「セノーテ」:歴史と人間と水と #セノーテ #小田香 #ドキュメンタリー映画
映画『セノーテ』は、「タル・ベーラの愛弟子」という小田香監督がメキシコで撮った75分のドキュメンタリー。「セノーテ」とはマヤ地方の洞窟内の泉のこと。その地に根付いた様々な歴史を持つ場所のようです。この映画のために、2年間の間に30~40のセノーテを訪れたそうで、しかも小田監督自身が撮影をするために、ダイビングを習得したのだとか。
冒頭にセノーテを説明するための字幕が出る以外は、一切ナレーションなどの説明はなし。インタビューもなし。映像だけで何かを伝えようとしています。しかもその映像が、よくわからない。親切ではない。あまり常識的な遠景や説明のためのカットを入れないので、これは何なんだ?という映像もあります。水中に潜って泳ぎながら撮った移動カットがほとんどです。時々、村の生活や人々の顔などがインサートされます。音の効果も含め、前衛的なドキュメンタリーと言えるでしょう。
で、面白いとか感動したとか驚いたとかにあてはまるかというと、うーん、そうではありませんでした。評価されている作品ですし、ゆったりした水、水、水の映像の奥から、歴史や人の生死が浮かび上がって来る気がします。哲学的です。でも、大江戸の好みではないかなあ。水の質感や水しぶきの美しさは素敵でしたけども…。
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