「バルタザールどこへ行く」:救いのなさに唖然 #バルタザールどこへ行く #ロベールブレッソン
映画『バルタザールどこへ行く』(1966年)がリバイバル公開されたので、観に行きました(初見です)。
いやー、つらい。救いがない。まいりました。
ロバが出て来るし、「どこへ行く」なんてタイトルが醸す雰囲気はなんとなく呑気だし、少女は出て来るし、もっと純朴なストーリーを予想していました。ところがどうでしょう。小さな村に、この世の醜さや生きづらさが集約されているような話で、腹が立ったり心が痛んだりするようなエピソードばかりが続きます。悪い奴が罰される勧善懲悪でもなく、清純だった少女は堕ちてしまい、よき人は報われることなくひどい目に遭い…。しかも、ラストの救いのなさと言ったら、…唖然としちゃいますよね。誰もが無言で、暗くモヤモヤした気分で劇場を出るのです。
おまけに、ロベール・ブレッソンの演出は不親切というか、はっきりわかりやすく描かないで、非常にさりげない描写やヒントで、物語を進行させていくものですから、ぼーっとしていると何がどうなったのかわからなくなってしまいます。まあ、最近のわかりやす過ぎる説明過多の映画ばかりの風潮に、ガツンとパンチを見舞ってくれたとも言えます。昔は難解な「芸術映画」ってやつが多かったですもんね。
1時間36分なのに、2時間15分ぐらいの長さに感じました。それだけつらかったってことでしょうね。うーむ。
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