「マンディンゴ」:アメリカの黒歴史 #マンディンゴ #リチャードフライシャー
映画『マンディンゴ』は、1975年作品のデジタル・リマスター版での再公開。46年ぶりです。大江戸は初見ですが、見てください、このポスター。『風と共に去りぬ』のパロディーになっております。そして公開当時はこっちがキワモノ(とはいえ、有楽座で公開したのですが)で、『風と共に去りぬ』は映画史上最高級の名作だったのに、今や『風』は黒人差別的作品だとして名声が地に落ちかかっていますもんねえ。時代の流れというのは、すごいもんです。
で、こっちの方の再評価の裏には蓮実重彦一派のリチャード・フライシャー再評価のムーブメントがあるようで、それはそれで(蓮実嫌いの大江戸にしてみれば)嫌な感じです。いずれにせよ、近年は「えっ、あの作品が?!」って感じの再公開が多くて(クローネンバーグとかベルモンドとか…)、それに関してはちょっと嬉しく思っていたりします。早くケン・ラッセルやりましょうよ。
『マンディンゴ』はまあ「映画史上最大の問題作」というコピーの割には、そこまで物凄い作品ではありませんでした。常識的範疇で納まっております。アメリカ合衆国の黒歴史。時代時代で変わっていく人々の考え方…とはいえ、ひどいもんですね。リチャード・フライシャー監督は、かなりホラー的な絵作りで、淡々と描いていきます。
ラストもモヤモヤと後味が悪い感じ。現代のアメリカに住む白人の方々にとっては、観ていて非常に居心地の悪い映画なのでしょうね。できれば歴史に埋もれさせたいぐらいに…。
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