「のぼる小寺さん」:ゆるくて普通で素敵 #のぼる小寺さん #ボルダリング #古厩智之 #工藤遥 #青春部活映画
映画『のぼる小寺さん』は、高校生の学園ものですが、いわゆるキラキラ映画とは一線を画した古風な青春映画。かといって、決してクソ真面目な作品などではありません。楽しめるいい映画です。
監督は古厩智之。これまで彼が作って来た『ロボコン』『奈緒子』『武士道シックスティーン』などと同様、上出来の「部活映画」なのです。で、今回はボルダリング部という珍しい(たぶん映画史上初の)切り口を持って来たところが、成功の一因です。 そして脚本は、『けいおん!』や『聲の形』などの吉田玲子。いいです。独特のゆるさと普通さかげんが素敵です。
とにかく(元モーニング娘。の)工藤遥(小寺さん)がほとんど自分で壁を登っているところがスゴイです。カットを割らずに見せられることで、映画の強度が増しています。言っちゃあ何ですが、美人なわけでも特別にカワイイわけでもない彼女(普通は主役を張るタイプではない)が、とても魅力的に見えるのです。身体能力が効いているのです。
そして、彼女の周囲の一人一人をしっかり描いていることも勝因。ある意味、一人一人がそれぞれに「小寺さん」=主役でもあるってことを示して、秀逸です。
ほんわかとゆるいラストを含めて、「傑作」といったレベルではありません。でも観ると、ちょっと幸せな気分、高校生の気分になれる映画です。それって、価値があることですよね。 ちょっぴりボルダリングを体験してみたくなりました(簡単なやつね)。
*上映前に、工藤遥と古厩監督からのビデオメッセージがついておりました。
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