「あいつと私」('61):昔の大学生に唖然! #あいつと私 #芦川いづみ #石原裕次郎
映画『あいつと私』(1961)をしばらく前にNHK-BSPでやっていたので、録画して鑑賞。随分前に見たことがある作品ですが、芦川いづみを見たかったので。
当時の大学生の現代との違いに、唖然とします。60年近くたっているとはいえ、男と女の地位・立場・役割分担などに関して、クラクラするほど古いんですよねー。それでも女子大学生が出ているだけに、進歩的な発言があったりもするのですが、そんなものも裕次郎の「男らしさ」の前にかき消されてしまうという感じで…。
この作品の石原裕次郎は、大金持ちのボンボンだもんで、もうやりたい放題。普通に考えれば「嫌な奴」なんですけど、裕次郎が演じたからもったようなもの。それでも、いきなり女性にビンタをくらわせるは、芦川いづみを腕力で押さえつけて唇を奪うは、現代の基準だと完全にアウトです。それ以外にも今から見ると、いろいろ問題なシーンや言葉が多いですよ。まあ、そもそもこの石坂洋次郎原作の作品世界が、かなり奇天烈なのですけどね。
でも、当時の学生生活を描いたり、安保闘争の学生デモの様子を再現していたりして、歴史的には貴重な資料になっていたりもします。
石原、芦川をはじめオールスター・キャストです。まだ幼い吉永小百合や、まだ子供の酒井和歌子も出ています。轟夕起子、宮口精二、滝沢修ら大人たちは、それぞれに見事。中原早苗、小沢昭一、吉行和子、渡辺美佐子らもまだ若いですねえ。
でもやっぱり芦川さん! ショートカットで、実に吉岡里穂っぽいです(逆だけど)。可憐だし、怒った顔もかわいいものですし、嵐の庭の場面などは、その純情さが素晴らしいですね。
この作品、主題歌がめちゃくちゃヘンテコなんですけど、谷川俊太郎の作詞なんですね。へー。
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