「ソング・トゥ・ソング」:映像は眼福ですが… #ソングトゥソング #テレンスマリック #ルーニーマーラ
映画『ソング・トゥ・ソング』は1分観ればテレンス・マリック監督とわかる、マリック印の作品。そして、撮影がマリックと何度も組んでいる名手エマニュエル・レベツキと来れば、これはもうテッパンでしょう。
そしてマリック史上最強と言えるオールスター・キャスト。マイケル・ファスベンダー、ライアン・牛頭リング、ルーニー・マーラ、ナタリー・ポートマンに加えて、ケイト・ブランシェットやホリー・ハンター、ヴァル・キルマーまで。更にはゲストとして、パティ・スミスやイギー・ポップらのミュージシャンたちも本人役で出ています。 題材的にも都会の恋愛を巡ったあれこれなので、やわらかめ。
そういうわけで、映像はもう最高。色彩の美しさ、人物に合わせて移動するキャメラ、建物や自然の美しさ…と、まさに眼福。これぞマリック作品におけるルベツキのキャメラです。この映像に身を委ねることの快楽。あまりに気持ち良くて、時々眠くなるほどです。今回も「撮影賞」は進呈したい感じ。
ただ、このコンビがこれまでに手掛けた『トゥ・ザ・ワンダー』や『聖杯たちの騎士』に較べると、やや下の評価でしょうか。中盤から映像の素晴らしさにもだんだん飽きてきて、内容の弱さが目立ってくるのです。お金があってセレブだったら、美しい人や物に囲まれてビューティフルな生き方ができまっせ」みたいな映画ですもんねえ。今年日本公開されたマリック作品としては、地味な『名もなき生涯』の方に軍配が上がりますね。
でも、ルーニー・マーラはとっても素敵でした。そのナチュラルな天使のごとき表情と動きがもう、かわいいったらありゃしませんでしたよ。
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