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2020年6月 3日 (水)

「コロンバス」:静かに、じんわりと   #コロンバス #モダニズム建築 #ヘイリールーリチャードソン

008_20200603223901 首長竜になるほど待ちました。4月2日以来まるまる2ヵ月ぶりに、映画館で映画を観ました。6月1日から(東京も)休業要請解除となり多くの映画館が再開したってことで、大江戸も真っ先に映画館に行って応援してあげようと思っていたのです。ところが、(仕事帰りに間に合う)夜の回があまりやってなかったり、(中断前の上映作品や、近年のヒット作の再上映が多いので)もう観ちゃっていたり、たまに新作をやっていても(小生でさえ観る気をそそられないほどに)超マイナーな作品だったりで、なかなかうまくいかなかったのです。で、3日目にしてようやく猛ダッシュで汗だくになりながらギリギリ間に合ったのが、渋谷のシアター・イメージフォーラムでやっている『コロンバス』だったわけです。久々の感慨をかみしめる暇もなく、席について3秒ぐらいで本編が始まりました。

001_20200603224701 モダニズム建築で有名な(って、知りませんでしたけど)インディアナ州コロンバスを舞台に、地元の若い女性と韓国系男性とのドラマが展開します。本作では建築はあくまでもドラマの舞台や背景として存在し、必要以上に主張して来ません。ただ、見事にこの映画の下地というか土台というかになっているのです。モダニズムだから、そんなに感動したり息をのむようなことはなく、淡々と存在していることが多いのですが、時にはユニークな形状のものや一部非モダニズムなものも混ざって、「アメリカらしからぬ」この町の特異な、そしてクリーンな雰囲気を味わせてくれるのです。

「アメリカらしからぬ」というのは、そもそもこの映画自体に言えることです。静かで、ひそやかで、でもゆっくりじんわりと心温まる感じ。そこはかとないユーモアも漂っています。初期のジャームッシュとか、ああいうオフビートな才能を思い出しました。監督・脚本・編集のコゴナダさん(韓国系アメリカ人なのだそうです)は、敬愛する野田高悟(のだこうご=小津安二郎作品の脚本家として知られる)からその名を取ったそうですが、確かに韓国映画じゃなくて日本映画寄りの個性です。フィックスの長回しも多用され、静けさの中にしみじみとした味を醸しています。今後、要注目ですね。

003_20200603230801 そして、主人公の女の子を演じるヘイリ-・ルー・リチャードソンが、素晴らしいのです。「女優」っていう言葉とは正反対のナチュラルな持ち味が、良いのです。ぽやっとしながらも、まじめに一所懸命生きてる感じ。タバコの吸い方も、近年まれに見る感じの良さなのです。奥ゆかしく「普通」なんだけど、味わい深い。今後、要注目ですね。

 

映画が終わると、場内には7-8人ぐらいしかいませんでした(ま、小さい劇場だし、もともと不入りの作品もしばしばあったのですが)。一席おきの販売で、換気も十分行き届いていて、みんなマスクをして会話はせず、対面ではなく同じ方向に向かう映画館。識者も「けっこう安全」と言っている映画館に、皆さんもぜひ足を運んで支援してあげてください。今週末5日からは最大手のTOHOシネマズも営業再開して、新作も封切られていくようですから。

 

 

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