「HOKUSAI」:田中泯以外は物足りない #HOKUSAI #北斎 #河原れん #田中泯
映画『HOKUSAI』は、コロナでまる1年公開が延期となりました。画狂人北斎の絵描き人生を4つの章立てで綴っております。1章、2章は北斎を柳楽優弥が演じる若き日々。3章、4章は田中泯による晩年です。
この映画を企画し、脚本も書き、北斎の娘役で出演もしている「河原れん」って誰?と思って調べたら、本作の配給を手掛けているスターダストプロモーションの社長夫人だったのですね。もともと作家さんのようですが、マルチにいろいろやってる方のようです。
全編を通して、かなり良い絵が撮れているんですよ(撮影=角田真一)。室内も、風景も、実に時代劇らしく、色も美しい絵が。でも、なんか映画的に躍動していかないんですよねー。それは物語に関しても言えることで、何が悪いってことはないんですけど、ドラマとして引き込まれるものがないし、面白くないんですよねー。
とはいえ田中泯が出て来ると、それだけで画面が引き締まって、映画として成立してしまうので、恐るべしです。田中泯のアップがやたら多いのですが、確かにアップに堪える顔なんですよねー。それに比べると、柳楽を含めて他のキャストは誰も印象に残らないという…。
表現と権力による規制の問題とか、北斎芸術の謎とか、いろいろ描こうとしているのはわかりますが、結局表層的なだけで、その神髄をぐいぐい描くには至っておりません。何かと残念な出来なのでありました。
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