「藁にもすがる獣たち」:良質な娯楽犯罪映画 #藁にもすがる獣たち #キムヨンフン #シンヒョンビン
映画『藁にもすがる獣たち』は、曽根圭介原作を韓国で映画化したクライム・サスペンス。とにかくエンタテインメントとして良くできています。ていうか、観てる間はハラハラドキドキめっぽう面白い、でも観終えるとすっかり忘れちゃって残るものはない、そんな映画です。
「全員悪人」です。ヤクザや半グレも混ざってますけど、普通に見える人も大なり小なり悪くって、そんな連中が複雑に絡み合っている様が、順を追ってきちんと処理されていきます。「金が欲しい」という気持ちをブースターにして、バラバラの人、場所、時間を上手に組み合わせてこの世界を構築した脚本&監督のキム・ヨンフンは、これがデビュー作だそうです。お見事ですね。
で、重厚感より軽やかさが持ち味なんでしょうね。韓国の犯罪物にしては、重苦しさとか残虐非道なところがほとんどなくて、血が出る描写にしても節度を守っていて、むしろ品が良いのです。話術でしっかり見せていくタイプです。
まあ、よく考えるとツッコミ所が結構あるのですが、観てる間は気になりません。 (以降ネタバレあり) とは言っても、ラストで犯行現場のトイレからロッカーの鍵が見つかるって、…その前に警察が検証しているのに、あり得ません! 電動ノコの場面も、生きたままやる意味がないでしょ。抵抗されるだろうし。
役者たちもそれぞれに主張が強くて、顔が良くて、見飽きませんでした。板東英二もいるし(笑)。DVに遭ってる人妻役のシン・ヒョンビンが、とても魅力的なのでありました。
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