「少女ムシェット」:人間なんて #少女ムシェット #ロベールブレッソン #人間なんて
映画『少女ムシェット』(1967年)は、ロベール・ブレッソン監督が『バルタザールどこへ行く』(1966年)の次に撮った作品。あたかも『バルタザール』のロバを少女に置き換えたかのように、少女がひどい目に遭い続ける作品です。本当にほとんど同じ構造ですよね。大人たちは身勝手で道徳心に欠けて暴力的で…ムシェットと関わるのは自らを利するためだけにおいてです。彼女には愛を与える者がなく、辛く苦しいことばかり続く人生。嫌ですねえ。ブレッソンって、本当に厭世主義者です。
(以降ネタバレあり) だからラストも『バルタザール』同様、まったく救いがありません。やはり唖然とします。なんて人生でしょう。観客はまたしても、モヤモヤとした暗い気持ちで劇場を出なくてはなりません。
ブレッソンはやはり省略し過ぎなくらいの切り詰めと、はっきり描かないほのめかしによって物語を進行させていくので、注意していないと何がどうなったのかわかりにくいのです(またしても)。それを「孤高」と人は呼んだりするのですね。
このポスターの写真だとわかりませんけれど、主人公の少女が時々「のん」さんのような表情(口元とか)を見せます。
『バルタザール』と『ムシェット』を2本立てで続けて観たりしたら、本当に暗くどよーんとしたやるせなさに包まれるでしょうねえ。そして吉田拓郎が脳内に流れます…人間なんてララーラ ララララーラ、人間なんてララーラ ララララーラ・・・
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