「弥生、三月 君を愛した30年」:ツッコミ所と美点 #弥生三月 #君を愛した30年 #波瑠 #成田凌 #遊川和彦
映画館再開後の初シネコンは、新宿ピカデリー。土曜の午後だというのに、ガラガラでした。コンセッションには全く人が並んでおらず(写真では二人いますが、お客が誰もいないことも多かったです)、券売機前にもほとんど人はおらず、ロビーのベンチはベルトポールで使えないようにしてありました。 客席にも座席の左右には2~3席にテープが貼って座れなくしてありました。定員の半分どころじゃない、1/3~1/4ぐらいの入りで満員になるわけです。うーむ。
観た作品は、緊急事態宣言前に公開されていたもののまだ未見だった『弥生、三月 君を愛した30年』。波瑠、成田凌、杉咲花という役者陣は、結構大江戸好みなのですが、監督・脚本の遊川和彦が好きじゃないもんで。いや、いくつかのテレビドラマで、結構拒絶反応があるほど合わないもんで、どうかなあ…と思っていたのです。
まあ、時々「やっぱり苦手だなあ、この人」と思う場面もありましたが、全体的には普通に観ていられました。いくつかの美点もあったと思います。でも、偶然に頼り過ぎだとか、波瑠さんも顔が大人になったのでさすがに高校生には多少の違和感がとか、夜逃げ寸前から結婚で家族を救うエピソードっていつの時代だよとか、『見上げてごらん夜の星を』がかかり過ぎるだろとか、ツッコミ所も多々あります。
けれども、波瑠の(おせっかいなほどの)正義感とか、成田凌またしても!のダメ男とか、声だけでも泣かせる杉咲花とか、役者陣は悪くないのです。波瑠なんて、17歳ぐらいの時の走りと50歳ぐらいになってからの走りの差を、実にいい塩梅で演じ分けています。成田凌は、高校生の時にはきらめいていたのに、大人になってダメダメになっちゃう役を何度映じたことでしょう。ギネスものでは?
遊川演出で一番良かったのは、40歳ぐらいになった二人が結ばれた一夜の激情の感覚。あそこは優れていました。なのに、エンドタイトルの場面で二人にミュージカルみたいに歌わせちゃうんですよねー。あそこにはズッコケました。
1970年生まれの二人の高校時代の1987年から始まり、2020年3月までを描く物語。正確には「君を愛した33年」だったかと。 で、2020年3月の街の描写は、誰一人としてマスクをしていないのでしたー。もちろん作り手としては、そこまで予想できませんもんね。
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