「ようこそ映画音響の世界へ」:映画の半分は、音 #ようこそ映画音響の世界へ #映画音響
映画『ようこそ映画音響の世界へ』は、映画におけるサウンドの存在と重要性を、「百見は一聞にしかず」的に教えてくれるドキュメンタリー。大江戸のような病膏肓(やまいこうこう)の映画ファンにとっては、とっても興味深い世界です。
サイレント時代の映画上映の音響効果から始まって、今日までの映画史を「音響」でたどる試み。その音響も「音声」「効果音」「音楽」の3領域をさらに細分化しながら解説してくれるので、この世界への総合的な理解ができる作りになっています。それにしても、映画へのステレオ音響の導入が’70年代半ばだったってのは、随分遅かったものですね(本作ではバーブラ・ストライサンド版『スター誕生』が引き合いに出されてましたが、例えばそれより1年早い『TOMMY トミー』では、5チャンネル・サラウンド(QSクインタフォニック・システム)が使われてましたよ)。
しかも豊富な映像フッテージとともに解説してくれるので、映画における音の働きがとてもよくわかるのです。ハリウッド作品ばかりではなく、『第七の封印』『七人の侍』『勝手にしやがれ』『イレイザーヘッド』なんかも入っているのが、嬉しいところ。94分の本作が2時間になってもいいから、もう少し長め&多めにフッテージを見せてもらいたかったぐらいです。
音響の職人たちに加えて、映画監督たち(含・俳優兼任監督)へのインタビューも豪華--スピルバーグ、ルーカス、リンチ、レッドフォード、ストライサンド…。それと、面白かったのは「フォーリー」という手製の効果音。濡れタオルをぐじゅぐじゅやったり、松ぼっくりを押しつぶしたりして、リアルな効果音を作っているのです。でもそれって、『ラヂオの時間』の藤村俊二じゃん!
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