「アルプススタンドのはしの方」:輝けなくたって・・・ #アルプススタンドのはしの方 #城定秀夫
『アルプススタンドのはしの方』は、純粋に楽しい映画、良い映画。75分という短さも、ちょうどいいサイズ。最後の部分を除いては、描かれている物語時間と映画の時間がイコールで、場面もアルプススタンドのはしの方と球場のコンコースのみだから、「これ演劇にできる」と思って観ていたら、なんともともと演劇だったのでした。しかも、高校の演劇部顧問の先生が書いたそうで。いやー、いいホンだと思います(浅草での舞台公演を経て、今回は映画用に改変された脚本)。青春のステージでキラキラ輝けない、いや、ステージに立つことすらできない人たちを描いて、いい味出してくれてます。
100本以上のピンク映画を監督している城定秀夫監督の、一般作品デビュー。しっかりしたいい仕事ですよね。笑えるし、最後には感動させるし。役者たちもみんな魅力的で、ノー・スター映画ながら、最後には彼らにとても親近感と共感を覚えてしまいます。大江戸はいつも通りメガネっ娘に目が行くのですが、本作では吹奏楽部キャプテンのキャラクターがむしろ心に残りました。
(以降ネタバレあり) 試合が終わって、そしてその後の後日談パートが効いてるんですよねー。ますます彼らに愛情を感じてしまいます。時間は、いろんな物事に変化を与えてくれますし、変化していく、成長していくって、大切なことですね。
それにしても・・・、このロケ場所のスタンドがまったく甲子園球場に見えないという開き直り方! どっかの市営球場にしか見えません。スタンドの後ろに灌木が見えてる風景が、甲子園じゃないやね。
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