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2020年10月24日 (土)

「星の子」:芦田愛菜の凄さを見る映画   #星の子 #芦田愛菜 #大森立嗣

1_20201024233101 映画『星の子』は、とにかく芦田愛菜を見るための映画。子役からの休業期間を経て、「若い女性」となった現在16歳(撮影時はたぶん15歳)の愛菜さんが、圧倒的な演技を見せます。なんか、素晴らしいものを見せてもらったって感じです。ありがたいありがたい。

多くの観客もそうだと思いますが、新興宗教アレルギーのある大江戸としては、主人公ちひろの両親の行動には頭を抱え、弱りました。まさに、大友康平と池谷のぶえが演じる夫婦のような一般的スタンスです。大森立嗣監督の前作『MOTHER マザー』で長澤まさみが演じた「毒親」とは全く別のタイプですが、この両親もまたある種の毒親なのです。愛情にあふれた毒親なのです。「子供に親は選べない」とは、よく言ったものです。

愛情にあふれているだけに、ちひろもこの親から離れられない、離れる理由がない…でもいつかはきっと離れる日が来るのでしょう、このラストを暖かみのあるハッピーエンドと取るか、絶望感をはらんだアンハッピーエンドと取るか、…大江戸は後者です。

全体的には大森監督、手堅い良い仕事をしましたが、あのアニメーションの使用だけは、失敗だと思いますねえ。なんでああしちゃったかなあ?

001_20201025000701 いずれにしても、無邪気な子供っぽい表情から、衝撃と動揺で目に涙を浮かべた表情、海を見つめる真摯な表情、などなどの力に圧倒されます。心打たれます。 また、彼女が泣きながら走る場面の横移動撮影も名場面です。

芦田さん、この後どれだけ凄い女優になっていくのでしょう。彼女の聡明さがあれば、変な使われ方でつぶされたりはしないと思います。映画を中心に、世界に通用する女優になってくださいね。

 

 

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