「痛くない死に方」:勉強になります #痛くない死に方 #柄本佑 #リビングウィル
映画『痛くない死に方』は、素朴で良い作品。映画としての上質さとか、演出や編集の輝きみたいなものはなく、ローバジェットで普通の絵を撮って、普通につないだ映画。誰が観ても同じレベルで理解できる作品です。その気負いや衒(てら)いのなさは、他の高橋伴明監督作品にも通じるものがありますが、本作は特に顕著です。
前半はそこそこ重めで、後半は転調したかのように軽やかで気持ちの良いトーン。その中で主人公の在宅医(柄本佑)の成長を描くという、平凡な展開。でも、そういう「普通」がいいんです。誠実に終末医療に取り組む医師たちの真摯な姿勢や悩みと対峙する人間性の描写が、「医者だって人間」という当たり前の事実に気づかせてくれます。メインとなる柄本佑がああいうキャラクターですから、本当に隣にいそうなリアルさと親しみやすさで、嫌みなく教えてくれる映画です。
柄本の先輩医師が奥田瑛二。おお、義理の父子ではないですか! いやー、今回の奥田瑛二、説得力のあるキャラクターで良かったですよー。まあ、それを言ったら、下元史郎(久々。おじいちゃんになりました。)も、坂井真紀も、余貴美子も、宇崎竜童も、大谷直子も、みんないい味出してました。
それにしても、ガンで標準治療を拒否してしまうと入院すらできないということにショックを受けました。病院側には病院側の言い分があるのでしょうが、何とか別の選択肢も残せないものなのでしょうか? 日本の医療全体がとにかく「延命」の呪縛に囚われているという話も、なるほどです。苦しむ期間、意味のない生を伸ばしてどうなるというのでしょう、本人にとっても家族にとっても。 ラストに「リビング・ウィル」(尊厳死に関する意思表示)の文例が画面に出るのですが、いずれこういうのを書かねばと思いました。勉強になる映画でもありました。
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