「燃ゆる女の肖像」:女の世界 #燃ゆる女の肖像 #フェミニズム
映画『燃ゆる女の肖像』、…「燃ゆる」ですよ、「燃える」じゃなくて。すごいですねー、文語的で。 それはともかく、すっごく評判が良いですよね。でも大江戸の評価はそこまで高くありません。
撮影は美しく、映画的に良い「絵」が撮れています。終始「視線」にこだわったドラマとしても、劇中の「見る」という行為が、我々観客が映画を観る行為と重なって、極めて映画的と言えるでしょう。 ただ、どの場面にも深く感動することはなかったし、「うーん、なるほどですね」って感じに留まったのでした。そういうのって、もう相性の問題とか言うしかないんじゃないでしょうかね。後日談的な感動のエピローグも、やりたいことはわかるんですが、自分のツボにはぴたりとはまらなかったんですよねー。
それにしても、ほぼ女性だけしか出て来ません。開巻まもなくの舟を漕ぐ男たちと終盤の一人以外は、ぜんぜん男のいない世界です。まあ、でも考えてみれば、ほぼ女がゼロの映画ってちょくちょくありますもんねえ。そういう所も含めて、フェミニズム的な意志を感じる作品ではあります。画家の主人公が、父の名前でしか作品を発表できなかった場面があるのですが、『メアリーの総て』『天才作家の妻 40年目の真実』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』に次いで、「またしても」って感じです。そこらもフェミニズムの流れですし。
主人公二人のメイン衣装が、くすんだ緑とくすんだ赤。この時期なんでクリスマス・カラー、いややっぱり『ノルウェイの森』の装幀を思い出してしまう大江戸なのでした(さすがにヴェルディ対レッズとかは想像しませんでしたけど)。
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