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2021年6月 2日 (水)

森村誠一の「忠臣蔵」   #忠臣蔵 #森村誠一 #森村誠一の忠臣蔵

1月に「大江戸は『忠臣蔵』が好き」という話を書きました。 ↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-3b6873.html

Center_0001_burst20210602215944914_cover で、その後ぐらいに森村誠一の『忠臣蔵 上・下』(朝日文庫)を買ったのでした。ネットで評判が良かったものですから。もう絶版になっている作品で、メルカリで探して買ったのでありました。1993年の第一刷ですが、かなり日焼けして、水分を吸ったような汚れもありましたが、まあしょうがありません。それよりも驚いたのが、そのぶ厚さ。本文最後のページまでが、上巻604ページ、下巻588ページ。上下合わせて1,200ページ超です! しかも今の文庫よりも、文字が全然小さいので、その分量たるや!

元禄時代の、あの事件を生んだ時代背景(綱吉と生類憐みの令やら柳沢吉保やら…)を綿密に描いておりまして、四十七士やその周辺の人物一人ひとりにもけっこうスポットを当てていて、まさに大河ドラマという趣きなのです。

あとはニュートラルで現代的な視点とでも申しましょうか、例えば吉良側の「こっちが被害者だ」という視点にも立って(そこにも説得力を持たせて)描いておりますし、武士の社会の馬鹿らしさや残酷さも(美点とともに)描出しております。更には、大石内蔵助が世間の目を欺くために蕩尽の日々を送ったところも、非常に人間的にというか、かなりの淫蕩三昧であったことを(ウソかホントかわかりませんが)見てきたように描写しております。

まごうことない力作であり、実に面白いので、絶版のままではもったいないと思ったりしてしまいます。でも今、『忠臣蔵』を読もうなんて人はいないのかなあ。面白いのになあ。とはいえ、小生はえらく時間がかかってしまいました。通勤途上でしか読まないし、スマホ優先の時もあるし、その間に『キネ旬』読んだり、ベルマーレの本読んだり、フリーペーパーやら駅のフリーマガジンやらを読んだりもしていたので、なんだかんだ3-4ヶ月もかかってようやくの読了。読書の方も討ち入り同様、なかなか事が進まないのでありました。

 

 

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