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2021年1月31日 (日)

「天国にちがいない」:見事な映像と映画センスの良さ   #天国にちがいない #エリアスレイマン

1_20210131223601 映画『天国にちがいない』は、パレスチナ系イスラエル人のエリア・スレイマン監督によるオフビート・コメディー。寡作のクリエイターだそうですが、なかなかユニークな作風です。

サイレント映画のように、ほとんど台詞に頼らずに絵で見せていきます。スレイマン監督自身が主人公の映画監督を演じているのですが、ほぼ言葉を発せずにポーカーフェイスで、あたかもバスター・キートンのように、周囲のシュールなあれこれを観察しています。なかな雰囲気のある粋なおじさんです。

とにかく、いい絵が撮れています。ワイドスクリーンの画面に見事にあった、映画的な映像の力。惚れ惚れするような構図。映像に限らず、すべてにわたって映画としてのセンスが良いのです。天才肌の監督だと思います。

そしてこのすっとぼけたオフビート感覚の笑いというのは、『ストレンジャー・パラダイス』でジム・ジャームッシュが出てきた時に匹敵するようなインパクトがありますね。軽いくすぐりが連続する感じ。カウリスマキもちょっと入ってるかな。加えて、俳句的な詩情が漂うあたりも、初期のジャームッシュに似ております。こうなると、この監督の旧作が観てみたくなりますよねえ。

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2021年1月30日 (土)

「花束みたいな恋をした」:恋のはじめの日々の輝き   #花束みたいな恋をした #京王線映画 #坂元裕二 #有村架純 #姉ちゃんの恋人 

1_20210130224201 映画『花束みたいな恋をした』は、かなりの京王線映画。明大前で終電を逃したことから恋が始まった二人。飛田給駅や調布駅も出て来ます。新宿駅地下の歩道も。もちろん京王線だけじゃなく、上野の国立科学博物館や南千住のガスタンクなども出て来ます。

坂元裕二のオリジナル脚本です。やっぱりダイアローグが素晴らしくて、特に序盤のサブカル周りのあれこれはさすがです。少し偶然や「同じものが好き」があり過ぎる気もいたしますが、そこがキモですもんね。こういう都会の文科系、いやサブカル系つながりのラブストーリーって、これまであまりなかったので、新鮮です。好きですね。「本棚を見れば、その人がわかる」的な場面もありましたし(現代ではむしろ「お気に入りを見れば」とか「アプリ一覧を見れば」なのでしょうけど)。

テレビドラマ『姉ちゃんの恋人』でも無敵に美しく輝いていた有村架純ですが、本作でもとってもかわいくステキです。とにかくこの映画は、恋が始まった日々の輝きを見事に描いています。南沙織の『ひとかけらの純情』の歌詞:「あの恋のはじめの日を、誰かここに連れてきてほしいの」って感じです。そして5年間の恋の移ろいも。日本映画って、意外と真っ当なラブストーリーの良作が少ないのですが、ここ数年でようやく増えてきたような気がしています(『ナラタージュ』とか『愛がなんだ』とか『ラストレター』とかね)。中でも本作は2020年ごろの王道のラブストーリーとして残っていくのではないでしょうか。

(以降ネタバレあり) ラスト近くの二人がそれぞれ後ろ姿で手を振るバイバイには、やられました。名場面として残っていくことでしょう。『キャバレー』のライザ・ミネリの後ろ姿バイバイにも負けないと思います。

Dsc_0011_copy_768x1088 そして願わくは多くの若い人たちに観てもらって、「恋はいいもんだ(すべきものだ)」と思ってもらいたいものです。『姉ちゃんの恋人』じゃないけど、「♪恋をしようぜベイビー」(ガラスのジェネレーション)なのです。

(テアトル新宿恒例の衣装展示もありました。)

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2021年1月29日 (金)

3週連続TV版「ヱヴァンゲリヲン」   #ヱヴァンゲリヲン #エヴァンゲリオン

1月23日公開予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が緊急事態宣言を受けて公開延期となっておりますが、日本テレビではこの1月15、22、29日と3週連続で、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の「序」「破」「Q」を放映しました。「金曜ロードSHOW!」の1時間54分枠に合わせた特別編集のTV版です。

随分長い間があいちゃったから、『シン』の予習にいろいろ思い出すには好都合だろうと思って、3週とも見ました。いやー、かなり忘れちゃってましたね。でもだいぶ思いだしましたし、新たな気づきも多かったです(これまで鈍くて気づかなかったとも言う)。シンジはやっぱりウジウジグダグダとしょーもない感じですが、ま、そういう話ですから。なんだかんだ心打たれる場面もございます。そしてやっぱり「絵」と「色」の魅力。うーん、『シン』を早く見届けたいものです。

とはいえ、これ初めて見た人は何が何だかわからなかったって感想が多いのではないでしょうか? 早口のセリフで聞いただけでは意味不明なことや特殊用語が多いですもんね。またハードな展開だから、親切な解説、わかりやすさとは無縁ですし(TV版にカットしてるので、ますますわかりにくい)。でもだからこそハマるし、何回見ても面白いんですよねー。

それにしても今度の第4作『シン・エヴァンゲリオン』になって、3作目までのクセの強い「ヱ」「ヲ」という表記が、しれっと普通の「エ」「オ」に改まっておりますね。ここらも庵野さんの不思議なところです。

番組内にはさまれたゲーム「にゃんこ大戦争」のロングCMで、にゃーにゃーにゃー…と歌われた「にゃん酷なにゃんこのテーゼ」も面白うございました。

 

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2021年1月28日 (木)

「忠臣蔵」(1958年/大映):日本人の心   #忠臣蔵 #映画忠臣蔵 #長谷川一夫

Chushingura1958 昨年末にNHK-BSプレミアムでやったのを録画しておいた『忠臣蔵』前編・後編(1958年/大映)を見ました。めったやたらとある「忠臣蔵」映画のひとつ。オールスター映画です。長谷川一夫が大石内蔵助、市川雷蔵が浅野内匠頭。ほかにも鶴田浩二、勝新太郎、京マチ子、山本富士子、若尾文子らがずらり。

監督は渡辺邦男。この人、巨匠でも何でもないけど、早撮りで知られる娯楽職人。ですから、名作でも何でもないけど、通俗的で講談調の娯楽映画であり、「忠臣蔵」のスタンダード、入門編として知られる作品のようです。まあ、プロデューサーである永田雅一の作品と言った方が適切なんでしょうね。

大江戸は何を隠そう「忠臣蔵」が大好き。そんなにいろいろ見てるわけではないのですが、接するたびに結構引き込まれてしまいます。この作品に流れる勧善懲悪とか仇討ちとか忠義とか、そういったものが日本人としての琴線に触れるのですよねー。自分でしみじみ「日本人だなあ」と思ってしまいます。中でも「言葉で言わずに示す」「逆の表現をする」「察する美学」「損をしても口に出さない」ってあたりに感動しちゃうのです。

一方的に悪役にされた吉良の方が実は真っ当だったとかの説もいろいろあるようですが、まあ事実はどうあれ、フィクションとして楽しめれば良いと思っております。最も日本的な物語のひとつですから。

前・後編で2時間46分。テンポが良く、数々のエピソードが次々と出てきて、飽きる暇などありません。これでもまだまだ描き足りてません。ラストが本懐を遂げた四十七士が行進して行くところまででその後がないのも、ちと物足りない感じ。でも十分面白かったです。映画としての出来は良くないんですけどね。終盤は泣ける場面もいくつかありました。これに泣けるのがまた「日本人だなあ」ってところです。

それにしても、やっぱり長谷川一夫って「ザ・スター」ですねえ。

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2021年1月27日 (水)

今日の点取占い310   #点取占い #点取り占い

Center_0001_burst20210127233025619_cover 子供のくせにおしゃれだね   5点

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2021年1月26日 (火)

「聖なる犯罪者」:事実は奇なり   #聖なる犯罪者 #バルトシュビエレニア

1_20210126225901 映画『聖なる犯罪者』は、アカデミー外国映画賞のノミニーにもなったポーランド映画。少年院の仮退所中に、とある村の神父になりすました男の物語ですが、なんと実話がもとになっているそうでびっくり。

何と言っても主演男優(バルトシュ・ビエレニア)の顔でしょうね。痩せて、丸い目玉がこぼれ落ちそうで、まるでマンガのガイコツみたいな顔です。しかも(坊主頭も相まって)パンク顔です。『トレインスポッティング』とかに出ていそうな顔。強烈です。でもだんだん「こいつが神父でも、別におかしくないかー」となっていく不思議。

こんなにうまくいきますかー?/さすがにバレるだろー、と思いつつ、いつの間にか「バレるな、バレるな!」と応援しちゃっているってのも不思議(まあ、映画ではよくあることですが)。でも、彼がスマホでググりながら告解を進めていたって描写は、なるほどです。現代ならではです。ミサとかも、そうして予習していたのでしょう。

(以降少々ネタバレあり) でも、ラストはハードに無慈悲というか、観る者に容赦がない感じ。希望などまったく粉砕してしまう、この感じは好悪の分かれるところでしょう。ま、大江戸は好きではなかったですね。

神父服で『マトリックス』のキアヌ・リーヴスをまねていた場面にはニヤリ。

それはそうと、この日本語タイトルロゴ、「なる」の字でさりげなく技を使ってますね。こういう所がデザイナーの腕ってもんです。

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2021年1月25日 (月)

森永の板チョコアイス、最高!   #板チョコアイス #ベルギーチョコレート

Diagonal_0001_burst20210125215124735_cov 最近スーパーやコンビニで売ってるアイスクリームの中で(高級品を除く)一番おいしいと思っているのがこれ。森永の「板チョコアイス」です。

どこがいいって、とにかく外側のチョコレートがひたすらうまいのです。「ベルギーチョコレート使用」とパッケージにも書いてありますが、よくぞこれほどというぐらい上質なチョコレートを使っています。濃厚なカカオ感が感じられて、甘さとほろ苦さ(と多少の酸味)のバランスが見事なのです。ベルギー万歳!

Dsc_0001_copy_600x805_copy_450x604 中のアイスクリームは、特に主張せず、チョコレートのおいしさを最大限生かしています。それでいいんです。もともと森永は、「チョコモナカジャンボ」でもわかるように、チョコレートのおいしさには定評があるんです(アイスでも、それ以外のお菓子でも)。これはその中でも最高峰ですね。 厚過ぎず大き過ぎない(むしろ、やや小ぶりな)サイズも、いいんですよねー。

正直、これだけおいしい板チョコを食べたければいくらぐらいのを買わなきゃいけないんだろうと考えると、希望小売価格130円+税(先日、小生は某スーパーで99円+税で買いました)ってのは、なんてリーズナブルなんだろう!と感激します。

今後もロングセラーとして君臨してもらいたいものです。

 

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2021年1月24日 (日)

「チャンシルさんには福が多いね」:何も起きずに地味でささやか   #チャンシルさんは福が多いね #キムチョヒ

1_20210124231201 映画『チャンシルさんには福が多いね』は、ホン・サンス作品のプロデューサーを務めてきたキム・チョヒによる長編監督デビュー作。冒頭のアレを除けば、大したことは起きない映画。地味でささやかな小品です。

主人公のチャンシルさんは映画プロデューサーで、自伝的要素の強い作品なのでしょうが、ある理由でプロデューサーじゃなくなっちゃった彼女がどうするか?という話なので、もちろん創作の部分も多いのでしょう。そこらへんの様々な人々との関わりが、ちょっとおかしくてクスリとさせる感じ。終始、そういう「くすぐり」に満ちた作品です。

(以降少々ネタバレあり) でも結局チャンシルさんにはあんまり福がないような映画でして、まあ多少の希望を示して終わりますが、「福が多い」とは言い難いんじゃないでしょうかねえ。でもそんな厄介や面倒のある日常を生きていること自体が「福」なんだってことかしらん?

そういえば、作中でチャンシルさんが気のある男性と日本風居酒屋で映画談義をする場面があるのですが、小津安二郎が好きなチャンシルさんは、男性から『東京物語』は何も起きなくてつまらない、自分はクリストファー・ノーランの方が好きなどと言われて、ちょっと反発します。この作品の「何も起きない」感は、小津に起因しているんですかねえ?(ホン・サンス作品も、かなり何も起きないですけど。)

大江戸はやっぱりホン・サンス師匠の「男女の機微」と「エスプリ」の方が、好きなのであります。

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2021年1月23日 (土)

「おとなの事情 スマホをのぞいたら」:むしろ芝居で観たい話   #大人の事情 #スマホをのぞいたら

1_20210123222901 映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』は、これまでに日本を含む19か国でリメイクされているというイタリア映画の日本版。大江戸は本家イタリア版を観ておりませんが、日本版は岡田惠和脚本だし、観なきゃなと…。

でも残念ながら、あまり気分の良い作品ではありませんでした。岡田惠和の無駄遣いというか…。これ、7人の人物がほぼ家の中だけで演じるってことで非常に演劇的でしたが、たぶん芝居で観た方が良かったんだろうなあと思いました。

(以降少々ネタバレあり) なんか誰にも感情移入できないし、その割には終盤妙に「いい話」としてまとまっちゃうし。まとまっていいのか??って感じだし。だって、あの件はさすがにまずいでしょー。コンビーフの話も、「そんな事どうだっていいのに」って感じだったし。

ってなことも含め、もっと上手に作れたろうに、って感じでした。 役者たちも、みんなテレビサイズの演技で、特にどうってことなし。 もしかして大胆に10代、20代の若手配役による翻案でも作った方が面白いものになったりしないでしょうかねえ…。

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2021年1月22日 (金)

銀座ABCラーメンの麻醤麺(マージャンメン)   #ABCラーメン #麻醤麺 #マージャンメン

Dsc_4741 銀座三丁目の中央通り(銀座通り)沿い=松屋銀座の向かい にずっと昔からある「ABCラーメン」。同じビルの1Fにある牛丼の吉野家も古くからあるお店ですが、そこがダンキンドーナツだった時代からABCはありました。それにしても、何とも言えないネーミングです・・・ABCラーメン。先日、ものすごーく久しぶりに入ってみました。店構えとか、まるで変わりませんよねー。

Dsc_4738 狭い階段を下りて地下にあるお店です。箸袋を見れば、「SINCE 1977」とあるじゃないですか。今年で44周年です。銀座のど真ん中でこれだけ長持ちしている飲食店ってのは、大したもんです。

その昔は、シネスイッチ銀座の隣に「室蘭ラーメン なかよし」ってのがあって、大江戸はぜんぜんそっちの方が好きでした。濃厚なスープとコシのある麺で、醤油も味噌もミックスもそれぞれにうまかったなあ(「しお」もあったけど、食べたことがなかったと思います)。

Dsc_4739 で、ABCラーメンと言えば昔から「麻醬麺(マージャンメン)」と決まっているのです。入口にも写真が出てるように、名物なのです。

ゴマだらけです。白ゴマ&黒ゴマ。それ以外は挽き肉味噌とカイワレ大根とネギ。シンプルです。麺はやわらかめの平縮れ麺。あまり辛くはなく、ややピリ辛ぐらいです、

ま、今の世のスタンダードの中ですと「普通においしい」ってところでしょうか。激ウマとまでは行きません。大江戸の好みから言うと、ちょっと麺がやわ過ぎるしね。後発でこれを追い抜いて行った類似品もあると思います。まあ、でも懐かしささえ感じさせるロングセラーの味ですね。

Dsc_4740 帰りに階段の途中のパネルを見ると、このABCラーメンはフランス料理のシェフによって作られたようですね。だとすると、本当は「エービーシーラーメン」じゃなくて「アーベーセーラーメン」なのでしょうか? 永遠に繰り返す50円引き券ともども、気にならなくもありません。

 

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2021年1月21日 (木)

機種変更の憂鬱   #データ引継ぎが大変 #データ移動が面倒 

Dsc_00043_copy_768x1208 毎回機種変更するたびに思うのですが、データ移行ってホント大変ですね。毎回いやになります。

2年経過した25か月目にスマホを機種変更して、使っていた機種を返却するとかなりおトクなプランに契約していて、ちょうど25か月目ってことでauショップに予約して(このご時世なんで、予約がマストです)先日行って来ました。あ、大江戸は昔っからau信者でして。「二番手好き」なところがあるし、CMも仲間由紀恵、きゃりーぱみゅぱみゅ、有村架純、松本穂香と、好きな人ばっかり使ってくれてますしね。

結局なんだかんだ2時間半もかかりました。疲れました。何しろこの時期なので、お店さんは5Gを売ろうとしているところを押し返して、「支払いが高くなるのは困る」「強い電波による健康被害の可能性が心配」などと言いながら、4Gで前の機種よりスペックが落ちるやつにしたり(XperiaからAQUOSになりました)、契約方法やオプションを安くなるように検討したりして、あまり得意でない土俵の中、なんとか頑張りました(確かにカメラの性能とかは落ちちゃいましたね)。

まあ、そこまではいいとして、その後のデータ移動関係が大変でして。その昔はお店でやってくれたけど、数年前からは個人情報保護の観点からNGになっちゃったもんで、個人でやることになりましたもんねー。SDカードやらクラウドやらを使って、画像やら各種アプリやら電話帳やらメールやらLINEやらSNSやらを2-3日かけて移動するのが、もう面倒くさくって!  PCまで併用してやり方を調べつつ、時々失敗しながら、頭を絞ってうーうー言いながら、何とかだいたいやり遂げました。ここでもセキュリティの強化が作業の複雑化を生んでますねえ。

でも考えてみれば、世の中の人たちはみんなこれ普通にやってるんだから、凄いですよね。あんなおばちゃんや、あんなじいさんや、あんな人までも…(失礼)。皆さん、よくできますよねー。小生の場合、仕事を離れちゃったりしたら自分でできる自信がないですもん。逆に言えば、そういうところをもっと簡単にしてください、電話関係の方々! スマホがないと生きていけない状況になっちゃったのに(各種の公的手続きとかもあるし)、スマホまわりの煩雑さ、万人の使いやすさということに関しては、一向に改善されませんもんね。これからは、そういうところこそが最重要なのだと思っております。

(写真は2年間お世話になったXperia SOV37)

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2021年1月19日 (火)

2020洋画トップテン   #2020年外国映画ベストテン #リチャードジュエル #ザルーム

日本映画篇に引き続きまして、外国映画篇です。

1.リチャード・ジュエル(クリント・イーストウッド)  2.2分の1の魔法(ダン・スカンロン)  3.オフィシャル・シークレット(ギャヴィン・フッド)   4.フォードvsフェラーリ(ジェームズ・マンゴールド)  5.ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語(グレタ・ガーウィグ)  6.名もなき生涯(テレンス・マリック)  7.レ・ミゼラブル(レ・ジリ)  8.スキャンダル(ジェイ・ローチ)  9.ジョジョ・ラビット(タイカ・ワイティティ)  10.クリスト ウォーキング・オン・ウォーター(アンドレイ・M・パウノフ)  次点.シカゴ7裁判(アーロン・ソーキン)  

<その他の記憶すべき作品>  その手に触れるまで  1917 命をかけた伝令  人間の時間  コロンバス  透明人間  WAVES  オン・ザ・ロック  はちどり  ザ・プロム  パラサイト 半地下の家族  ソング・トゥ・ソング

監督賞:クリント・イーストウッド(リチャード・ジュエル)   脚本賞:ダン・スカンロン、ジェイソン・ヘッドリー、キース・ブーニン(2分の1の魔法)   撮影賞:ミハイ・アライメア・Jr. (ジョジョ・ラビット)   主演女優賞:ヘイリー・ルー・リチャードソン(コロンバス)、キーラ・ナイトレイ(オフィシャル・シークレット)   主演男優賞:クリスチャン・ベール(フォードvsフェラーリ)   助演女優賞:タンディ・ニュートン(ジョン・F・ドノヴァンの死と生)、キム・セビョク(はちどり)   助演男優賞:レイフ・ファインズ(オフィシャル・シークレット)   新人賞:ローマン・グリフィン・デイヴィス(ジョジョ・ラビット)

<スーパー・ドイヒー賞>  ザ・ルーム(トミー・ウイゾー)

 

1_20210119232001 コロナ禍で3月以降の外国映画、特にハリウッド・メジャー作品の公開が極度に減少し、その結果3年連続で洋画が不作となってしまいました。なにしろ1位に置く作品が無くて困りました(ってのは『グリーンブック』が1位だった昨年も書いたのですが…)。

とは言え、『リチャード・ジュエル』はそくそくと心に沁みる名作。社会派的テーマを極上のエンタテインメントに仕上げるイーストウッド90歳の練達の名人芸。怒って、泣いて、感動して、考えました。

アメリカ映画の公開が減ったわけですが、その割にはテンのうち8本がアメリカ映画と言えるものでした(そのうち『名もなき生涯』は米独合作、『クリスト ~』は米伊合作ですが)。どうしても大江戸はアメリカ映画中心になります。そんな中、テンからは漏れましたが、『人間の時間』『はちどり』『パラサイト』を放った韓国映画はやはり強靭だと思います。でも日本映画もぜんぜん負けていませんけどね。

スーパー・ドイヒー賞に輝く『ザ・ルーム』は、「駄作界の『市民ケーン』」との異名を持つ2003年作の初公開。サイテーでツッコミ所だらけで笑うしかない、奇跡のワンマン映画です。

 

(邦画篇はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-b5bda5.html

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2021年1月18日 (月)

2020邦画トップテン   #2020年日本映画ベストテン #アンダードッグ

例によってお待たせしました。大江戸時夫の年間トップテン映画 of 2020年です。まずは邦画篇から。(  )内は監督名です。

1.アンダードッグ (武正晴)  2.朝が来る (河瀨直美)  3.ラストレター(岩井俊二)  4.許された子どもたち(内藤瑛亮)  5.思い、思われ、ふり、ふられ (実写版/三木孝浩)  6.星の子 (大森立嗣)  7.MOTHER マザー(大森立嗣)  8.タイトル、拒絶(山田佳奈)  9.甘いお酒でうがい(大九明子)  10.ミセス・ノイズィ(天野千尋)  次点.アルプススタンドのはしのほう(城定秀夫)  

<その他の記憶すべき作品>  無頼  ロマンスドール  ミッドナイトスワン  前田建設ファンタジー営業部  初恋  SHIROBAKO  のぼる小寺さん  ステップ  彼女は夢で踊る  私をくいとめて  三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実  本気のしるし

<ドイヒー賞>  メグ・ライオン  泣く子はいねぇが   佐々木、イン、マイマイン  

監督賞:武正晴(アンダードッグ)   脚本賞:岩井俊二(ラストレター)   撮影賞:西村博光(アンダードッグ)   主演女優賞:永作博美(朝が来る)、芦田愛菜(星の子)  主演男優賞:森山未來(アンダードッグ)   助演女優賞:黒木華(甘いお酒でうがい)  助演男優賞:高橋洋(空に住む)   ビューティー賞:浜辺美波(思い、思われ、ふり、ふられ)   新人賞:服部樹咲(ミッドナイトスワン)、白鳥玉季(ステップ)

 

1_20210118225301 4月8日から5月31日の間は、緊急事態宣言により全ての映画館が休館していたという未曽有の年。大江戸自身も丸々2か月も映画館に行けなかったという、前代未聞の日々でした。しかしそんな中でも、日本映画はそこそこ順調に公開され(もちろんいったん延期→公開となったパターンが多かったのですが)、特にミニシアター系の作品に関しては例年同様に豊作でした。

押しも押されもせぬ堂々たる1位の『アンダードッグ』は、前後編合わせて276分もあるのに、まったく長さを感じさせない充実の面白さ。「凄いものを見せてもらった」って感じでした。とにかく森山未來をはじめボクサーを演じる役者たちの肉体の、演技を超えた凄さ! ボクシング映画史上最高峰と言える試合場面の凄まじさ、詳細さ、的確さ、そして長さ。感動しました。泣きました。

前年は「女性監督のデビューは増えたけど、質的には概して物足りなかった」と書いたのですが、今年(2020年)は10作品中4本が女性監督によるものでした(そのすぐ後に、タナダユキの『ロマンスドール』も控えているし)。

河瀨さんは原作ものを見事に自分の映画として作り上げたし、岩井ワールドは健在だったし、内藤英亮はようやくキワモノから本物になって来たし、大森立嗣の2本の異なるテイストも興味深かったです。

個人賞では、『甘いお酒でうがい』の黒木華がヘンテコリンで面白過ぎてサイコーでした。また、『空に住む』でインテリ編集長を演じた高橋洋はまったく知らなかったのですが、知性と小粋な味わいとさりげない深みに驚きました。今後注目せねばです。 そして主演女優賞を分け合った永作、芦田両名の演技には打たれました。今年は激戦の主演女優賞でしたが、この二人の素晴らしさの前に水川あさみ(『喜劇 愛妻物語』)や蒼井優(『ロマンスドール』『スパイの妻』)や長澤まさみ(『MOTHER マザー』)らは外さざるを得ませんでした。

 

(洋画篇はこちら ↓) 

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-9f6a49.html

 

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2021年1月17日 (日)

「セノーテ」:歴史と人間と水と   #セノーテ #小田香 #ドキュメンタリー映画

1_20210117230701 映画『セノーテ』は、「タル・ベーラの愛弟子」という小田香監督がメキシコで撮った75分のドキュメンタリー。「セノーテ」とはマヤ地方の洞窟内の泉のこと。その地に根付いた様々な歴史を持つ場所のようです。この映画のために、2年間の間に30~40のセノーテを訪れたそうで、しかも小田監督自身が撮影をするために、ダイビングを習得したのだとか。

冒頭にセノーテを説明するための字幕が出る以外は、一切ナレーションなどの説明はなし。インタビューもなし。映像だけで何かを伝えようとしています。しかもその映像が、よくわからない。親切ではない。あまり常識的な遠景や説明のためのカットを入れないので、これは何なんだ?という映像もあります。水中に潜って泳ぎながら撮った移動カットがほとんどです。時々、村の生活や人々の顔などがインサートされます。音の効果も含め、前衛的なドキュメンタリーと言えるでしょう。

で、面白いとか感動したとか驚いたとかにあてはまるかというと、うーん、そうではありませんでした。評価されている作品ですし、ゆったりした水、水、水の映像の奥から、歴史や人の生死が浮かび上がって来る気がします。哲学的です。でも、大江戸の好みではないかなあ。水の質感や水しぶきの美しさは素敵でしたけども…。

 

 

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2021年1月16日 (土)

「本気のしるし」:ヤキモキと腹立ちと   #本気のしるし #深田晃司 

01-1 映画『本気のしるし』は、昨秋の公開時に1週目を逃したら2週目にはもうほとんど(時間帯的に)観にくい状態であきらめ、この再公開(@シアター・イメージフォーラム)を待望していた作品。何しろ深田晃司監督ですし、評判はやたらといいし、これを観ずにベストテンは選べないでしょうから。

ドラマを編集した劇場版なのですが、3時間52分あって間に「INTERMISSION」が入ります。でもまあ2本立てと同じことなので、そんなに「長ーい」って感じはなくて、いやむしろ「短かったな」ぐらいの印象を受ける4時間なのです。面白いと言えば面白い。

(以降少々ネタバレあり) ただ、大江戸はその間ずっとけっこうヤキモキしていました。いやむしろこの変な女に腹を立て続けておりました。なんなんだ、このモンスターは?! そして、男に対しても。なんなんだ、その不条理な理解しがたい行動は?? その行動を正当化できるような、二人の恋愛が破滅的に惹かれあっていることを納得させる描写がないので、多くの場面でリアリティがなく、むしろコントのように見えてしまいます(そもそも何であんなに簡単に金をポンポン渡しちゃうのか? あんた、どう考えてもだまされてるだろう?)。そこが、ちょっと似たものを感じさせながらも、濱口竜介の『寝ても覚めても』とは決定的に違う所ですね。

しかもこの女がそこまでのファムファタール的な何かを持っているように見えたら、映画的にはまだ納得できたのですけど、あまりに素人顔過ぎて、輝くものがなくて、この男が堕ちていくだけの映画的理由が感じられないのです。実世界ではこういう顔の人がそういうことになることもあるのかも知れませんが、映画としては成り立たないと思います。観てる間ずっと「ミスキャストだな」という違和感しかありませんでした。例えばこれが(『寝ても覚めても』に主演した)唐田えりかだったら、現在の悪いイメージまでひっくるめて、非常に納得性の高いキャスティングになったように思えます。

ああ、この女の口から頻繁に出る白々しくもイラっと来る「すみません」が、頭にこびりついてしまいました。そういった意味からすると、この映画にまんまと一撃食らってしまったのかも知れませんけどね。 その一方で、ラストは腰砕けだったと思います。もっと衝撃のラストが似合う作品なのになあ…。

 

 

 

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2021年1月15日 (金)

新年の、はい注目!   #箱根駅伝ポスター #金箔だるま #禰豆子 #恵方巻

_20201223_183844_copy_768x1299_copy_614x 最近見たユニーク物件×3。

 

まずはお正月の箱根駅伝のポスター。うーん、「応援したいから、応援にいかない。」ですぜ、お客さん。イベントの目的って、いかに多くの人に来てもらうか?ってことに尽きると思うんですが、ここでは「来るな」と言ってるわけですからねえ。歴史上なかった状況を我々は生きていると実感できる異常な広告です。

でも考えてみれば、駅伝の場合は収入減はあくまでもTVの放映権販売なわけで、あるいはサッポロビールとかスポンサーの存在なのであって、沿道の観客は入場料払っているわけじゃないから、こうしても財政的には痛くないわけですよね。なるほど。ま、いずれにせよ大江戸は(ちょこっとランニングとかする割には)駅伝ってぜんぜん興味ないんです。あしからず。

 

_20210114_215716_copy_768x987 続いては、新宿高島屋に鎮座していた「金箔だるま」。

_20210114_215716_copy_768x987_20210115233301 なんと2,200万円であります。

誰が買うのか? いや、誰も買わなくてもいいのか? ひょっとして秀吉が買うのか? なんで2021万円にしなかったのか?

ま、そんなおめでたい品物でございます。

 

 

_20210106_124520_copy_1024x1569_copy_768 そして最後に、ローソンの某店舗で見かけた恵方巻の広告看板。

禰豆子であります。口に立体の恵方巻(模型)がついてます。『鬼滅の刃』知らなきゃ、何のこっちゃ?でしょうけど、出るべくして出たアイディアってとこですね。

今年の恵方は南南東だそうです。

 

 

 

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2021年1月14日 (木)

三段活用×2   #ミッフィー #うさこちゃん #窓からミッフィー #木とブロック塀   

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家の近所でランニング中に見かけた素敵な三段活用を2つご紹介。

 

 

 

ん?  ん??

 

 

_20201219_231800_copy_768x1060 近寄れば、おお、ミッフィーちゃんではありませんか!

 

 

 

_20210114_223129 いいお顔です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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続きましては、

 

ん?  ん??

 

ブロック塀が斜めってる? 盛り上がってる? 割れてる?

 

 

_20201221_125605_copy_800x518 おお、木です。木が育ち過ぎて、ブロック塀を押し倒さんばかりなのです!

 

 

_20210114_222213_copy_768x842 自然の力って、すごいですね。

 

 

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2021年1月13日 (水)

「AWAKE」:また出た!吉沢亮の陰キャ   #AWAKE #将棋映画 #吉沢亮

1_20210113212201 映画『AWAKE』は、第1回木下グループ新人監督賞グランプリ受賞作の映画化。将棋の棋士とコンピューターの将棋プログラムをめぐる実話にインスパイアされた物語です。

藤井聡太くんの活躍などによる将棋ブームの中で、近年やけに将棋映画が増えてますが、この作品も(タイトルやポスターのイメージとは違って)かなりガチに将棋映画です。むしろちゃんと将棋の手を見せていくことにおいては、トップクラスではないでしょうか?(と言っても、大江戸の場合どんな手を見せられても、さぱりわからないのですが…)

その上、コンピューターを絡ませているのでかなりの変化球。さらに主人公の吉沢亮がかなりの変人を演じるあたりも変化球です。吉沢亮も今年は『青くて痛くて脆い』『さくら』に本作と、全部陰のある暗いキャラ。キレイな顔が邪魔なんですかね、抗ってます。実際この作品のために、かなり体重を増やしたそうですから。

対する若葉竜也って、いつも地味め暗めで、なんかもやもやした人なんですけど、割といろんな監督に使われてますよね。でも、どうにもインパクトに欠ける人です。

作品自体はまずまず面白いのですが、傑作とかの領域ではないですよね。でも、オリジナル作品ってところは評価してあげましょう。女性の扱いとかはいかにも「添え物」なんですけど、落合モトキ演じるコンピューター・プログラムの師匠(部の先輩)とか、主人公と父親の関係なんかは良く描けていました。

試合で将棋ロボットくんが礼をする様が、なかなかかわいかったです。そしてラストもチャーミングでした。

 

 

 

 

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2021年1月12日 (火)

バウムクーヘンについて2021   #バウムクーヘン #ユーハイム #ホレンディッシュカカオシュトゥーベ

_20201115_161405_copy_800x424 何度か語ったように、大江戸はバウムクーヘン好きです。日本におけるバウムクーヘンの最も基本的な形と言ったら、やっぱりユーハイムのこのオーセンティックな輪っかでしょうね。

_20210112_191816_copy_800x777 「バウムクーヘン」って、ドイツ語で「木の焼き菓子」って意味だそうですけど、まさにその通りの形状。一口食べれば、ドイツの森が目に浮かびます(すみません、ウソです)。しっとりした生地の地味なおいしさと、主張抑え目な表面のシュガーコーティング。ああ、基本って素晴らしい!って感じです。ユーハイムさんは純正な材料をドイツの伝統的な製法で職人たちが手作業で作り上げる会社ですから、信用しております。ちなみに1,080円(税込)です。

 

_20210112_192658 で、ユーハイムさんが毎年正月に出してるのが、この「バウムクーヘントゥルム」の正月バージョン。まあ、正月以外でもこういう円筒型の紙容器入りで売っておりますが、正月のは年号が入っておりますね。こちらも1,080円。

_20210112_192630 小さくても「一本物」であるところがいいですね。口の大きい人は、恵方巻みたいにしてむしゃむしゃ食べてはいかがでしょうか? コロネとかモスラの幼虫とかの感じもありますね。

ま、大きかろうが小さかろうが、輪切りとかケーキ切りとかではなく、ウッドチップ状に不定形スライスするのが本場流の食べ方のようです。

 

 

_20201221_125511_copy_1024x812_20201221_125535_copy_800x672 続きましては、ホレンディッシュ・カカオシュトゥーベの商品。ここんちもドイツの伝統を背負ったバウムクーヘン専門店です。今回大江戸が食したのは、一口サイズにカットしてチョコレートをかけたもの=「バウムシュピッツ」。

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いいじゃないですか。チョコレートが上質なのがポイントですね。間にはさんだアプリコットジャムも昔風な味わいで、効いています。ただ12個入りで1,728円(税込)と、ユーハイムに較べると高級路線です。

 

 

_20201223_220638_copy_1024x1339_copy_819 ところが、これと似たものをセブンイレブンで発見してしまいました。「ホワイトチョコがけバウムクーヘン」(税込321円)です。こちらはホワイトチョコレートがけで冬季限定。しかも写真ではわからないでしょうけれど、一つ一つがやたらと大きいのです。一口サイズってわけにはいきません(6個入り)。

_20210112_192244_copy_768x810 ただ、このお値段ですから(健闘むなしくといったところですが)ホレンディッシュ・カカオシュトゥーベさんにはかなうべくもありません。バウム生地もホワイトチョコも今一つです。まあこのお値段ですし、あんまり多くを求めてはいけないのかも知れませんね。

 

日本は世界一のバウムクーヘン大国(ユーハイムさんのおかげですね)。これからもいろんなメーカーやショップからの、多種多様なバウムクーヘンが出続けるのでありましょう。楽しみです。わーい。

 

 

 

 

 

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2021年1月11日 (月)

「Swallow スワロウ」:新しい才能の誕生   #スワロウ #カーロミラベラデイヴィス

1_20210111001701 予告編を見て非常に気になった映画『Swallow スワロウ』を観て、やっぱり驚きました。監督・脚本のカーロ・ミラベラ=デイヴィス、新しい才能だと思います。この人のことをネットで調べても(この映画の公式サイトにも!)日本語版には何も出ていません。英語で調べたら、これまでは短編やドキュメンタリーは撮っているけど、長編劇映画はこれが初めてということがわかりました。今年の3月時点で39歳の男性です。

とにかく映像の感覚が素晴らしい。どのショットも映画の「絵」として、格別に上等です(蓮實重彦流に言えば、「ショットの撮れる人」ってことでしょうか)。しかも色彩が、尋常ならざるアート感覚で迫って来ます。透明感のある赤やブルーの美しさ!  そのクールな映像の中でじわじわと高まっていく不条理なサスペンスが、映画的に見事です。ドキドキさせられ、心をかき乱されます。そして、これまでに観たことのないタイプの映画となっているのです。異常さが素晴らしい! どうなってしまうのか、着地点もまったく想像できませんでした。

(以降少々ネタバレあり) しかしながら上映時間95分の最後の1~2割で、割と常識的な結末に収まってしまった感があります。不条理なアンバランス・ゾーンかと思っていたら、なんか心理学の症例映画みたいになってしまって、「理解できない怖さ」だったのが「理解できる解決」に落とし込まれてしまいました。フェミニズム的な匂いも含めて、そこらへんを評価する人もいるみたいですが、大江戸はちょっと残念に思いました。

でもこの監督の才能だけは確かです。ポンポンと早いテンポで省略を効かせながら進んでいくストーリー・テリングにも、素晴らしい才能が感じられました。次回作がどんなものになるのか、刮目して待つといたしましょう。

 

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2021年1月10日 (日)

堀之内妙法寺にお参り   #堀之内妙法寺 #妙法寺 

_20210110_202524_copy_1024x592 今年の初詣は家の近所の小さな神社(いつもガラガラ)に行きましたが、近年恒例の堀之内(杉並区)妙法寺にも昨日行ってまいりました。いつもの通りランニングがてらです。日蓮宗の本山で、かなり由緒あるお寺なのであります。小生の家はいちおう曹洞宗なのですが、ま、そこらへん(多くの日本人がそうであるように)いいかげんなもので…。

_20210110_201931_copy_1024x636 9日にもなると初詣らしさはほとんどありませんし、参拝客もごくわずかですが、山門前の広場に、たこやきとか甘酒とかベビーカステラとかの屋台は出ておりました。ああいった業界の方々も、今は大変ですよねえ。

 

_20210110_202200_copy_1024x935_copy_768x ここの手水舎は竜の口から水が出るカッコ良さなのですが、他の神社/お寺同様に今年は使えなくしてありました(新型コロナ対策)。寂しいけどしょうがないですね。

_20210110_202413_copy_1024x626 本殿の階段を上がった所の(お参りの際に鳴らす)鈴も、同様に取り外してありました。そこで上を見上げると、そこにも竜! これまたカッコイイのです。金ピカの装飾もゴージャスな感じ。

さて、お参りの後にはご神木に今年の願いと名前を書いて納める儀式ってのも、大江戸の恒例となりました。お願いは明かすものではないのでここには記しませんが、毎年普通のお願いに加えてJリーグに関係することも書き添えているとだけ言っておきましょう。

_20210110_202835_copy_819x882 妙法寺は「厄除け」で有名。今は誰もが「疫病退散」を願うんでしょうねえ。かなえてください! よろしくお願いします。

 

実はこの後で走りながらサイフを落としてしまいまして、戻ったりしてみたものの結局は見つからず。でもランニング中だったので、中身は現金1,500円ぐらいとナナコカード(プリペイド)とスーパーマーケットのプリペイドカードのみ。サイフ(むしろ小銭入れ)自体は100円ショップで買ったもの。しかもカードは手数料を払って再発行しましたが、不正に使用されておりませんでした。不幸中の幸いですね。いやいや、ありがたいありがたい。

 

 

 

 

 

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2021年1月 9日 (土)

「ルクス・エテルナ 永遠の光」:要注意の問題作   #ルクスエテルナ #ルクスエテルナ永遠の光 #ギャスパーノエ

1_20210109231901 昨日から一都三県は緊急事態宣言発布ってことですが、映画館は(百貨店などの商業施設や、飲食店同様)午後8時までに時間短縮で継続営業中。小池さんは「ステイ・ホーム」とおっしゃっていますけど、一方では営業しているってことは利用していいと認められてるってこと。どうすりゃいいんだ?って思いますけど、大江戸の立場としては映画館を生かしていかねばならないと思いますので(お店だって誰も行かなきゃつぶれちゃいますし)、そしてみんながマスクをして話をしない映画館は換気も良く安全な場所なので、厳選してどうしても観るべき作品は観ることにします。もちろん慎重に十分な対策を行った上で。

ギャスパー・ノエの『ルクス・エテルナ 永遠の光』は、51分の作品。なんと、サンローランのアートプロジェクト作品として作られたのだそうです。シャルロット・ゲインズブールとベアトリス・ダルの共演で、撮影現場のひどい混沌ぶりから狂ったようなカラフルな光の激しい明滅に移っていきます。なにしろシアターの入口に「本作は光に対して敏感なお客様がご覧になられた場合、光の点滅が続くなど、光感受性反応による諸症状を引き起こす可能性のあるシーンが含まれております。ご鑑賞いただく際には予めご注意ください。」と表示してあって、映画のオープニングにも同様の字幕が出るのです。

(以降ネタバレあり) で、序盤はシャルロットとベアトリスの朗らかな雑談が続き、中盤は撮影現場の混乱と混沌がどんどん狂気に満ちて行き、終盤はカラフルな光が暴力的に明滅を続けて終わり。なんだこりゃあ?ですね。デ・パルマでもないのに、終始スプリット・スクリーンが使われたりもしています。 終盤の光チカチカ場面は、結構長いこと続きます。激しいです。神経に障るようなキーンという音もずっと続きます。これ、もしかして観客に危害を加えようとしていませんか? ギャスパー・ノエなら、やりかねないような…。 小生も危険を感じたので、つとめて集中して画面を見ないように、視線をあちこち移したりしておりました。

うーん、なかなか他では得られない体験であることは確かです。実にギャスパー・ノエらしいといえば、らしい。問題作しか作ったことありませんから。でもねえ…、何が言いたかったの??

 

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2021年1月 8日 (金)

ベイユヴェールのバタークリームケーキ!   #ベイユヴェール #beillevaire #松屋銀座 #ケークグルマン #バタークリームケーキ

_20210108_235914_copy_800x663  大江戸は知りませんでしたが、「beillevaire ベイユヴェール」というケーキ屋さんが麻布十番にあるのです。そもそもはフランスのお店だそうで、フロマージュ(チーズ)や発酵バターを扱う酪農系のお店だったようです。

で、そのショップが松屋銀座の地下に入ったので、昨年末にある商品を買ったのです。それは、…ふふふ、バタークリームのケーキ!

_20210109_000031_copy_800x715 その名も「ケーク・グルマン」。実にシンプルなのです。棹もののカステラの真ん中に1㎝強ぐらいのバタークリームの層が入ってる、ただそれだけ。もう、バタークリーム好きの大江戸としては、たまらないですね。バタークリームとの真剣勝負って感じです。

カステラ式にスライスしていただきます(普通のカステラよりも、小ぶりなサイズです)。天地の面は当然焦げ目がついていて、片面には大粒のザラメもついております。

_20210108_235955_copy_800x745 いやーーー、うまい!! これはいい!! バタークリームのコク、適度な硬さ、強過ぎない塩味、カステラ生地の上質さと一歩引いた主張のなさ(これによって、バタークリームの主役感が際立ちます)。でもやっぱりごはんに明太子を合わせるようなもので、ごはん(カステラ生地)があってこそのハーモニー。ザラメもアクセントになって、いい仕事しています。こんなにそっけない見てくれなのに、なんて深くて強いおいしさなのでしょうか。ちょっと、いや、かなり感動しますね。

恵方巻のようにむしゃむしゃと一本食いしたい気もしますが、カロリーめっちゃ高いでしょうねえ。でも「最後の晩餐」リストのデザートに置きたい気すらします。1本2,700円(税込)。それに見合う至福の1本です。

 

 

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2021年1月 7日 (木)

村上隆の「お花の親子」@六本木ヒルズ   #村上隆 #お花の親子 #六本木ヒルズ

_20210103_183906_copy_1200x1741_copy_960 先日六本木ヒルズに行ったら、森タワーの前にあっと驚くようなものが屹立しておりました。キンキラキンの大仏的なものが・・・、よく見ると村上隆のお花キャラクター、しかも親子ではありませんか!

_20210107_213051_copy_1024x673 いやー、すごいけど笑っちゃう。よくもまあこんなものを…というある種のバカバカしさも含まれているのに、妙にパワフルで超然としております。

銘板を見れば、そのまんま「お花の親子」というタイトル。決して「ライオンの親子」や「コロナの親子」ではありません。高さ10mなんですね(正確には「1,000.1cm」。何この1mmのはみだし??)。

 

_20210103_184614_copy_1758x1964_copy_102 さらに脇にあった解説表示を見ると、「スーパーフラット・コンセプトの一部として、アートの世界に幼稚でオモチャ感覚のロジックを組み込んんだ始祖(の自分)として、スーパー幼稚なものを作った」っていうようなことが書いてありました。

 

_20210103_184213_copy_1024x1525 どうでもいいけど、横から見るとこんな感じ。不思議というか、サマにならないですね。無理矢理な感じ。やはりスーパーフラットなので、立体にした場合には側面が弱くなるってことなんでしょうね。妖怪っぽさは出てますけど。

 

_20210107_212917_copy_1024x640 少し歩くとビルの1F(1Fでいいのかな、あれ?)にこのキャラクターがカラフルに咲き誇るカフェがありました。期間限定(~1/21)の「お花カフェ」であります。カフェに「落ち着き」を求める人にはダメなんでしょうけど、明るく楽しく元気良く(ATG)でステキです。

 

この「お花の親子」像、昨年11月26日から公開されていて、今年の5月末頃までの予定なんだそうです。

 

_20210103_184500_copy_1200x1839_copy_960 夜になると、こんな感じ。これはこれで神秘的?ですね。

_20210107_212739_copy_1024x1553 でも、後ろから見ると、こうです。うーん、スーパーフラットは後ろも弱いのかあ。 ま、でも仏像ってこんなものですよね。

 

大江戸的には、別のデカイもん(お台場のガンダムとか鎌倉の大仏とか)と戦ってもらいたいと夢見てしまうのであります。

 

 

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2021年1月 6日 (水)

「魔女がいっぱい」:ネズミもいっぱい   #魔女がいっぱい #ロアルドダール #アンハサウェイ

1_20210106224801 映画『魔女がいっぱい』は、『チャーリーとチョコレート工場』のロアルド・ダールが原作。ま、子供向きの映画って感じも強いのですが、もちろん大人が観ても楽し…めないですよねえ、あんまり。監督は、かのロバート・ゼメキスなんですけど。

基本的にはアン・ハサウェイを見る映画だと思っていた方がよろしいでしょう。女優さんって、功成り名を遂げてある年齢になると、こういう役やりたがりますよね。大きな芝居で、口裂け女の魔女さんを演じております。ヘアスタイルも衣装もいっぱいあって、VFXもいっぱい使って、とにかく派手な役でございます。ただ、ラジー賞の候補になるんじゃないの?って感じでもありましたけど…。

一方いい味出してたのは、オクタヴィア・スペンサー。彼女が「おばあちゃん」を演じるのですが、現在実年齢50歳なだけに、まだ若いって印象(でもあり得る設定ですけど)。スタンリー・トゥッチなどは、宝の持ち腐れ的な扱いでした。

結構リアルなCGネズミがわんさか登場するのですが、これに限らず近年のCGネズミが出て来る作品って、ちょっと微妙にイヤですよね。(2Dアニメと違って)リアル過ぎて、ネズミ嫌いの人には耐えられないのではないでしょうか。

カラフルな衣装と美術はなかなか良い線行ってるのですが、物語もなんてことないし、クライマックスもどうってことないし、失敗作と言えるのではないかなあ…。

 

 

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2021年1月 5日 (火)

ドルビーシネマ初体験   #ドルビーシネマ #丸の内ピカデリー    

_20210105_214140_copy_1024x1010 先日、『ワンダーウーマン1984』を観るにあたって、“ドルビーシネマ”=丸の内ピカデリーを利用しました。おととし2019年の10月にドルビーシネマとしてリニューアル・オープンしてから1年以上も機会をうかがっていたというか、行っていなかったのです。普通の映画館より料金が高いしね(そーなんです。プラス600円です。まあ、グランドシネマサンシャインのアイマックスはプラス700円ですけどね)。

Dsc_4751_copy_1024x576 「ドルビーシネマ」というのは、映像、音響、劇場デザインがワンランク上のシアターのことだそうです。

映像においては、ぼやけた黒ではなく「真の黒」が表現できるそうですが、観ていて特に気がつきませんでした、っていうか、忘れてました(笑)。ま、その程度のものです。

音響においては、「ドルビーアトモス」のシステムで、前後左右上下いろんな所にスピーカーが配置してあって、音の移動にもしっかり対応できるのだそうですが、TOHOシネマズなんかにもドルビーアトモスのスクリーン、ありますからねえ。ま、普通に音の良いシネコンの設備って感じ。

_20210105_214231_copy_1024x576 シアターデザインにおいては、確かに黒を基調にしてカッコイイですね。エレベーターの扉が開くと、すぐに真っ黒の空間が広がっています。通路もコンセッションもトイレも黒が基調。場内に入る階段の前には、超横長のイメージ映像が色調を変化させながら輝いておりました。そして場内も真っ黒で、アクセントとしてブルーの光のラインが効いてました。ゆったりとした革張りの椅子も、高級感に溢れておりますね。この黒づくめの感じって、スターフライヤーの飛行機みたいです。ま、大江戸は黒が好きなもので、こういうの嫌いではありません。

Dsc_4750_copy_1024x576 ただ、プラス600円に見合うかというと、うーん、小生はこっちを選ばない気がします。グランドシネマサンシャインのアイマックススクリーンの只ならぬデカさの方が、インパクトありますもんね。あっちだって、音はかなり良いわけですし。大江戸が観た回のお客さんは、心配になっちゃうほど少なかったです。

てな感じですが、まあ話のタネに何度か行ってみてもよろしいのではないでしょうか。丸の内ピカデリーといっても、マリオンのルミネ上層階の方じゃなくて、その脇の別棟の5階。以前「丸の内ルーブル」だった方です。

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2021年1月 4日 (月)

「ワンダーウーマン1984」:枯渇を救うアクション大作   #ワンダーウーマン #ワンダーウーマン1984 #SASUKE

1_20210104231701 映画『ワンダーウーマン1984』のタイトルは「WW84」と省略形で出ます。それが示す通り、本作の舞台となった時代は1984年。さすがハリウッドで、あのセンスがないけどカラフルにわちゃわちゃしていた時代が、衣装や美術を通してしっかり再現されています。でも、それが物語に大きく寄与しておらず、ただの背景でしかなく、別の時代でもいいんじゃね?となってるところはご愛嬌。

コロナ以降、アメリカ映画のアクション大作ってほとんど公開されず、『TENET テネット』だけという状況に、アメコミ大作がDCから登場です。なにしろマーベルの『ブラック・ウィドウ』は公開延期になっちゃいましたからね。なので観る方も枯渇感があって、「同じようなCGアクションばかりで辟易していた」大江戸でさえ、「おお!凄い映像だ。アクションの快感だ。」と思っちゃいましたからね。

何しろオープニングでいきなりアマゾネス村の「SASUKE」みたいなことやってますもん。随分とスケールの大きな「SASUKE」です。年末にテレビでちょっと見たので、「おー、SASUKEだ。似てる似てる。」と思ってしまいました。とにかくこの一連のSASUKEシークェンスは、センス・オブ・ワンダーを見せてくれて、素晴らしい出来栄えでした。 そうそう、これは大スクリーンがふさわしいと思って、初めて「ドルビーシネマ」(丸の内ピカデリー)で観たのですが、そこらへんの話はまた明日にでも。

作品全体としてはまあまあ面白かったのですが、うーん、2時間31分ってどうよ。そこまで長くする必要はないんじゃないかなー。おまけに悪役は今一つ二つ貫禄がなくてけっこうバカだし、敵方モンスターの「チーター」って、顔に青マジックで線描いたみたいで『サンダ対ガイラ』のサンダみたいだし…。

でもダイアナがクライマックスで身に着けていた金色のガッチャマンみたいな羽根つきスーツ(むしろ『未来世紀ブラジル』みたいでしょうか)は、かなりカッコ良かったです。

 

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2021年1月 3日 (日)

「クリスト ウォーキング・オン・ウォーター」:幸福な景色の裏側の地獄   #クリスト #ウォーキングオンウォーター 

01_20210103215301『クリスト ウォーキング・オン・ウォーター』は、2020年5月に逝去したクリストの最後の大プロジェクト「フローティング・ピアーズ(浮かぶ桟橋)」のドキュメンタリー映画。これまでクリストのドキュメンタリー映画というと、1995年のライヒスターク(ドイツ帝国議会議事堂)梱包プロジェクトを記録した『議事堂を梱包する』(2000年日本公開)がありますが、長年のパートナーとして作品づくりを二人で行ってきたジャンヌ=クロードが2009年に他界した後では初めてのこと。

『議事堂を梱包する』では、作品公開の何年も前からの関係者説得や役所対応、素材の開発などを入念に描いていき、最後に作品公開の幸福な時間が用意されていたのですが、本作はちょっと違います。事前準備段階をすっ飛ばして、数十日前からスタートしていき、直前のあれこれ、そして開催されてからのトラブルをかなり丁寧に追っていきます。作者本人のコントロールを超えて動いていくプロジェクトの予想外のスリリングな動きとか、クリスト作品の制作資金となっている絵画のコレクターへの販売風景など、興味深いシーンも満載です。

見事なパートナーであり、緩衝材ともなっていたジャンヌ=クロードがいなくなったためか、クリストが随分と攻撃的なジジイになっちゃったようです。映画の中でも終始、周囲と激論を交わし、しばしば怒鳴りながら怒っています。とても孤独に見えます。ただ今回の場合はその怒りも正当なことが多く、作品の公開直前に風雨が襲い、公開が始まってからイタリア当局の動きの悪さ、対応の悪さによって想定以上の観客をさばけずに追い込まれていくあたりは、デスパレートな状況が延々と続いて、観るのがつらいほどです。これで本当に事故でも起きてたら、まさに地獄ですよね。

それでも最後には、クリスト作品につきものの、人々が心から作品をエンジョイする「幸福な景色」が映し出されます。これがあるから多くの困難にも負けずに、彼はプロジェクトを続けたんでしょうね。本作の最後も、ドバイの砂漠で次のプロジェクトを構想するクリストを捉えた映像です。

スポンサーには頼らず、何十億という費用はすべて作品にまつわる絵画やドローイングやリトグラフを売って自ら捻出するという、驚くべきアーティスト=クリスト。もう、こんな人は二度と現れないでしょうねえ。 良い映画でした。

(当ブログのクリスト逝去の記事はこちら ↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-0e6fce.html

 

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2021年1月 2日 (土)

「逃げ恥」新春スペシャル   #逃げるは恥だが役に立つ #逃げ恥新春スペシャル #恋ダンス

TBS『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!』(2時間半枠)を見ました。このドラマは、リアルタイムでも見て、昨年の緊急事態宣言下の再放送(ムズキュン特別編)も全話見ましたが、今回のスペシャルにはその輝きが色あせておりましたねえ。

(これまでの当ブログの『逃げ恥』記事はこちら ↓ )

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-c306.html

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-6295.html

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-cdea20.html

 

なんか、シリーズでも終盤にみくりが見せたややこしい「小賢しさ」が、全編を覆っている感じなのです。まあ、この作品はそこが重要ポイントで、原作も野木亜紀子脚本も、そういったオトコ社会への問題提起や告発の部分をとても大切にしているってことはわかりますが、でもねえ…。今回のスペシャルでは、そこらへんの主張がマナな形で次々と出てきて、シリーズ放映時の絶妙のバランス=笑ったりキュンキュンしたりさせておいて、その中に巧妙にフェミニズム的な主張も入れ込んでいく とはだいぶ色合いが違うのです。だからと言ってそれに文句をつけると、「やっぱり男はわかっていない」とか「遅れた差別主義者」だとか思われてしまいそうなのが、辛いところです。実際、本シリーズよりもギャグやお遊びや娯楽性は減少してますからね。その代わりに(日本)社会への問題提起が強くなっているのです。プラス、新型コロナ禍下のあれこれも、ストレートにぶっ込んできました。

みくりも平匡もかなり面倒な方々で、「何もそこまで」と思うぐらい、社会やコミュニティとの折り合いのつけ方が下手くそ。でもまあ、そういう極端なキャラクターでないとマンガやドラマにならないんでしょうね。でも魅力的なキャラクターからは、離れて行っちゃった気がするなあ…。 外見的には、星野源は4年前からほとんど変わっておりませんが、新垣結衣は時の流れを感じさせるというか、30代の顔になっておりました。

そして最後には、待ってました!の「恋ダンス」新撮ロングバージョン! スモーキーグリーンのセーターを着たガッキーをはじめ、キャストの皆さんが新たに踊ってました。これまで無かった部分の振り付けも追加されたバージョンで、最後の方ではキャストたちの苦戦ぶりも披露されてます(笑)。 ま、これが最後にあるおかげで、すべてオッケーになってしまいました。おそるべしですね。

 

 

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2021年1月 1日 (金)

「ハッピー・オールド・イヤー」:断捨離映画に見せかけて…   #ハッピーオールドイヤー #断捨離 #断捨離映画 #タイ映画

2_20210101233701 2021 ハッピー・ニュー・イヤー! ってことで、映画『ハッピー・オールド・イヤー』は、断捨離に材を取ったタイ映画。実際に映画の中に、日本の断捨離番組がタイのテレビに映っている場面があったりもします。

主演の女優(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)は、『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のあの主人公です。タイの蒼井優×山口百恵って感じですが、だいぶ大人っぽくなった彼女が実家を事務所にリフォームするために、断捨離を行うのだが…って話。

大江戸は基本的に物が好きですし(「ものずき」ではない)、捨てるのは苦手な方でしょう。いや、いろんな物をとっておくタイプです。なので、「断捨離は敵だ」と思っている部分もあり、この主人公の考えや行動に対しては、かなり批判的にならざるを得ません。(以降ネタバレあり) 中でも、母親の大事な品まで勝手に(だまして)捨ててしまうなんて、決して許されることではありません。物に宿る思いは、ある人にとってはどうでも良くても、別のある人にとっては生きている証だったりするわけですから。母親が彼女を非難する言葉通り、身勝手過ぎる犯罪的行為だと思います。また、彼女と昔の恋人との間のあれこれのやり取りや彼の言葉からも、やっぱりこの女性が「自分しか見ていない」身勝手な人だということがわかります。日本版のポスターやチラシにも「ひとの気持ちは、簡単に仕分けられません。」というコピーが書いてありますが、そういうことなんですよね。

てなわけで、誤読かも知れませんが、この映画ってむしろアンチ断捨離なんじゃないでしょうか? いや、むしろ積極的にそう思いたいですね。主人公が断捨離では決して幸せになれなかった映画。物に宿る人の記憶や思いについて考えさせるための映画。だとしたら、多くの断捨離派の人たちに観てもらって、ぎゃふんと言わせたいものです。

 

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