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2021年7月28日 (水)

「オリンピック・ランゲージ:デザインで見るオリンピック」展   #オリンピックランゲージ展 #デザインでみるオリンピック #ggg

Dsc_03303_copy_711x600 ギンザグラフィックギャラリー(ggg)で開催中の特別展『オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック』(~8/28・入場無料)を鑑賞。この時期ならではの良い企画でした。すべてが興味深く、じっくりと観てしまいました。

 

Dsc_03392_copy_685x576 オリンピック各大会のシンボルマーク、ピクトグラム、トーチ、メダルなどのビジュアル・アイデンティティについて解き明かす展覧会。1964東京、1968メキシコ、1972ミュンヘン、1994リレハンメル(冬季)、2004アテネの5大会に焦点を絞って、そのデザインワークを比較展示しています。

Dsc_0338_copy_1024x576 本展のポスターや映像はあのグルーヴィジョンズによるもの。五輪を表す5色の丸を用いたシンプルでセンスの良いデザイン。映像の方も気が利いてます。 5つの丸の中で赤が大きいのを見ると、当然思い出すのが1964東京の亀倉雄策によるシンボルマーク。いやー、改めて傑作ですね、あれは。「亀倉が締め切りを忘れていて、たった2時間で作った」とか書いてありましたが、そういうものなのでしょう。全大会のシンボルマーク(エンブレム)がずらりと展示してある壁面もありましたが、パッと見て亀倉作品がベストだとわかりますね。シンプルで力強く、一切のムダがない揺るぎなさ。見事です。Dsc_03362_copy_576x895

1964東京大会で初めて導入されたピクトグラムですが、各大会に個性がありますね。中でも大江戸が気に入ったのは、リレハンメルの競技ピクトグラム。古代遺跡の岩絵に着想を得た作品だそうです。いやー、自由でユニークですねー。 アテネ大会のピクトグラムも、古代の陶器の絵みたいなテイストです。Dsc_03342_copy_569x1024

Dsc_03352_copy_553x1024 聖火トーチの中で一番驚いたのもリレハンメル。縦に長ーいのです! 木の部分は樺材を使っているそうです。トーチの展示は、すべて両面から見られるようになっていたのが良かったです。

全体感として、とてもキレイにコントロールされていたのがミュンヘン大会。ライトブルー、オレンジなど6色のシンボルカラーを設定し、大抵のものをその中で展開しているのです(大会関係者のユニフォームなども)。しかもナチスの遺産としてのベルリン大会からの決別を可視化するために、赤と金は除外して統一したのだそうです。メイン・ポスターなどもオリンピック的には弱い感じですが、そういった意志に基づくものなのでしょうね(ベルリン大会のように重厚な印象にはしないぞ、という)。好きです、この大会の爽やかなビジュアル(残念なことに、ご存じの通り血塗られた大会になってしまったわけですが…)。Dsc_03312_copy_973x600

ほかにも、メキシコ大会のオプ・アート(1968年という時代を反映)的なロゴやビジュアルなど、広くない会場に見どころ満載。それぞれのこだわりやクォリティの高さに感心しました。

それに較べると、今回の東京2020はねえ…。市松模様は悪くないんですけど、それ以外のVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)は、全体的には無難過ぎて、既視感もあって、印象に残らないかも。大会委員会が守ってあげなかった佐野研二郎のエンブレム、大江戸はけっこう好きだったんですけどねえ…。それを言ったら、国立競技場だって隈研吾のよりもザハ・ハディド案の方がずーっと好きでした。あれも守ってあげる人がいなかったからなあ…。ネットの中のシロートの意見や暴言のせいで、考えに考え抜いたプロの英知と時間の結晶が、簡単につぶされてしまう。嫌な時代ですねえ。

 

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