「深夜の告白」:1944年の飲酒運転と喫煙事情 #深夜の告白 #ビリーワイルダー #レイモンドチャンドラー #倒叙ミステリー
NHK-BSPでオンエアされた映画『深夜の告白』を見ました。1944年のビリー・ワイルダー監督作品(日本公開は1953年)。『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で有名なジェイムズ・M・ケインの原作で、なんとワイルダーとレイモンド・チャンドラーの共同脚本です! なるほど、(特にモノローグの語りに)チャンドラーらしい味がありますね。
犯罪者の側から描いた、いわゆる「倒叙ミステリー」。『刑事コロンボ』のスタイルのルーツですね。どのようにして計画犯罪が崩れていくかというのを楽しむ作品。犯罪×ファム・ファタールの「アメリカン・ノワール」とでも呼ぶべき作品でもあります。
そんなに大人気スターが出ているわけでもないし、モノクロのどちらかといえば地味な映画ですが、そこはワイルダー。当時38歳の初期監督作でありながら、見事に完成された演出です。やっぱり最初っから「語り口」が達者な人だったんですねえ。台詞に頼らなくても、明快に伝えるべきことを伝えます。娯楽映画はこうでなくっちゃね。 それにしても犯人、ちょっと計画と実行がずさんではありませんか?
切れ者の保険調査官を演じるエドワード・G・ロビンソンが、さすがの芝居。特に終幕のあたりの味わいは何とも言えません。
それはそうと、運転中にドライブイン(ドライブスルーみたいな所)で、車の窓にトレイひっかけてビールを堂々と飲んでいたり、スーパーマーケットの棚の前でタバコ吸ってたりと、・・・すごい時代だったんですねえ。いきなり映像で見ると、衝撃です。
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