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2020年5月10日 (日)

「マーラー」:ケン・ラッセルらしさも多いけど…   #マーラー #映画マーラー #ケンラッセル   

15890330174320_20200509230901 ケン・ラッセルの1974年作品『マーラー』をDVD鑑賞(日本では遅れて1987年の公開。シネマスクエアとうきゅうで観ました)。作曲家グスタフ・マーラーの伝記映画ですが、そこはケン・ラッセルなんで、一筋縄ではいきません。独自の自由奔放な想像力を使って、彼流の映画に仕立てています。(ところで「マーラー」と書こうとしたら「麻辣」と変換されて、笑いました)。

なにしろ1911年に50歳で没したマーラーなのに、(ユダヤ人の彼が見る悪夢として)ナチスドイツまで出て来るのですから! ワーグナーの妻コジマがナチのヘルメットかぶって、衣装にはハーケンクロイツ。この夢シーンは、かなりぶっとんだ=ケン・ラッセルらしい演出をしまくっておりますが(翌年の『Tommy トミー』につながるイメージもあります)、そういうラッセル・シグネチャーが全編あちこちに出て来ます。一方で、前後の作品に較べて狂い方が足りない気もいたします。真面目で真っ当な描写も多いのです。でも、冒頭の「サナギ」の映像はカッコイイですよねー。

あとは、コミカルなシーンも挟み込まれていて、序盤の『ベニスに死す』(’71年)パロディーなんかも、「いいのか?」って感じですよね。自作『恋人たちの曲<悲愴>』(The Music Lovers/’70年)へのセルフ・オマージュもあったりして。

まあ、「おいたちと産みの苦しみに葛藤する芸術家」というよくあるパターンの話でありながら、独自の解釈で変な映画にしたラッセルですが、『恋人の曲<悲愴>』ほどには振り切れてないので、どうしても中途半端な位置づけになってしまいます。 マーラー役のロバート・パウエル(『Tommy トミー』のキャプテン・ウォーカー!)は神経質そうな感じの病的な二枚目で、ハマっておりました。

ラスト近くの電車の窓からサインをもらう少女は、監督の愛娘ヴィクトリア・ラッセルですよね。つまり『Tommy トミー』のサリー・シンプソン役の彼女です。見つけて、あっと思いましたよ。

 

 

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