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2021年4月19日 (月)

「BLUE ブルー」:負け続けるボクシング映画   #BLUE #ブルー #映画ブルー #吉田恵輔 #松山ケンイチ #ボクシング映画 

1_20210419225401 映画『BLUE ブルー』は、吉田恵輔監督のボクシング映画。『純喫茶磯辺』や『さんかく』や『ヒメアノ~ル』や『犬猿』など、人間の心の暗部にぐいっと手を入れるような良作を作り続ける吉田監督がボクシング映画??と思いましたが、クレジットには「監督・脚本・殺陣指導」と出てました。何と、監督は中学以来30年ほどもボクシングをやっているそうで、なるほど満を持しての企画だったのですね。

素晴らしい作品です。でも、昨年末に『アンダードッグ』が公開されてしまったことは、この作品にとって不幸でした。大江戸が昨年のベストワンに選んだあの傑作と較べると、試合シーンの迫力だとか、いろんなドラマだとかが、どうしてもちょっと弱いかなと思えてしまうのです。いや、でもこの作品も大好きなんですけど、…2年連続でこんなボクシング映画の名作が誕生するとは!

松山ケンイチはやっぱり憑依型の役者ですね。『聖の青春』で20㎏もの増量をしたかと思えば、本作では体を絞ってボクサーの肉体、ボクサーの動きを確実にものにしました。まさにデニーロ・アプローチです。ボクシングのトレーニングにも2年かけたそうですし! で、彼の抑制を効かせた芝居がいいんだ、これが。大江戸の主演男優賞に、少なくともノミネートだけはしておきたい感じです。彼と東出昌大、柄本時生とのアンサンブルも生きてますし(この3人、奇しくも『聖の青春』でも共演しているのです)。木村文乃のからませ方も悪くありません。キャストの好演のおかげもあり、(言葉や行動に出ていない)心の中が交錯し葛藤する、質の高い人間ドラマになっています。

それにしても、ほとんど負け試合ばかりのボクシング映画です。主人公も負け続け、ほかの選手もだいたい負けます。ボクシングの過酷で危険な面、辛く苦しい面ばかり描かれる作品でもあります。根底にボクシングへの愛がありながら、こういう作品になっているひねくれ方がまた吉田恵輔らしいところと言えるでしょう。「陰」の人です。とはいえ、いつもと較べれば格段にまっすぐで闇の少ない世界ではありますけどね。

ボクシングジムの会長役のおじさんは誰なんでしょうか? 役者さんたちの中だと、違和感たっぷり。そして、アゴがない! 何とも不思議なアゴなし顔のインパクトでした(デイヴィッド・リンチが好みそうな顔)。

 

 

 

 

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