「走れロム」:もっと深く、もっと鮮やかでないと… #走れロム #ヴェトナム映画 #闇くじ
映画『走れロム』は、ロムという少年がヴェトナムの貧民街を走りまくります。ムロツヨシが走ったら、『走れムロ』ですね。←はい、笑う所
ヴェトナム映画界で一番有名な監督=トラン・アン・ユン(『青いパパイヤの香り』『ノルウェイの森』)がプロデューサーになってます。でも新鋭のチャン・タン・フイ監督は、だいぶ趣が異なっています。雑然としていて、ギラギラしていて、例えばブラジル映画『シティ・オブ・ゴッド』とか、ああいうテイストに近いものがあります。
「デー(闇くじ)」というノミ屋みたいなヤバいギャンブルを構成する一つの駒として、必死で生き、必死で走るロムや、その友人にしてライバルのフックが見せるハードな生きざまが本作の値打ち。ただ、それが映画的に強い力を放っているかというと、うーん、どうでしょう?
映画として、もっと圧倒的な見せ場が欲しかったと思います。更に言えば、割と表層的で、描かれているものの深さが出ていないのです。そこは残念。
でもこの作品、ヴェトナムのネガティヴな側面を描いたために当局からカットを余儀なくされたそうなので、「完全版」なら描かれていたのかも知れませんね。そこは、何ともわかりません。
ラストが鮮やかだったら、もっと良かったのになあ とも思いました。
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