「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」:モデルたちが語る巨匠 #ヘルムートニュートン #映画ヘルムートニュートン
映画『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』は、彼の生誕100周年を記念したドキュメンタリー。2004年に交通事故で84年の生涯を終えた時の新聞報道は覚えているのですが、あれから16年もたったんですねえ。
コマーシャル・フォト、ファッション・フォトの世界で、’80年代を中心に唯一無二の存在として君臨した写真家と、彼の被写体となったモデルや女優(みんな立派なおばちゃんやおばあちゃんになりました)を中心に、アナ・ウィンターやスーザン・ソンタグ(TV出演時の映像)まで登場しての証言集になっております。映画好きとしては、シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、マリアンヌ・フェイスフル、ハンナ・シグラあたりが当時を語ってくれるのも嬉しいところ。
でも終盤に出て来るヘルムートの妻、ジューンが全てさらっていっちゃうんですけどね。あの毀誉褒貶にまみれたスキャンダラスな写真家が、意外にも愛妻家で気のいいおじさんだったことがわかるあたりも収穫ではありました。撮られたモデルたちもみんな、(ともすれば女性蔑視のレッテルを貼られがちな)彼のことを擁護していますもんね。
懐かしいあの写真、この写真が次々と出て来ます。あれもヘルムートだったよねえ、これもなんだっけ?!の世界です。撮影風景もいろいろと出て来ます。随分と動画素材がしっかり残っていた人なんだなあという印象。
彼の写真の「強さ」のルーツは、レニ・リーフェンシュタールだとわかったのも、「ああ、そうか。なるほど。」でした。1920年ベルリン生まれのユダヤ人=ヘルムートの青春期に、ナチス芸術はいやでも多大な影響を与えたのでしょうから…。それを乗り越え、呑み込んで、完全に自分の表現にしてしまったところが、この写真家の「強さ」なのです。
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