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2020年10月26日 (月)

「博士と狂人」:辞書編纂からの脱線   #博士と狂人 #オックスフォード英語辞典 #メルギブソン #ショーンペン #舟を編む

1_20201026223801 映画『博士と狂人』は、かのOED=オックスフォード英語辞典を(ほぼ)作り上げたと言っていい二人の人物の物語。ですが、残念ながら『舟を編む』の方向には進まず、この二人の奇妙な関係および、一人の男の狂気と贖罪と恋愛をめぐる物語だったりします。で、そうなったためにとっちらかってしまいましたし、辞書作りの描き方が物足りなくなってしまいました。もっと辞書作りにフォーカスしていただきたかったです。本来もっと堂々たる名作に仕上がってもよそさうなのに、妙にジャンル映画っぽい味わいなんですよねー。

メル・ギブソンとショーン・ペン、二人ともが似たようなひげもじゃで笑えます。メルはだいぶ顔が変わりましたねえ。でもやっぱりショーンの方がうまいですね。

それにしても、「現実的にある程度で終わらせるべく仕事をして、それでも15年かかった『舟を編む』」と較べて、無謀というかあり得ないというか、全時代からの用例採取って、異常です。大英帝国の威信と矜持ってもんが背後にあったればこそなのでしょうね。まさに大言海!おそろしやおそろしや。

物質としての紙の本の素晴らしさ--これもまた描かれておらずに残念だった箇所です。現代において、ぜひ描いてもらいたかった部分なんですけどねー。そういうところにフェティシズムがある人に作ってもらいたかったなあと思うのです。

 

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