「エジソンズ・ゲーム」:善悪逆転の意外性 #エジソンズゲーム #カンバーバッチ #エジソン
映画『エジソンズ・ゲーム』は、あの発明王エジソンと実業家ウェスティングハウスの確執をめぐる物語。直流と交流の「電流戦争」(=原題の“The Current War”)でもあります。
いやいや、観てびっくりしましたよ。先入観でも、予告編でも、ベネディクト・カンバーバッチ=エジソン、マイケル・シャノン=ウェスティングハウスという配役からいっても、絶対にエジソン=いい人、ウェスティングハウス=悪い人なのだと思っていたら、実は逆なのでした!
あの品行方正そうなカンバーバッチが腹黒い謀略家のエジソンを演じ、『シェイプ・オブ・ウォーター』の極悪人役も記憶に新しい悪人顔のマイケル・シャノンが真っ当で思慮深い善人のウェスティングハウスを演じるとは、びっくりです。ただ、その意外性が映画を成功させたかというと、うーん、そうでもないんじゃないかなあ。けっこう切れ味が悪いというか、エジソンを徹底して悪人に描いたわけでもウェスティングハウスを完全に良い人として描いたわけでもないため、中途半端にグダグダな印象。そりゃあ人間っていろんな顔があるわけですけど、そこらはうまくキャラクター付けしていかないと、映画としての面白さから離れて行っちゃうんですよねー。
それにしても、電気椅子の開発にまつわるあれこれとか、知らない事が色々と描かれていて、勉強になりました。でもいい映画だったんだかそうでもなかったんだか、面白かったんだかそうでもなかったんだかが判然としないという、不思議な作風となっておりました。
映像的にはかなり凝っておりましたが、そのためにかえって重厚感がなくなってしまったかのような気もいたしましたねえ。なんかこの監督(アルフォンソ・ゴメス=レフォン)、もっと合う題材がありそうな気がしてなりません。
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