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2020年11月24日 (火)

「罪の声」:自分だったら気にしない   #罪の声 #土井裕泰 #宇野祥平

1_20201124143601 映画『罪の声』は、グリコ森永事件に題材を得たベストセラー小説の映画化。脚本=野木亜紀子、監督=土井裕泰というTBSチームの作品です。犯罪と報道とを35年という時間の中で描く堂々たる作品ですが、結構地味と言えば地味。でも、しっかりした作りで、2時間22分を飽きさせず引っ張ります。

土井裕泰はTV局のディレクターが本業の映画監督の中では、当代一番ちゃんとした映画を作れる人だと思っておりますが(『ビリギャル』とかね)、ここでの仕事も堂々としたものです。エンタテインメントと社会性というかメッセージを両立させています。

ただ、根本のところでひっかかったのは、「子供時代の自分の声がこの事件に使われたってことが、そんなに人を苦しめるのかなあ?」ってこと(特に、この事件では人が一人も死んだりはしていないわけですし)。星野源は悩みまくっていましたが、小生だったら大して気にしないように思うんですけど。自分が悪いわけじゃないんだから。大江戸の感覚が変なんですかね?

それはともかく、どうしても感動してしまうのが終盤の宇野祥平の件り。大幅に減量して臨んだ彼の演技は巷でも大評判ですが、たぶん映画賞の助演男優賞とか獲るんでしょうね。特に母親と彼の場面などは、涙なしには観られません。これまでの彼とはだいぶ違う印象で、このキャスティングは見事です。

それに較べると、新聞記者に関する「お仕事映画」の側面は今一つ。古館寛治の芝居は良かったのですが、仕事の醍醐味や仕事冥利の部分をダイナミックに表現できていませんでした。だから、終わった時の満足度も中ぐらいなのでした。

 

 

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