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2020年6月11日 (木)

「映画『東京オリンピック』1964」:市川崑作品のメイキング本   #映画東京オリンピック1964 #市川崑 #森遊机 #吉田伊知郎

15917804544280 『映画「東京オリンピック」1964』(復刊ドットコム)という本を買いました。B5版ソフトカバーで図版もふんだんに使ってはいるムック的側面もあるものの、基本的には文章を読ませる本。まあ体裁の割にはお値段が高めですけど(4,500円+税)、そう部数が出ないでしょうからねえ…。

この本、『キネマ旬報』(6月上旬号)でも紹介されていたのですが、先の東京オリンピックの記録映画である市川崑総監督の『東京オリンピック』のメイキング本。でも表紙や扉にはぜんぜん著者が載っていないという奥ゆかしさ。奥付を見るとようやく小さな文字で、「プロデュース・編集 森遊机  執筆 吉田伊知郎 森遊机」と記されておりました。ここらへんは森氏が発行元の復刊ドットコムにお勤め(と『キネ旬』に書いてあった)という事情も関係していたりするのでしょうか? 何にしても、あの執念の大著『市川崑の映画たち』の著者である森氏(正確には市川崑との共著)が、2020東京オリンピックに合わせて、またも執念の企画をぶつけてきたなという印象。本来なら今頃、もっと話題になっていたかもしれない本なんですけどねえ…。

いずれにしても、映画『東京オリンピック』のファンの一人としては、非常に興味深く面白く読みました。昨年の大河ドラマ『いだてん』でも描かれていたように、黒澤明の降板により急に監督のお鉢が回って来た市川崑が、四方八方からの苦難困難を乗り越えてこの大プロジェクトを成し遂げた、その道のりの詳細な記録です。想像以上に難産だったんですねえ。

準備からスタッフィング、脚本づくり(ドキュメンタリーでも脚本が命なのです)、撮影機材の準備、工事中の東京の撮影、聖火リレーの撮影などを経て、本番の日々。そしてポスト・プロダクションを経て、賛否両論の中の公開、様々な評価、そしてその後。本作の市川崑は監督ではなく「総監督」という立場でしたが、それは映画作り全般にわたるプロデューサーとして大車輪の働きだったことを示してもいます。これを読むと、終わってから2年間も映画を作らなかったことも、作り出してからも以前の勢いがなくなって長い低迷期に入ったことも、納得できます。魂擦り減らしちゃったんですねえ。

いずれにしても、もう一回この作品を観直してみたくなりました。そして、コロナを乗り越えて、2021年の河瀬直美版も作られますように!

(で、見直した映画についてはこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-207ae3.html

 

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コメント

昨日のNHK たけしの その時カメラは回っていた で
男子マラソンの終盤で、映画クルーが禁じ手のバック
走行で、円谷選手の絵をおさえた裏話をやってました。
ご覧になりましたか?

投稿: onscreen | 2020年6月14日 (日) 09時46分

おお、onscreenさん、あの番組たまたま途中から見ました。NHKの放送班と市川組が、バカヤロー!コノヤロー!状態だったってのに笑いました。

投稿: 大江戸時夫 | 2020年6月14日 (日) 21時23分

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