有楽町駅前のビックカメラの7階に入っている角川シネマ有楽町。ビックカメラは営業再開していて店内に入れましたが、エレベーター前にはこんな表示。臨時休館中です。

15900674116402

 そこからほど近いヒューマントラストシネマ有楽町へ行くと、イトシアプラザのビル自体はあいていましたが、多くの店は閉まっており、劇場単独の掲示はありませんでした。エスカレーターも4階の劇場前までは動いてなくて、3階でベルトポールで閉ざされておりました。そこにも劇場の掲示はなくて、ちょっと残念。

 

15900673885791 さてさて気を取り直して進むと、有楽町マリオン内の丸の内ピカデリーです。券売所にシャッターが下りています。

15900673799690 その前には2枚の掲示。当面の間休むという営業休止のお知らせ。あ、これは新宿ピカデリーと同じスタイルですね。

左側の小さい掲示は、「チケット販売スケジュールの変更について」でした。

 

15900673117672 おっと丸の内ピカデリーにはちょっと離れた所にもシアターがあるのでした(旧丸の内ルーブル)。ドルビーシネマ(映像+音響+卓越したシアター・デザインだそうです)ってことで、さかんにPRしてましたが、大江戸はまだ行ってないんですよねー。再開した暁には、行ってみなければ!

 

 

15900673314404 そこから日比谷に進み、TOHOシネマズ・シャンテ。パイプシャッターが下りてますが、中は覗けます。

15900673232203 券売所のガラスに何か掲示が貼ってありましたが、手前にシャッターが下りているので、何と書いてあるのかはわかりません。へんなの。一応シャッターの隙間から撮影してみました。

 

 

15900673681249 で、TOHOシネマズ日比谷ですが、ここは日比谷ミッドタウンのビル全体が休館しているので、正面入口に休館中の看板が出ているだけ。

どこも緊急事態宣言初日の4月8日から「当面の間」の休業ですね。便利だな「当面の間」って。

15900673381735 そうそう、このシネコンは、2つのスクリーンが「飛び地」となっているのでした(旧日比谷スカラ座と旧みゆき座)。

15900673617138 そちらの券売所はやはりシャッターが下ろされ、地下の劇場へと降りる階段の前には、看板の掲示があるのでした。

 

15900673546437  おまけに、(映画館ではないけれど)その隣にある東京宝塚劇場もちょっと。

「中止期間を6月末まで」と書いてあります。7月以降についても、状況を見極めながらホームページで発表していくとのこと。ナマの人間が出て来る演劇は、映画以上に大変です(オーケストラもいるし)。

15900673476606 こちらの2枚には、「お客様へのご協力のお願い」と「感染予防および拡散防止への取り組み」が書かれております。まだ公演していた時の名残りですね。まあ、再開後にも使える内容だと思います。

 

改めて未曽有の状況だという事を感じます。映画興行が始まって以来、こんなに長期間上映ができなかったことは日本でも世界でもないはずです。どうかきちんとした支援が成されますように。そして、1日も早い「復活の日」を!

 

(銀座・東銀座篇はこちら ↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-3e1451.html

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2020年5月20日 (水)

懐かしの「ファランクス」   #ファランクス #アメリカンゲーム #ボードゲーム

_20200520_225905  またも年がバレそうな話なのですが、1968年ごろ?~発売されたタカラの「アメリカンゲーム」という一連のボードゲーム・シリーズがありました。一番有名なのは、あの「人生ゲーム」。それ以外にも、「レーダー作戦ゲーム」とか「手さぐりゲーム」とかいろいろあったんですけど、小生がダントツ大好きだったのは、アメリカンゲームの異端児と言える「ファランクス」(PHALANX)。これ、シリーズ後期に出た、しかも地味なゲームなので、当時でもあまり知られていなかったと思います。

_20200520_230017 古代ギリシャの戦闘を思わせるデザインの盤と駒を使った、いわば変形チェスのようなゲーム。敵の駒の2辺を自分の駒で挟むと取れるというシンプルなルール。「9歳~成人向き」とあるように、簡単ではありますが、それなりに奥が深い頭脳戦ゲームなのです。

_20200520_230046 _20200520_230129 晩に白と黒の駒を並べて試合開始。駒のデザインを含めて、カッコイイのです。どの駒も縦・横・斜めに好きなだけ動けるという、これもまたシンプルなルール。それでも、駒の形が異なり、盤面に引かれた斜めの白線との関係で、ゲームには奥行きが生まれるのです。

ン十年ぶりに遊んで、やはり面白いと思いました。コンピューター系のゲームには一切興味がない大江戸ですが、こういうボードゲームはやっぱりいいですねえ。

_20200520_230213 子供時代に何度も何度も遊んだファランクスは、いつの間にやらなくなってしまいましたが、実はここ数年気になって、時々ヤフオクなんかでチェックしていたのです。しかしながら過去の取引記録はあるものの、なかなか出て来ないレア商品だったのです。ところが先日ふと見たメルカリに出品されていて、おお!と速攻入手!! 3,000円でした。届いた商品は、箱などかなり時代を感じさせる汚れや劣化がありましたが、これだけ経ってるんですから、しょうがないですよね。「そういうものだ」と受け入れましょう。骨董品に近い世界かもです。むしろ、ありがたい時代だと感謝したいものですね。

ファランクス、タカラさんでまた再販してくれないかなあ。むしろデジタルの世界の中で復活してもおかしくないと思うんですけどね(囲碁将棋オセロのように、コンピューターの得意分野でもありますし)。

| | コメント (0)

2020年5月19日 (火)

ちょっとがっかりのコンビニ・スイーツ   #コンビニスイーツ #ウチカフェ #チー2シュー #ミチプー #ふわしゅわ #金のミルクアイス

Dsc_4381近頃のコンビニ・スイーツで、ちょっとがっかりだったものの特集です(すみませんが、個人の意見です)。

こちらはローソン・ウチカフェの『チーズチーズケーキシュー』。愛称は「チー2シュー」のようですね。シュー生地の中に、レアチーズケーキとベイクドチーズケーキが入っております。

Dsc_4383 でも、好きな味ではありませんでした。かなり本格チーズ感はあるのですが、それゆえにスイーツとしてはどうなんだろう?って味。平たく言えば、あんまり甘くなくて、それゆえにおいしくない。むしろワインに合わせた方がいいかもって思いました。

 

Dsc_4334

続くのもローソン・ウチカフェシリーズで、しばらく前のやつ。「ミチプー」こと『ミッチリプリン』と、『ふわしゅわスフレ』です。

Dsc_4336 ミッチリプリンは、ミッチリ詰まった濃密プリンってことなんですけど、カラメルの下の本体は白色です。ローソンのサイトによると、プリン×パンナコッタってことのようですが、うーん、パンナコッタあまり好きじゃないし…。 で、やっぱりどうでもいいような(失礼)味でした。そんなに濃密な味でもないですし。マスカルポーネチーズを使っているそうですね。

Dsc_4335 で、ふわしゅわスフレの方は、名前通りでした。ふわしゅわっとしたスフレ。こちらも2種のチーズを使っているのだとか。大江戸はスフレが好きなんですけど、これはチーズ味が邪魔ですねえ。

うーむ、ウチカフェの担当者さんが、昨年の『バスチー』の大ヒットに気を良くして、チーズ味を前面に打ち出したスイーツをどっさり開発しちゃったって感じですねー(想像です)。

_20200223_121313 さらにさかのぼって、同じローソンでも「マチノパン」のテリトリーからは、『ミルクとバターのフランスパン』。近年巷でも多く見かける練乳フランスパンですね。これはまずくなりようがないのですが、ま、感激するほどには良く出来ていなかったなあ。あのパン屋とかあそこのベイカリーとかの方が、おいしいの作ってますもんね。コンビニで手ごろに買える良さはありますけども。

 

Dsc_4386 と、ローソンの悪口ばっかり言ってるようで申し訳ないので、セブンイレブンからも。

はい、『金のミルクアイス』です。製造は赤城乳業。北海道産生クリーム使用ってことで、乳脂肪も11.6%もあるのに、なぜか妙にあっさり味。コクが無さ過ぎます。ジェラートのように爽やかと言えばそうかもですが、大江戸は濃厚なタイプが好きなんでねえ。おまけにセブン&アイの「プレミアム・ゴールド」という最上級ブランドなのに。なのに、こんなもんですかい?って感じ。まあ、それぞれの好みってことなんでしょうけれど、大江戸の好みではないなあー。

ローソンにもセブンにもおいしいスイーツはいろいろあるんです。ま、いろいろあれば、こういうものもあるさ(それに、好きずきだし)ってことで…。

 

 

 

 

| | コメント (0)

2020年5月18日 (月)

東京のガウディー建築・続編!   #ガウディー #和泉のガウディー #東京の奇観

15891060227359 以前、杉並区和泉にガウディーのような怪異な建築があるというレポートを掲載しました。↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-1922.html

15891062579992 

その建物は11年後の現在も健在。

1階のデイリーヤマザキも変わりません。スバラシイです。

壁面の細かな細工とか、カラフルな色遣いも含め、見どころたっぷりです。

 15891061195240 ところがところが、この建物だけで満足してちゃいけなかったのです。

もっと早く気がつくべきだったのです。

 

 

この建物のある商店街を南側、つまり甲州街道に近い方に下っていくと、それはありました。

 

15891058506866 第2のガウディーです!!

15891057194422 いや、どっちが第1だか第2だかはわかりませんが、とにかくスゴイのがもう一つありました!

圧巻のファサード!

スゲーです!

15891057929564 この迫力! このクセ者感!

女の人の体、いったいどうなってんだ??

 

下から上まで、いろんな事やってあります。

 

15891056703321 集合住宅に違いありませんし、1階にも商店が入ったりはしておりません。

 

やっぱり基調はスペイン風なのでしょうか? 魔除けみたいな顔もついてます。

 

棕櫚(シュロ)も妙に似合うし。

15891055970590

たぶん住民の方もアーティスティックな方が多いのでしょうね。外を向いた窓も、こんな感じに何かを表現、発信しております。

 

15891043298191 そしてゴミ捨て場にも、ユニークな掲示が…。監視カメラの横でトランプさんが不法投棄に警告を発しております。

 

15891059958358 と、こんな圧倒的に見どころたっぷりなデーハー建築なのですが、道を挟んだ斜め向かいにはこんな昔ながらの、いや昔すぎる感じの建物が。

いやー、穴場です。

 

15891059505607

このそばには、鉄塔駒沢線が通っており、住宅街に突如高い鉄塔が出現したりもしております。

ぶらぶらする価値があるゾーンだと言えるでしょう。

 

そういえば、少し歩いて環七のそばまで行くと、おととし紹介した「マンホールだらけの小径」もありますぜ。↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-2372.html

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2020年5月17日 (日)

1993年のJリーグ開幕5試合   #Jリーグの日 #Jリーグ公式チャンネル #原博実

15897290536110

1993年5月15日にJリーグがスタートしたのを記念して、毎年5月15日は「Jリーグの日」ってことになっております。今年は(このような状況下ってこともあり)「Jリーグ・チャンネル」がYouTubeライブで、1993年開幕戦5試合フルマッチを放映。しかも、おなじみ原博実さんが通しで出演し、毎試合4人ほどのゲスト(当時出場していた元選手たち)がリモート出演で(オヤジの飲み会的ノリで)しゃべるという企画。ライブが終わった後も5月17日24時まではYouTube上にアップしているというので、足掛け三日で5試合全部見ました。まさにこういう時期でなければ、なかなかできないことです。

15日夜に1本だけ先行で放映されたのが、実際1993年にもこの試合だけ早く「ザ・1st マッチ」として行われた、国立競技場での横浜マリノスvs.ヴェルディ川崎戦。当時友人宅で一応さらっと見ていたのですが、大江戸もこの頃はまだサッカーをほとんど知らない時代だったので、ほとんど覚えておりません。Jリーグの歴史映像などで必ず出て来る「Jリーグキング」の風船人形がむくむくと立ち上がっていく、あの試合です。ゲストは両チームから二人ずつ木村和司、水沼貴史、柱谷哲二、北澤豪というメンバー。

で、翌16日は朝10時~午後6時までぶっ通し8時間で、切れ目なく4試合が続くという凄まじさ(ガンバ大阪vs.浦和レッズ、横浜フリューゲルスvs.清水エスパルス、サンフレッチェ広島vs.JEF市原、鹿島アントラーズvs.名古屋グランパス)。それでも、それぞれの試合が面白く、懐かしい点も多く、当時を語るゲストと原さんとの四方山話も楽しく、飽きることなく堪能できました。だけど、連続で見ると結構疲れましたー。頭がぼーっとするし、肩こりにもなるし。全5試合、特に16日には8時間ぶっ通しで出演して総合司会的な回しも行いながら話し続けていた原さん(61歳)、タフですねえ!

全試合を通して「球際が激しい」とか「気持ちが入ってる」とかはみんな言ってましたが、他に感じたのは・・・

・チーム戦術があんまり無い  ・ユニフォームのパンツが短い  ・ロングスローがやけに多い  ・薄毛の外国人選手がやけに多い(日本人も)  ・この段階ではまだみんな黒髪(茶髪、金髪はいない)  ・レッズのユニフォームが「牛肉」っぽい        ・ヴェルディのユニフォームはスイカっぽい  ってなこと。  

原博実さんがいろんな企画を行うYouTube「Jリーグ公式チャンネル」の動画は、チャンネル登録もして結構よく見ているのですが、面白いですねー。Jリーグ中断中の今も、このような企画で楽しませてくれています。サッカー・ファンのサッカーへの思いをつなぎとめてくれています。原さん、ファンからもコメントなどで大人気です。頭はいいし、話はうまいし、人柄は暖かいし、人望はあるし、いいですねー。我々としては、日本サッカー協会の会長もTさんじゃなくて原さん(または村井さん)にやってもらいたいところですが、どうなんでしょうかねえ?

そして次の機会には、ベルマーレ平塚の初年度(1994年)、あるいは中田英寿時代の試合なんかも見せていただきたいものです。

 

 

| | コメント (0)

2020年5月16日 (土)

今日の点取占い304   #点取占い #点取り占い

15896413383260 踏切や道路は落ちついて渡りなさい   5点

| | コメント (0)

2020年5月15日 (金)

「巨人と玩具」:モーレツでキョーレツ   #巨人と玩具 #増村保造 #川口浩 #野添ひとみ

Giantsandtoys_20200510182901 数年前にNHK-BSPで放映されて録画しておいた映画『巨人と玩具』を鑑賞。増村保造監督、川口浩・野添ひとみ主演による1958年大映映画。キャラメル会社の宣伝部間の競争をめぐる物語ですが、原作の開高健がサントリー(当時は壽屋)の宣伝部員だっただけに、生々しい迫力があります。

まあ、実に高度経済成長期の日本社会はこうだったという記録になっておりますね。モーレツです。コンプライアンスもコーポレート・ガバナンスもダイバーシティもポリティカリー・コレクトネスも、あったもんじゃありません。まさにイケイケドンドンです。でも、時代を超えての「宣伝屋あるある」も多少はあったりするわけです。

ワイワイガチャガチャとした狂騒的な演出は、ちょっと胃もたれがしそうです。風刺が強烈なのです。登場人物たちもアクが強くて、まいっちゃいますね。まあ、増村保造ですから、しょうがないでしょう。川口浩と野添ひとみは本作の2年後に結婚したわけですが、ここでは相性悪そうにしか見えません(笑)。ま、そういう人間同士のぶつかり合いもまた、増村保造の世界ですからね。そんなに悪い人じゃないけれど、川口浩はナイーヴで甘ちゃん過ぎて、笑ってしまいます。 てなわけで、とにかく嫌な人ばっかり出てきます。信欣三演じる胃弱の部長(「生ける屍」とまで罵倒されるんですけど…)にだけは、唯一救われる思いがしました。

それはそうと、高松英郎演じる川口浩の上司が、後半モーレツに働いて疲れ切った時に薬を飲んだら、川口がそれを見て「覚醒剤ですか?」だって! しかもその後、特にどうということもなく進行します。普通に覚醒剤飲んで仕事してるー(レッドブルぐらいの感覚か?)。いやはやキョーレツです。

 

 

 

 

| | コメント (0)

2020年5月14日 (木)

「深夜の告白」:1944年の飲酒運転と喫煙事情   #深夜の告白 #ビリーワイルダー #レイモンドチャンドラー #倒叙ミステリー

Di1 NHK-BSPでオンエアされた映画『深夜の告白』を見ました。1944年のビリー・ワイルダー監督作品(日本公開は1953年)。『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で有名なジェイムズ・M・ケインの原作で、なんとワイルダーとレイモンド・チャンドラーの共同脚本です! なるほど、(特にモノローグの語りに)チャンドラーらしい味がありますね。

犯罪者の側から描いた、いわゆる「倒叙ミステリー」。『刑事コロンボ』のスタイルのルーツですね。どのようにして計画犯罪が崩れていくかというのを楽しむ作品。犯罪×ファム・ファタールの「アメリカン・ノワール」とでも呼ぶべき作品でもあります。

Di2 そんなに大人気スターが出ているわけでもないし、モノクロのどちらかといえば地味な映画ですが、そこはワイルダー。当時38歳の初期監督作でありながら、見事に完成された演出です。やっぱり最初っから「語り口」が達者な人だったんですねえ。台詞に頼らなくても、明快に伝えるべきことを伝えます。娯楽映画はこうでなくっちゃね。 それにしても犯人、ちょっと計画と実行がずさんではありませんか?

切れ者の保険調査官を演じるエドワード・G・ロビンソンが、さすがの芝居。特に終幕のあたりの味わいは何とも言えません。

それはそうと、運転中にドライブイン(ドライブスルーみたいな所)で、車の窓にトレイひっかけてビールを堂々と飲んでいたり、スーパーマーケットの棚の前でタバコ吸ってたりと、・・・すごい時代だったんですねえ。いきなり映像で見ると、衝撃です。

| | コメント (0)

2020年5月13日 (水)

「茶聖」伊東潤:ドラマの深さと娯楽性   #茶聖 #伊東潤 #千利休 #利休と秀吉

15891977218311 この2月に刊行された伊東潤『茶聖』(幻冬舎)を読みました。本文7~519ページの長編。千利休と秀吉の確執をめぐるエンタテインメントです。これまで何冊もの利休小説を読んできましたが、本作はエンタテインメント性において一番かも知れません。

利休の行動原理を「(戦乱を遠避け)世の静謐を求める」ということに絞って、それゆえに秀吉と対立したという解釈が、これまでのどの解釈よりもわかりやすく得心できるものでした。それゆえに危険な橋を渡り、それゆえに命まで賭けたわけです。秀吉と利休の丁々発止のやり取り、言葉の裏の本心の読み合い、互いへのあてつけ…いやー、面白い。小説の力を見事に生かしました。これ、映画化されるんじゃないでしょうかねえ。人間ドラマの深さとエンタテインメント性がしっかり両立していますので。

難ありとまでは言いませんが、ちょっとどうかなと思ったのは、冒頭に切腹を持って来て、ラストがその手前まで(+数行の切腹後)という構成。普通に切腹ラストで良かったんじゃないかなあと思いました。

いずれにせよ、伊東潤さんの骨太にして流麗な筆でぐいぐいと引き込まれ、読み進みました。見事な「お点前」でした。

 

| | コメント (0)

2020年5月12日 (火)

新宿の映画館休館中(その2)   #新宿の映画館 #映画館休館中 

Ej1 去る4月23日に当ブログで「新宿の映画館(シネコン)休館中」と題して、現在の異常な状況を記録しておきましたが、今日はその時に漏れた数館をリポートします。

(4/23の新宿篇第1弾はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-4c301a.html

 

 

Ej2 まずは伊勢丹前にあるシネマート新宿1&2とEJアニメシアターが入った新宿文化ビルですが、ビルごとシャッターが降りて閉鎖されていて、面白くも何ともありません。シャッターには「当面の間」ってことで、臨時休業のお知らせが貼ってありました。

そういえば、シネマートでキム・ギドクの『人間の時間』を観ようと思っているうちに休館になっちゃったんで、再開されたら行かねばなのです。

Photo_20200512223301 続いては、K's cinema。いつも入口側ばかり見てたけど、建物の横はこんなに意匠を凝らしてオシャレだったんですね。

で、その気になって入口前を見ると、なるほど実はオシャレでした。シャッター降りてますけど。Photo_20200512223601

 Photo_20200512223901 すみません。 貼り紙が手ブレぶれぶれになってしまいましたあー! ま、こちらもビルごと「当面の間」休むってことです。

 

 

 

 

 

 

 

Photo_20200512224201 次にはシネマカリテです。地下への階段が閉鎖されていて、貼り紙にはこれまた「当面の間」表記。Photo_20200512224401 ここんちは武蔵野館と同じ武蔵野興行さんのコヤなので、2館まとめてのお知らせになっておりました。

そういえば ここんちの『21世紀の資本』も観ようと思っていたんですよねー。

 

 

 

 

1_20200512224901 てなわけで、最後に武蔵野館です。建物入口の灯りが灯っているだけでも嬉しいですよね。

こちらの告知ももシネマカリテとの2館共通になっているのですが、大きさもレイアウトも色遣いも違うんじゃ、共通にした意味がないのでは??(ま、文言は一緒でした。)2_20200512225201

 

クローズ期間中の寂しい光景とはいうものの、映画館のそばに行くだけでなんか嬉しい大江戸なのでありました。

 

今日のネットニュースで、全国のTOHOシネマズのうち10劇場が15日から営業を再開すると載っていました(しあさってだ!)。シネマサンシャインもだそうです。気持ち的には静岡や宇都宮あたりまで行きたいぐらいですが、行きません(エライ!)。もうしばらくの辛抱なのです(たぶん)。明けない夜はないのです。

 

(日比谷・有楽町篇はこちら ↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-bb69d4.html

(銀座&歌舞伎座篇はこちら ↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-3e1451.html

| | コメント (0)

2020年5月11日 (月)

「Wの悲劇」:最高峰!   #Wの悲劇 #薬師丸ひろ子 #三田佳子 #澤井信一郎

Wnh1 NHK-BSPで『Wの悲劇』(1984年)を見ました。角川映画の最高峰にして、大江戸的には「日本映画の最高峰」を『太陽を盗んだ男』『田園に死す』と争う作品でもあります。

何度となく見た名作ですが、久々の鑑賞。やはり惹き込まれます。荒井晴彦と澤井信一郎の脚本による、名セリフの数々。見事としか言いようのない澤井信一郎演出。そして薬師丸ひろ子史上最高の名演と、それを生んだ三田佳子の圧巻芝居。 今見ると、確かに時代を感じさせて、「ちょっと古い」感覚の場面もあったりはしますが、中盤以降はそんな事など気にかからず、この世界に飲み込まれてしまいます。

初めて観た時に「この作品のラストシーンが、薬師丸ひろ子の女優人生のピーク」だと感じましたが、確かにそうだったと改めて思います。カーテンコールのようにスカートの両端を持っての微妙な泣き笑い顔。素晴らしい。映画史上に残る見事なラストショットです。 その前の場面で、天井に貼り残されたポスターに飛びつこうとするあたりの体全体を使った演技は、それまで相米慎二に鍛えられた成果だと言えましょう。

Wnh2 そして、あの(演技を演技する)記者会見シーンの見事な表情とその変化。感動を禁じ得ません。唐田えりかもこれを参考にして記者会見をしていたら、世間からのバッシングがだいぶ違っていたのではと思っちゃいました。まあ、35年の間に世間が不寛容になり、芸能界が品行方正になり、メディアがコンプライアンスと保身でがんじがらめな時代になってしまいましたから…。今だと、あの記者会見でも許されずに炎上しちゃうんでしょうねえ。

ああ、そして日比谷スカラ座の(=東京宝塚劇場の)外階段! ビルの上層階にあった大劇場なので、終映後にはエレベーターとその脇の階段に加えて、ここも開けて客を出しておりました(満員の際は)。宝塚の出待ちプレイスでもありましたね。

まあ、今見ると多少の瑕疵やクサさが目についちゃったりしないこともないのですが、それでも時を超えた傑作に変わりはありません。

それにしても、原作を劇中劇に封じ込めるなどという「超禁じ手」がよくOKになったもんだと、今更ながら感心してしまいます。角川春樹と(原作者)夏木静子の間に、本作の三田と薬師丸のような「取り引き」があったのでしょうか。まさかね…。

| | コメント (0)

2020年5月10日 (日)

「マーラー」:ケン・ラッセルらしさも多いけど…   #マーラー #映画マーラー #ケンラッセル   

15890330174320_20200509230901 ケン・ラッセルの1974年作品『マーラー』をDVD鑑賞(日本では遅れて1987年の公開。シネマスクエアとうきゅうで観ました)。作曲家グスタフ・マーラーの伝記映画ですが、そこはケン・ラッセルなんで、一筋縄ではいきません。独自の自由奔放な想像力を使って、彼流の映画に仕立てています。(ところで「マーラー」と書こうとしたら「麻辣」と変換されて、笑いました)。

なにしろ1911年に50歳で没したマーラーなのに、(ユダヤ人の彼が見る悪夢として)ナチスドイツまで出て来るのですから! ワーグナーの妻コジマがナチのヘルメットかぶって、衣装にはハーケンクロイツ。この夢シーンは、かなりぶっとんだ=ケン・ラッセルらしい演出をしまくっておりますが(翌年の『Tommy トミー』につながるイメージもあります)、そういうラッセル・シグネチャーが全編あちこちに出て来ます。一方で、前後の作品に較べて狂い方が足りない気もいたします。真面目で真っ当な描写も多いのです。でも、冒頭の「サナギ」の映像はカッコイイですよねー。

あとは、コミカルなシーンも挟み込まれていて、序盤の『ベニスに死す』(’71年)パロディーなんかも、「いいのか?」って感じですよね。自作『恋人たちの曲<悲愴>』(The Music Lovers/’70年)へのセルフ・オマージュもあったりして。

まあ、「おいたちと産みの苦しみに葛藤する芸術家」というよくあるパターンの話でありながら、独自の解釈で変な映画にしたラッセルですが、『恋人の曲<悲愴>』ほどには振り切れてないので、どうしても中途半端な位置づけになってしまいます。 マーラー役のロバート・パウエル(『Tommy トミー』のキャプテン・ウォーカー!)は神経質そうな感じの病的な二枚目で、ハマっておりました。

ラスト近くの電車の窓からサインをもらう少女は、監督の愛娘ヴィクトリア・ラッセルですよね。つまり『Tommy トミー』のサリー・シンプソン役の彼女です。見つけて、あっと思いましたよ。

 

 

| | コメント (0)

2020年5月 9日 (土)

胎動   #Kリーグ開幕 #映画館再開

昨日は韓国のプロサッカー「Kリーグ」が無観客で開幕。ベンチの選手や監督はマスク着用だったり、ゴールを決めてもグータッチや肘タッチで喜ぶという特殊な風景をニュースで見ました。 台湾のプロ野球も(1万2千人入るスタジアムで)千人以下の客数に制限しての開幕。 来週15日にはドイツ・ブンデスリーガも開幕する予定です。

15890194613670_20200510001101 また今晩のニュースでは、5月7日から長野県の映画館が再開していると伝えておりました。左右2席ずつあけて距離を取りながらでした。岩手県なども15日から映画館再開と聞いております(もっとも岩手県在住の友人によると「平時でも前後左右に誰も座ってなくてガラガラ」なんだそうですけど)。大江戸も気持ち的には、他県の映画館にまで足を運びたいぐらいなのですが、でもそれはいけません。県外移動はご法度です。

けれども、各地に少しずつ(注意をしながら)復活の動きが出始めていて、心に希望の灯がともります。「出口が見えない」と「先に希望が見える」との違いは大きいのです。もちろん言うまでもなく、気を緩めたりしてはダメですけどね。

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

「カメラを止めるな! リモート大作戦」:カメ止め軍団のリモート映画   #カメラを止めるな #カメ止め #リモ止め #上田慎一郎

Cametome-remote YouTubeで公開中の新作短編映画『カメラを止めるな! リモート大作戦』を見ました。上田慎一郎監督&『カメラを止めるな!』のキャストが集結しての完全リモート制作作品だそうで、本編約26分で最後に上田慎一郎監督のご挨拶が1分半ほどついてます。

全編にわたってzoom会議のような分割画面が続きますが、時々は一人のショットになったり、編集の技が使われております。メインとなるアイディアが「くだらねー!」と笑ってしまうようなものなのですが、なるほどリモート撮影をこうつなげましたかって感じではあります。一般の人々から送ってもらった映像も使われていて、まあ1年前にはあまり想像できなかった映画作りです。1ヶ月足らずで作られた作品のようですが、そのスピーディーな機動力も今ならでは。「何かできることをやらねば」という思いに突き動かされた作品なのでしょう。

終盤に至って、「映画館で映画を観たい」という気持ちとか、「また映画を作れる日々が戻って来るその日まで」と言う思いとかが台詞に込められていて、軽く感動してしまいました(真魚さんの芝居も良かった)。 後年になって、「2020年の新型コロナ禍の日々にこんな試みもありました」という歴史の証言になるような映画なのでしょうね。また、朝日新聞にも書いてあったのですが、PCのモニターよりもスマホで見た方がいい感じ。そのデバイスの「柄」に合っているのです。

本編はここから見ることができます↓

https://www.youtube.com/watch?v=HTk2wqBxVfY

| | コメント (0)

2020年5月 8日 (金)

CKBの「Spark Plug」(&おまけDVD)   #クレイジーケンバンド #CKB #SparkPlug

15889445349050 今さらですが、クレイジーケンバンドの2014年のアルバム『Spark Plug』(初回限定盤・DVD付)を中古で買いました。いや、これいいです。すごいです。本作と翌年の『もうすっかりあれなんだよね』は、CKBの頂点なんじゃないかって気が致します。とは言っても、小生がきちんと聴くようになったのは『もうすっかりあれなんだよね』ツアーのあたりからなので、まだ未聴のアルバムがあれこれあって、今後が楽しみではあるのですが。

楽曲がみんな洒落ていて粒揃い。フレンチあり、中華あり、アメリカンあり、和風あり(料理ではないけど)、R&Bあり、ボサノヴァあり、ソウルあり、速いのありスローなのあり、明るいのあり暗いのあり…と、CKBならではのバリエーション。しかも本作の中には「あまり好きじゃないなあ」って曲がないんです。しいてあげれば『ごめんね坊や』がアレなんですけど、短いから許せちゃいます。何度聴いても、「飛ばす曲」などない傑作です。

『ドライヴ!ドライヴ!ドライヴ!』の抒情と爽やかさ。『モータータウン・スイート』のメロウさ。『2CV』のドラマチック感。『世界、西原商会の世界!』の懐かしい軽快さ。『スパークだ!』の哀愁とノスタルジア。などなど、派手さはないけど名曲揃い。のっさんのギター・ナンバーも硬軟(緩急)2曲入りです。

白眉は(?)3度にわたって出て来る『あ、すいません』で、これメンバーがしりとりで遊んでるだけなんですけど、そのおかしいこと楽しいこと! 何度聞いても面白いんです。見事な「箸休め」になっております。

で、おまけのDVDは『海賊版!!! 箱根ヨコワケハンサムワールド・ダイジェスト』(約25分)。これまたゴキゲンです。今も開催され続けている(今年は新型コロナの影響で中止になったようですが)恒例イベントの様子を垣間見ることができました。いやー、うらやましい! 同じホテルに泊まりながらのCBKメンバーとファンとの交流。その距離の近さ! 最後の方にはこれも恒例「箱根ヨコワケハンサムワールドat淡路島」の様子も入っていて、旅館の宴会場で浴衣姿で演奏するCKBとファンの近さに(知ってはいたものの)改めて愕然。ああ、行ってみてーなー。

| | コメント (0)

2020年5月 7日 (木)

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」:すごいぞ、マーゴット・ロビー   #ハーレイクインの華麗なる覚醒 #マーゴットロビー

002_20200406234701 しばらく前の当ブログのタイトルを見ていて、「あれ?」と思っちゃいました。映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が抜けてる(汗)! 4月2日に観ていたのですが、なんかコロナのバタバタの中で落っこっちゃてたみたいです。なので久々の新作レビュー(実は下書き状態で保存されてました)。うわ、楽しい。

あの不出来な『スーサイド・スクワッド』で唯一はっちゃけて輝いていたハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)を主役に据えた軽快なアクション作です。聞きなれない“birds of prey”ってのは、猛禽類って意味だそうで、DCユニバースにおける女性アクション・キャラクター軍団のことのようです。

004_20200407000101いや、もうワルくてキュートなハーレイ・クイン=マーゴット・ロビーを堪能するための映画。彼女は本作の製作者でもありまして、いやー、見事なプロデュース能力です。このヘア&メイク、このファッション、このしゃべり方、あくまでもカワイくて、あくまでもバカっぽくて、ハジケてます。そしてアクションもちゃんとできてます(もちろん吹き替えも使ってますが)。なにせ『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』では華麗なフィギュアスケートをほとんどマスターしてしまった彼女ですからね。身体能力も高いんです。というわけで、大江戸はマーゴット・ロビーをいつも評価しております。昨年の助演女優賞は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の彼女でしたし。

 

 003_20200407000301アクションがカンフー的で割とスローだし、ハイスピード撮影(スローモーション)も多用しているあたり、古典的に親切です。昨今の目にも止まらないCGIアクションよりも、好感が持てます。スローモーションで決めポーズとか、派手な衣装に派手メイクとか、「歌舞伎ムービー」って感じもありますね。

 監督のキャシー・ヤンは、作風がちょっと重いのかもって感じ。単純なキャピキャピ・ポップじゃなくて、どこか暗めの違和感を残します。今後もっとピッタリの素材に出会った時に、「ああ、こっち系の人だったのね」とわかるのかも知れません。

 

| | コメント (0)

2020年5月 6日 (水)

「捜索者」:偉大な西部劇と言うけれど…   #捜索者 #ジョンフォード #ジョンウェイン #西部劇

15886886817200 ジョン・フォード監督の1956年作品『捜索者』は、2008年にアメリカ映画協会によって「最も偉大な西部劇映画」第1位に選出されたほどの名作なんだそうですが、大江戸は未見でした。で、例によって数年前に買っておいたDVDを初めて見ました。

うーん、そこまで名作かなー? いくら何でも…ってぐらいに、白人優位目線に立ち過ぎ。1956年時点では、まだこんなもんだったんですねえ。とにかくこの主人公イーサン(ジョン・ウェイン)が差別主義者で、やけに偉そうにしてる、いけすかない男。そいつが主役では、物語に魅力や説得力が出ませんよね。そして、「アメリカ先住民=劣等な悪者」の図式だけで進行し、最後までそれが改まらないので、今見ると随分ひどい話だとしか思えないのです。クライマックスなども「えっ?」ってほどあっけなくて、拍子抜けですし。

それでも映像は魅力的。テクニカラーで捉えらえたモニュメント・バレーの「ザ・西部劇」な風景の美しいこと! 風景のロングショット、馬と風景の雄大な眺め、馬の疾走、光と影の使い方などなど、これぞ西部劇という映像集になっております。本来、大スクリーンで観るべき作品ですよねえ。

そして、西部劇の特徴的な要素がすべて(と言っていいほど)入ってます。馬、モニュメント・バレーの風景、ガンファイト、殴り合いのケンカ、ネイティブ・アメリカン(インディアン)、バッファローの群れ、家族…。

ま、ジョン・ウェインの主人公が「寅さん」なんでしょうね。何となく疎まれて家族のうちに入れず、周りの人は幸せになるけど、自分はまた流れていくという…。そういった意味では、なかなか哀感のあるラストでした。

 

 

| | コメント (0)

2020年5月 5日 (火)

「のん」の有料オンライン・ライブ   #のん #のんおうちで見るライブ #NONOUCHIDEMIRULIVE #のん有料オンラインライブ

15886815552940 のんさんの有料オンライン・ライブが、faniconというアプリを通して開催されるということで980円を支払って申し込んであったのですが、本日18時からのストリームを視聴しました。題して『NON OUCHI DE MIRU LIVE』ってことで、のんvs.ひぐちけい(のんシガレッツのギタリスト)の対戦形式で行われました。対戦形式というのは、二人がそれぞれオススメをプレゼンして、オーディエンスのナマ投票で衣装や曲を決めるというもの。ちなみに勝負の方は、4勝2敗でけいこさんの勝利でした(プレゼン力の差と言う気もいたしますが)。

有料のオンラインライブって、大江戸は初体験でした。その前に申し込んだクレイジーケンバンドのやつは、開催までの間に状況が悪化したので11人も集まれないってことで延期になってしまいましたから。開始時間の10分前ぐらいにアプリから入場。開演前には『わたしは部屋充』のMVが流れておりました。そして遅延なくスタート。のんさんの髪型はアメリカ先住民的なツインテール。画面には視聴者のコメントもリアルタイムで並んでいきます。その後、投票により二人の衣装はウェスタン調になりました。着替えの間は、画面に「うすしお」(のん)と「コンソメ味」(ひぐち)のポテチが映し出されるというシュールな展開。

そこから先は、視聴者の投票で勝った方の曲を二人が、アコースティックギターとヴォーカルで披露。『やまないガール』『憧れて』など全5曲でしたが、いつものロックなアレンジとは違ってアコギ1~2本で聴くと、曲の表情も違って新鮮でした。残念だったのは、ときどき音声が途切れたり画像が固まったりしたこと。小生の場合、最後の『スーパーヒーローになりたい』では、後半ぜんぜん音が聴こえなくなってしまい、映像も固まって、動き出した時には演奏が終わっちゃいました。そこは無念でしたね。有料なのだから、もう少ししっかりしてもらいたいと思います。inしてたオーディエンスの数も画面で見る限り6百数十人だったので、回線がぶっ飛ぶほどの量ではないと思いますし。

まあそれでも、元気なのんさんを生配信で見られたのは、このご時世において数少ない「アガる」出来事ではありました。長丁場になりそうですから、こういうイベントはこれからどんどん増えていくのでしょうね。また、少しでもアーティストや関係者を支えるためにも、そうあってほしいものです。

40分の予定をオーバーして53分やってくれました。終了後には『涙の味、苦い味』のMVが流れました。次回は1時間以上やってくれてもいいですよん。

 

 

| | コメント (0)

「猫を棄てる」:静謐な哀しみのようなもの   #猫を棄てる #村上春樹 

15885562163231 村上春樹の新刊『猫を棄てる  父親について語るとき』(文藝春秋)を買って、すぐ読んじゃいました。発売日の夕方にはもう書店で売り切れていたので、取り寄せたのです(取り寄せも一時欠品)。思ったより小さくて薄い本で、新書サイズに近いですね。本文は9ページ~97ページで、その後に4ページのあとがきがついてるだけ。その間にけっこう挿絵も入っているので、速読の人なら、あるいは本屋のはしごをすれば、立ち読みで読めちゃうんじゃないかと思います(そういうことはしないでね)。

村上さんの父親について書いた、とても私的な覚え書きで、こういう本がたくさん売れるってのは、驚くべきことではあります(それが現在の「村上ブランド」ってことでありますが)。文章は、いつも以上に静謐な哀しみのようなものに充たされておりました。この本を読んで思い当たるのは、彼が父から受け継いだ漠然とした戦争に関する澱(おり)のようなものが、『ねじまき鳥クロニクル』を書かせたのだろうなあということ。

15885561046550 表紙カバーを取った本体はグリーンの布目調で、昔の本みたいなクラシカルなデザインです。たぶんこの本で主に語られている時代(戦前から昭和30年代ぐらい)を意識したんでしょうね。表紙や本文中の挿絵は台湾の高妍(ガオ・イェン)さんという若い女性イラストレイターで、絵の中にとても寂しい空間があるのです。今回の村上さんの文章と相まって、とてつもなく孤独な世界が立ち現れて来ます。でも、そこまで寂寞とさせなくても良かったんじゃないかなあ。

まあ、それにしても、・・・猫の話は不思議でした。そこらの「人知を超えた謎の顕現」みたいなことも、村上作品のルーツになっているのでしょうね。

| | コメント (0)

2020年5月 4日 (月)

「セーラー服と機関銃」:アバンギャルドなまでの怪異さ   #セーラー服と機関銃 #薬師丸ひろ子 #相米慎二

Sailor NHK-BSプレミアムで『セーラー服と機関銃』を見ました。これも1981年の公開時、その後の完璧版公開時に観たきりで、相当長い年月がたっております。

やっぱり相当へんな映画です。よくこんなのが許されて、公開されて、しかも大ヒットしちゃったもんです。大人気アイドルの正月映画なのに、よくここまで思い切ったことができたもんです。昔よりも、今見直して驚いちゃいました。だって、主演アイドル(薬師丸ひろ子)のアップはほとんどなく、ロングショットや超ロングショットが多くて、顔なんかよく見えません。しゃべっているのに物陰に隠れちゃってるシーンも、いくつもあります。でも、全身を写してこそ生きる薬師丸の小動物のような動きは、これ以前に相米慎二監督と組んだ『翔んだカップル』の流れを汲むものですね。

おまけに、美術にしてもレンズの選択にしても長回しにしても、実験的過ぎて、とてもじゃないけどアイドル映画とは思えません。北村和夫のヤクザ事務所で壁面に時代劇映画が映写されていたり、三國連太郎の邸宅が大谷石切場の空間だったり、断崖で海を背に食事してたり、解剖用の手術室まであったりと、アバンギャルド過ぎます。新宿伊勢丹前のあの有名なラストシーンだって、「ハプニング」アートのようにアバンギャルドです。

そして全編に漂う死の匂い。これは、『ツィゴイネルワイゼン』などの脚本家=田中陽造のテイストでしょう。てなわけで、およそアイドル映画とは程遠い代物が出来上がったわけですが、プロデューサーも映画会社も観客も、みんな懐が広かった時代ですねえ。今なら忖度したり、恐れたり、SNS炎上したりで、大失敗する以前に闇に葬られたのではないかと思います。もっと頑張ろうよ、日本映画の関係者たち! とは言っても、大江戸もそんなに好きな作品ではないんですよねー、実は。今回それを再確認できました。

2015年に橋本環奈、長谷川博己主演でリメイク(『セーラー服と機関銃 -卒業-』)されましたが、相米版から受け継いだものもあるものの、基本的には普通の映画でした。で、すぐ忘れちゃうような作品でした。これからも時のアイドル主演で作られ続ける作品なのかも知れませんが(その昔の『伊豆の踊子』のように)、田中-相米版の怪異さには誰も迫ることはできないでしょうねえ。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年5月 3日 (日)

セブンイレブンのPBチョコ菓子   #セブンのチョコラスク #セブンのチョコミルフィーユ #セブンのチョコ菓子

15885072920620_20200503214701セブンイレブン・オリジナルのプライベートブランド菓子は、他のコンビニに比べてもけっこうアタリ率が高いと思うのですが、そこからのご紹介。

まずは『やさしいくちどけホワイトチョコ掛けラスク』。はい、あのガトーフェスタハラダの人気商品みたいな商品ですね。しかし製造はブルボン。だから非常にリーズナブル価格でございます。お味の方は、まあハラダには及ばないんですけど、このお値段ならかなりいい線行ってるんじゃないでしょうか。ちなみに6枚入り税込235円です。でも、姉妹品のチョコラスクは税込213円。ホワイトチョコの方が高いってことですよね。意外です。

15885073151621 そして、そのダークサイド(?)、『濃厚な味わいのチョコラスク』です。なんで片方は「くちどけ」で片方は「味わい」、片方は「掛け」が入ってるのに片方はないなのでしょうか。謎のネーミングです。 こちらは、チョコレートがかかっていて、しかもラスクもチョコ味の黒っぽいやつ。大江戸の好みとしては「白ラスクにチョコレートがけ」なんですけど、まあいいや。ホワイトとこっちのどちらが好きかっていうと、まあこっちの方ですね。

15885073342032 で、昨年発売された頃に「某有名洋菓子店のチョコミルフィーユどっくりなのに安い」と評判になったのが、『サクサク食感のチョコミルフィーユ』。6個入り税込み289円です。ま、こちらもあの古典的なミルフィーユに較べたらやっぱり負けちゃうと思いますけど、このお値段ならぜんぜん悪くありません。層の中のホワイトクリームがいい仕事してます。ちなみにこちらもブルボンです。

15885073570073 最後にこちら、『ザクザク食感のブラックブロックチョコ』。これだけ箱入りでも個包装でもありませんので、税込138円と大変お安くなっております。お味の方もそれなりに大衆的というか、駄菓子的。ブラックココアビスケットを砕いてチョコまぶしにしてあるので、サクサクはしていますが、むしろ妙に粉っぽい。そこが「ブラックサンダー」的で、大江戸としてはイマイチでした。こちらはブルボンではありませぬ。

てなわけで、セブン×ブルボンはテッパンだとわかった気がします。

| | コメント (0)

2020年5月 2日 (土)

「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」:不気味さとメタファー   #ボディスナッチャー #ボディスナッチャー恐怖の街 #ドンシーゲル

Bs 映画『ボディ・スナッチャー 恐怖の街』は、1956年のアメリカ映画で、日本では劇場未公開作です。その後、TVでオンエアされたりDVD化されたりしたわけです。以前NHK-BSで放映した際に録画しておいたものを、やっと見ました。

モノクロ80分でビッグスターも出ておりません。いわゆるB級映画ですね。でも今日まで生き残っているのは、一つはSFの古典とも言えるプロットのため、もう一つはドン・シーゲルの監督作品だからでしょう。長いキャリアを誇り(1945~1982年に監督作品があります)、後年には『ダーティハリー』『突破口!』などでも知られるアクション映画の巨匠ですが、この頃はB級の西部劇や戦争映画を多く撮っておりました。そして、西部劇や戦争映画と言えばこの人と言えるサム・ペキンパーが、本作では脚本に参加し、助監督と出演までやってます。

前半は何か不思議なことが起こっている、その不穏で不気味な感じをじんわり描いていき、後半には謎の種が明かされ、その後追跡アクションになっていきます。 当時アメリカが恐れていた共産主義の進出をメタファーとして描いたものだとか、いやその逆だとか、諸説があるようですが、・・・なるほどね。モノクロ映像でから不気味さが滲み出ており、後半の広場のロングショットなどは秀逸です。

ただまあ、最終的にはB級映画の枠を超えるものではなく、満足度は薄いかなあ。ただ、本作を入れて4回も映画化された原点だと思えば、見ておく価値はあったと思います。

 

 

| | コメント (0)

2020年5月 1日 (金)

大江戸時夫のJリーグ オールタイム・ベスト11   #Jリーグベスト11 #Jリーグオールタイムベスト11 #ストイコヴィッチ #オシム

15883462533610 最近はサッカーファンの皆さんもヒマなせいか、ネットに各種のオールタイム・ベスト11企画が出ておりますね。小生も刺激されて、大江戸の「Jリーグ オールタイム・ベスト11」を考えてみました。ま、お遊びですけど、こんな感じになりました。

FW:ドラガン・ストイコヴィッチ(名古屋グランパス)/パトリック・エムボマ(ガンバ大阪)

MF:中村俊輔(横浜Fマリノス)/中田英寿(ベルマーレ平塚)/アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)/中村憲剛(川崎フロンターレ)/遠藤保仁(ガンバ大阪)

DF:阿部勇樹(JEF千葉)/井原正巳(横浜マリノス)/長友佑都(FC東京)

GK:川口能活(横浜マリノス)

監督:イビチャ・オシム(JEF千葉)

チーム名は(複数所属した選手でも)一番印象深かったJチームを、活躍当時の名称で入れてあります。

 

3-2-3-2で、超攻撃的布陣です。そのため、DFの弱さには目をつぶってください(笑)。右サイドバックは内田も酒井宏樹も奈良橋も決め手に欠けるので、それならと何でもできる阿部勇樹を持ってきちゃいました(実際にやったことあるし)。 このスター軍団の中でもマイ・ベスト・プレイヤーはピクシー=ストイコヴィッチ。そして監督はもちろんオシムさんです!(おお、二人とも旧ユーゴスラヴィアですね)

| | コメント (0)

« 2020年4月 | トップページ | 2020年6月 »