「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」:ウディ印のNY映画 #レイニーデイインニューヨーク #ウディアレン #エルファニング
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は、ウディ・アレンの2018年作品。ウディが#MeToo運動で糾弾されて、アメリカではいまだ公開されていないのだとか。このニューヨーク映画をニューヨーカーたちが観られないなんて、不幸なことですね。
作品は久々のニューヨークで、たっぷりロケ撮影をしたゴリゴリのウディ印。美男美女によるスクリューボール・コメディーということで、実に古き良きアメリカ映画の伝統を継承した作品です。ティモシー・シャラメが昔のアレンみたいな茶系のヘリンボーン・ジャケット姿でマンハッタンを歩き、そこに早口のモノローグがかぶるという、まさに『アニー・ホール』や『マンハッタン』を思わせる作品でもあります。そこにジャズとエル・ファニングと来ては、大江戸好みのてんこ盛りではありませんか。
でも100%気に入ったかというと、そこまでは行きませんでした。ウディが主役じゃないから…ってこともあるのかも知れませんが、面白いんだけど面白さも中ぐらいなり、って感じ。鑑賞前に自らハードル上げすぎちゃったかなあ。エル・ファニングも天真爛漫にキラキラしているのですが、今ひとつ圧倒的とまでは言えません。セレーナ・ゴメスにしても、さほど魅力的ではなかったし(だからラストが唐突な印象)。 それぞれのエピソードも、割と普通にまとまった感じで、これまた突き抜けたものになりませんでした。ギャツビー(シャラメ)の母親をめぐるびっくり展開も、なんか微妙でしたし…。
撮影は『カフェ・ソサエティ』『女と男の観覧車』に続いて名手ヴィットリオ・ストラーロ。でも、『女と男~』の見事な色彩設計と圧倒的な美しさに較べると、本作はやはりそこそこ。オレンジ色の夕日みたいな光と、人の顔への光と影の作り方が特徴的でしたが、変に主張が強すぎて、この物語には合っていないような気がしました。
エロール・ガーナーの『Misty』(2回流れます)だけは、とっても素敵なのでありました。
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コメント
しっくりきませんでしたかー
見るタイミングとか評価に影響しますよね...
投稿: onscreen | 2020年7月11日 (土) 06時50分
そうなんですよー、onscreenさん。 絶対大好きな傑作だろうと思ったのですが…。やはりここ10年のウディのベストは『ブルー・ジャスミン』ですね。
投稿: 大江戸時夫 | 2020年7月11日 (土) 22時45分
「ブルージャスミン」いいですねー
ラストの主人公の虚ろな目が忘れられません...
投稿: onscreen | 2020年7月25日 (土) 06時11分