「哀愁しんでれら」:不快なまでの毒気パワー #哀愁しんでれら #土屋太鳳 #田中圭
映画『哀愁しんでれら』は、極めて不快な、でも絶大な負のパワーを持った良作。土屋太鳳、田中圭というキャストで、こんなに胸糞悪い作品を作っちゃうなんて、なかなかです。でも今年の重要な1本には違いありません。
冒頭はけっこうコミカルな感じで始まったのですが、だんだんと不安で不穏な空気が支配するようになり、苛立たしさと恐怖感に押しつぶされそうになります。そしてラストに向かって暴走して行きます。これはかなり衝撃的ですね。日本映画史においても、中島哲也の『告白』とか『渇き』とかの毒気を継承するものがあります。
とはいえ、中島哲也ほどうまくはありません。全体的にテンポが悪くて、一つのシーンを「たっぷり」取り(撮り)過ぎ。脚本を書いた人が監督もするとしばしば起きる現象なのですが、本作で商業用映画の監督デビューを果たした渡部亮平もその例に漏れませんでした。異常さを表す色彩の使い方も、『Swallow スワロウ』の見事さに較べるとまだまだですね。
(以降少々ネタバレあり) 作品の狂気が終盤に加速していき、「TV放映は無理かもな」って感じのラストを迎えます。まあ、ある意味「ダーク・ファンタジー」なのですが…。 日本社会の「階級格差」の問題、DVやモンスター・ペアレンツの問題などへの言及も、作品に重みと現代性を与えています。
この作品のチラシって(ポスターもなのかな?)2種類あって、最初に白目バージョンの方を見た時にはぶっとびました。土屋太鳳や田中圭の事務所的にはこれOKなの?って感じで。ここまで毒気たっぷりにやってくれると、痛快ですけどね。
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