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2020年6月22日 (月)

「伊豆の踊子」(1974):ラストの嫌な感じ   #伊豆の踊子 #山口百恵 #三浦友和 #西川克己

Izu NHK-BSPで山口百恵/三浦友和主演の『伊豆の踊子』をやっていたので、1時間22分と短いこともあり、見てしまいました。その後12本を数えることになる百恵ー友和映画の第1弾。山口百恵は当時15歳でした。

うーん、初めて見ましたがまさに昭和ですね。アイドルが文芸映画やるのって、今はありませんもんね。今のアイドルは、ほぼマンガ(たまにラノベ)原作のキラキラ映画ですからねー。でも意外なほど面白かったです。大人の鑑賞に耐えるように作ってある、っていうか今の中高生がこんなの見たら飽きちゃいますけどね(それ以前に驚いちゃって口ポカーンでしょうけど)。そりゃいくら大衆娯楽映画として作っているとはいえ、原作は川端康成先生ですもんね。ある程度の深みはあるのです。

百恵さんはまだ子供っぽいし、(役柄もあって)垢抜けません。そして演技はまだまだ。 一方の友和さんは、スッキリクッキリした「美男子」。イケメンなんてもんじゃなくて、「美男子」です。すがすがしくて爽やかなことこの上ありません。

それにしても書生さんってのは、世の中でかように尊敬されていたのですね。それとは逆に踊子たち旅芸人の人々への差別といったら! 役者たちが「河原乞食」として貶められていたという歴史と遠くない時代だったのですね。

(以降ネタバレあり) ラストカットには驚きました。この時代だからタイトルロールなんてなくて、ストップモーションの絵に「終」だけなんですけど。その絵が、宴席で酔っぱらった刺青男が踊子(百恵)の首に刺青の腕をからめるというもの。まさにイノセントな少女に邪悪なものが襲いかかりつつあることを暗示するような映像なのです。その前に、紅涙を絞るような美しい別れの場面があっただけに、このラストの「嫌な感じ」には唖然。正月映画だったというのに、みんな冷水を浴びせかけられたような気持ちで劇場を後にしたのではないでしょうか。やりますね、西川克己監督。

 

 

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