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2021年8月31日 (火)

パイナップルのチューハイとパイ   #パイナップル #キリン氷結パイナップル #パインアメサワー #大地のパイ #春華堂

Dsc_03563_copy_600x985 大江戸は最近、パイナップルが結構好きです。好きな果物ベスト3を問われれば、イチゴ・ブドウ・パイナップルと答えるでしょう。ちなみに好きな野菜ベスト3は、(ホワイト)アスパラガス・カリフラワー・サツマイモあたりでしょうか。プラス1でキノコ類を加えるとすれば、キクラゲですね。

で、去り行く夏をしのんで、パイナップル特集。

まずはキリン『氷結』の「パイナップル」。毎年夏に出てますね。まあ、でもチューハイにはレモンとかグレープフルーツとかの方が、やっぱり合いますね。だって、ちょっと甘ったるいんだもーん。ちなみに果汁は1.6%しか入ってません。アルコールは5%です。

Dsc_00032_copy_600x983 続いてこちらは、なんと『パインアメサワー』! あのロングセラーにして、今も有名コンビニの定番となっている「パインアメ」をサワーにした勇気ある商品。ちなみに、こんなのでさえ果汁2%入ってます。アルコールは4%です。三菱食品(株)って所の商品です。

でもねー、1回飲んだらもういいや。だって、かなり甘ったるいんだもーん。

 

Dsc_03622_copy_600x646  そしてこちらは、台湾土産の定番であるパイナップルケーキです。その名も『大地のパイ パイナップル』。いや、実はパイナップルケーキじゃなくて、その名の通りあくまでも「パイ」だったのですが、大江戸はなんだか頭の中でパイナップルケーキだと信じ込んでしまっていて、食べるまで気がつきませんでしたというお粗末。

これ、実は春ごろから新宿駅のルミネエスト地下コンコースあたりにある売店やNewDaysで売っていて、パイナップルケーキ好きの大江戸はすぐ注目したのですが、長いこと買うかどうか逡巡しておりました。と言うのも、結構高めなんです。バラ売りは1個194円(税込)。写真の3個入り袋は、648円(税込)なんです(3つまとめた方が、バラで3個買うより高い?! 袋代ですかね)。そんなに大きくないだけに、「普通のパイナップルケーキよりは随分高いよなあ。そりゃあ、南青山とか銀座シックスとかに、高級パイナップルケーキの専門店があることは知ってるし、いつの日か買いたいと思っているけれど、その前にどうしようかな、これ?」と思いは千々に乱れていたのでした。

Center_0001_burst20210827212642073_cover で、何か月も悩んだ挙句、「夏が去る前に」ってことで、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入しました。おお、これが「大地のパイ」かあ。なるほど、パイです。普通のパイナップルケーキのような生地ではなく、パイ生地です。大江戸はそうじゃない方が好きなんですけどねー。ま、パイもケーキの仲間ってことですかね。

Tripart_0002_burst202108272128583722_cop 中には、かなりゴロンと(甘く煮た)パイナップルが入ってます。果実感ガッツリです。台湾のパイナップルケーキよりも、ここにはこだわっているようですね。なにしろ台湾の安いやつだと、パイナップル・ジャムみたいなのが少ししか入ってないような悲しいパターンもあるものでね。

でもパイ生地は合わないなー。てか、個人的に好みではありません。

Dsc_03633_copy_985x600 などと思いながらふとパッケージ裏を見たら、なんとこれ、春華堂の商品ではありませんか! はい、あの夜のお菓子『うなぎパイ』で有名な、浜松の春華堂です。そりゃーパイにしますわな。

事のついでに、春華堂さんの電話番号が「210481 ニホンイチオイシイパイ」だってことも知ってしまいました。そりゃーパイにしますわな。

 

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2021年8月30日 (月)

「子供はわかってあげない」:上白石萌歌が圧巻!   #子供はわかってあげない #沖田修一 #上白石萌歌

1_20210830221801  映画『子供はわかってあげない』が予想以上に素晴らしくて、驚きました。2年ほど前に『殺したい彼彼と死なない彼女』(小林啓一監督)が予想以上に素晴らしかったのと同じぐらいのレベルで驚いて、そして感動しました。これまで沖田修一監督作品って、イマイチの評価だったんです。ゆったりし過ぎていて&オフビートなユーモアが笑い切れなくて、ちょっとかったるかったりして…。ところが本作は、実にステキな夏の青春ものであり、見事な家族の映画であり、少女の成長譚でもあり、いろんな要素を入れながら、どれも満足のいくレベルに仕上げてくれてました。138分を一気に駆け抜ける好テンポの「ネオ沖田」的快作です。

プールの青、海の青、空の青、制服のシャツの白、雲の白、水しぶきや波や砂浜の白。夏のまばゆい光の中、白とライトブルーが基調となっている映像が、爽やかです。衣装もこの白とライトブルーを意識していて、成功しています。

そんな世界で描かれる高2の夏の日々。みずみずしく、ペーソスやちょっとした感動もあって、描写は素直だし、それでいて沖田流のとぼけた笑いも満載だし、いやー、今回は映画として見事なバランスで成功しておりますね。満足しました。笑いました。涙腺にも来ました。ラストの屋上シーンは、名場面として映画史に残っていくことでしょう。

役者たちがみんな素晴らしいのです。細田佳央太、千葉雄大、豊川悦司、古館寛治、斉藤由貴、中島琴音(子役)、それぞれにいい味出してます。 けれど、圧倒的かつ奇跡的に素晴らしいのが、上白石萌歌! いやー、ここまでの味わいを出してくれるとは! まいりました。ショートカットで、やけに頬がふくらんでいる顔型をしっかり露出させながら、現在21歳、撮影当時19歳だったという彼女が、高2の女の子の輝きを見事に発しています(決して熱演などはせずに)。相米慎二が薬師丸ひろ子を使って、少女の内面からの輝きを画面に定着させた、そんな感覚です。大江戸的には、今年の主演女優賞候補です。 

物語の重要なファクターとなる(架空の)アニメ番組『魔法左官少女バッファローKOTEKO』を、本気で作って、オープニングからたっぷり見せたりもしています。そこらのしっかりした作り込みと情熱が、映画のクォリティ・アップに貢献しています。そういった意味では、撮影(芦沢明子)も美術も衣装も脚本も演出も…みんなレベルが高いのです。そして撮影と言えば、序盤と終盤に学校の階段をずーっと降りる長回し、ずーっと昇る長回しがあって、その躍動感、スピード感も見事。それ以外の長回しも、それぞれに効果的でした。そんな所にも、相米慎二の十代少年少女映画を思ったりしたのでありました。

 

 

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2021年8月29日 (日)

「ドライブ・マイ・カー」:良作以上傑作未満   #ドライブマイカー #濱口竜介 #村上春樹 #西島秀俊 #ワーニャ伯父さん

1_20210829223801 映画『ドライブ・マイ・カー』は、前作『寝ても覚めても』が大江戸のその年のベストワンだった濱口竜介監督の新作だし、カンヌ映画祭をはじめ評判は高いし、大江戸は村上春樹のファンでもあるし、ってことで期待ヒートアップ気味で観ました。何しろチェーホフの『ワーニャ伯父さん』を、予習として読んでしまったぐらいです。

確かに素晴らしい作品でしたし、あの短編がこういう風に濱口映画になるんだなあって感じに翻案されておりました。でも、『寝ても覚めても』や『ハッピーアワー』に較べると、理詰めに計算された感じが強過ぎて、アラはないんだけど衝撃や深い感動は少なかったんです。あくまでも小生の中で、ってことですけど。

ワンカットごとの完成度は非常に高いと感じました。撮影監督の四宮秀俊の見事に映画的な絵が、作品のクォリティや緊密さを支えてくれています。もちろん役者たちの演技も素晴らしいです。西島秀俊、三浦透子、岡田将生は誰もが称賛しておりますが、大江戸的には、『ワーニャ伯父さん』でソーニャを演じたパク・ユリムに感銘を受けました。清楚で感じが良くて、一所懸命に生きている人の美しさがにじみ出ておりました。彼女が(手話で)西島と演じた『ワーニャ伯父さん』のラストは圧巻でした。感動しました。

あと、西島をはじめキャストたちの「喪失感を抱えた」感じと、下世話な生活感がない感じが、いかにも村上春樹作品の登場人物でした。中でも西島の妻を演じた霧島れいかは、いかにも村上作品に出て来る女性の顔です。小説だけど、絶対にそういう顔なんです。と思ったら、彼女はトラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』にも出てたんですって!(全然覚えておりませんでした。)ほら、やっぱり村上作品的な顔なんですよ。

広島のゴミ焼却所の映像は、なんか良かったなあ。なぜなんだろう? それが映画ってもんかな。 一方で、ラストの韓国シークェンスの意味はよくわかりませんでした。ああとかこうとか想像はできるんだけど、あまりにも観客の想像力に委ね過ぎでは? もう少し観客を導くためのヒントが欲しかったですね。

本作のオープニングタイトルは、物語が進行して45分ほどたったところで出て来ました(もうオープニングじゃないけど)。2時間59分の作品とはいえ、大胆にやってくれましたよね。車の走る映像にかぶせて「西島秀俊」と出て来た時には、何が起きたのかと一瞬驚いてしまいました。

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2021年8月28日 (土)

「シュシュシュの娘」:志は良いのですが…   #シュシュシュの娘 #入江悠 

1_20210829000801 映画『シュシュシュの娘』は、入江悠監督がコロナ禍により仕事を失った映画スタッフと学生たちを集めて作り上げた「自主映画」。製作資金はクラウド・ファンディングで集めたそうです。そして上映するのは、コロナ禍で苦しんだ全国のミニシアターです。

基本的にゆるいコメディなのですが、公文書改ざん問題や移民(外国人)排斥問題などを正面から取り扱っています。地方都市での移民排斥問題は、まさに入江監督が『ビジランテ』で取り上げたテーマであり、『ビジランテ』がハード・バージョンだとすると、こちらはソフト・バージョンです。

ソフトと言っても、市長をはじめとする市の組織ぐるみの「悪」、自警団的な「悪」の嫌な感じはリアルです。(以降少々ネタバレあり) そして、そいつらに下される正義の鉄槌。この痛快さ(地味ですけど)は娯楽映画ならでは。ただ、そこにはリアリティがないんですよねー。そもそも忍者ですし、吹き矢ですし。それに、もっと彼女の進化の過程を絵で見せていかないと。どうもそこらは、絶妙のバランスでまとまるとまでは至りませんでした。志は良いのですが、完成度はちょっと…という映画でした。

途中から『シュシュシュの娘』という不思議なタイトルの意味はわかるのですが、でもこの作品の場合、「シュシュシュ」じゃないでしょー。「ヒュヒュヒュ」あたりでしょー。手裏剣じゃないんですから…。

 

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2021年8月27日 (金)

「全員切腹」:短いっす   #全員切腹 #豊田利晃 #26分の映画

1_20210827230201 『全員切腹』は、企画・製作・脚本・監督=豊田利晃のたった26分の短編映画。しかしながら、1本立てで劇場公開作となっています(東京では、渋谷・ユーロスペース、シネマート新宿)。映画館に入ってから出るまでで30分少々(予告編が約6分)という、稀有な体験ができました。昨年の豊田監督作品『破壊の日』も短かったけど、それでも56分ありましたからねえ。

たぶん江戸時代が舞台なのでしょうけれど、明確にいつとは示していません。などと思っていたら、公式サイトには明治初期が舞台と書いてありました。まあ確かに、男たちが髷を結っていませんでしたからね(予算の問題でしょうけれど)。物語の筋もシンプルそのもの。なのに、じっくり撮っているもので、とにかく「え、これだけ?」って感じにスパッと終わってしまいます。

その中で、主演の窪塚洋介の最期の言葉として直截的に伝えるメッセージが、豊田利晃が言いたかったこと。まあ、コロナに対する無策や不条理な措置を繰り返す政府に(一応暗喩として)物申しているわけです。もちろんそこには、拳銃所持で逮捕・勾留された際の「お上に対する怨嗟」も込められていると思います。

(拳銃事件に関してはこちらをどうぞ ↓ )

“拳銃所持で逮捕”の真実…映画監督が自粛社会に喝!「不条理に立ち上がろう」(相澤冬樹) - 個人 - Yahoo!ニュース

それにしても表現が直截過ぎて、ちょっとねえ。あと、いつもながらなんですけど、豊田映画ってケレンやこけおどしの割には絵に緊張感がなくて、音をバーンとかぶせることで迫力を出すというような手法。どちらも映画として、あんまり感心しないのです。

終わって場内の明かりがついた時には、やっぱり「短(みじか)っ!」「観たりない…」って感情が沸き起こりました。特別興行1,000円均一でしたが、この短さだとむしろ高額ですよねえ。

※小生は豊田監督による16分(もっと短い!)の『狼煙が呼ぶ』は未見です。

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2021年8月26日 (木)

「オー! スジョン」:早くも洗練のグダグダ芸   #オースジョン #ホンサンス

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特集上映(と言っても2本ですが)「作家主義ホン・サンス」の2本目は、『オー! スジョン』。この作品も日本では未公開ながら、DVDが『秘花 ~スジョンの愛~』というあやしげなタイトルで出ていたそうです。2000年のモノクロ作品で、監督作3本目。126分もあります(短い作品の多い近年とは違いますねえ)。でも、ホン・サンス作品に色って無くてもいい気がしますね。人間を描くのがメインですし、かえって映像が締まって、美しく感じられます。

例によって男と女のグダグダの物語、例によって、しょちゅうお酒を飲んで酔っ払ってます。でも、そんなことの繰り返しが、この上なく面白いんですよねー。本作は『カンウォンドのチカラ』に比べると洗練度がだいぶ増して、ほとんどホン・サンス作品として完成しちゃってますね。大江戸としては、断然こっちの方が好きです。さすが経験豊富(に違いない)なホン・サンス、男女のあれこれをよーくわかっていらっしゃるって感じです。生々しいです。

本作は登場人物Aの視点からの物語を、途中から登場人物Bの視点からの物語に替えて反復するという趣向。ホン・サンスらしいですね(『正しい日 間違えた日』とか)。そこに生じる差異に潜むズレが人間のズレであり、女と男のズレでありというあたりを面白がるタイプの作品でしょう。

何にしても(『カンウォンドのチカラ』と違って)主演女優が魅力的なので、作品が成功しております。そして主演のイ・ウンジュが、角度によってキム・ミニにそっくり! そんなところにもホン・サンスの一貫性を感じて、感心してしまいました。

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2021年8月25日 (水)

「カンウォンドのチカラ」:発展途上のホン・サンス   #カンウォンドのチカラ #ホンサンス 

6月にユーロスペースでやっていた「作家主義ホン・サンス」と題した初期作品2本の上映は観逃してしまったのですが、場所を変えてアップリンク吉祥寺でやっているのを発見。二日連続で二本を観ました。

Dsc_03606_copy_1024x693 『カンウォンドのチカラ』は、1998年のホン・サンス監督第2作目。日本では『カンウォンドの恋』というタイトルでDVDになっていたようです。近年のホン・サンスは60分~90分ぐらいの短い作品が特徴的なんですけど、この作品は109分(『オー!スジョン』は126分もあります)。まだこの頃は、近年ほどには研ぎ澄ましたミニマリズムではなかったようですね。

とはいえ、フィックスの長回しでたっぷりと芝居を見せるとか、酒を飲みながらの男女のしょーもないぐだぐだ話や痴話を面白く見せるとか、繰り返しと視点の差による違いの面白さとか、いわゆるホン・サンスらしさは、しっかり存在しています。まだ、洗練度は足りないけどね。それと、あの雑なズーム(「バカズーム」と呼ぶ人もいるようで…)は、まだ使われておりませんでした。

この作品、主演女優のオ・ユノンが(申し訳ないけど)魅力的じゃないので、大江戸の評価は高くありません。なんか、とても嫌な感じの顔なんです。日本を含めて、世間には時々いるタイプの顔なんですが、映画で主演を演じるタイプの顔じゃないし、彼女が激怒する場面はマジで頭が変な人に見えたし、バスの中で号泣する場面では「おい、勘弁してくれー」って感じでした。彼女に限らず、女も男も出てる人たちがみんなかなりしょーもないので、どうにも人間的魅力のない映画になってしまっているのです。ただ、改めて韓国と日本は似ているなあと思いましたけどね。一匹になっていた金魚のラストも、いいような悪いような…。

ま、まだ発展途上のホン・サンスを確認できる作品なのでありました。

 

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2021年8月24日 (火)

ジョージア ショット&ブレイクとコスタコーヒー   #ジョージアショットアンドブレイク #ジョージアミニボトル #コスタコーヒー

4月に、「コスタコーヒーがじわじわ来ている」という記事を書きました。 ↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-686bd7.html

Dsc_03012_copy_600x1036 で、その時からコカ・コーラ社としては、ジョージアとの棲み分けをどうしていくのだろう?と思っていたのですが、ひとまずこうなりました。

はい、そうですね。ジョージアの方も、こんなミニボトルを作って来ました。『ジョージア ショット&ブレイク』ってお名前のようです。「ブラック」と「微糖(ミルク入り)」の2種類ってのも、コスタと一緒ですね(コスタは「ブラック」と「カフェラテ」と呼んでおりますが)。

Dsc_0351_copy_600x1067 でも内容量は違います。コスタが270mlなのに対して、ジョージアは195ml。どちらも従来のペットボトルに比べれば、こじんまりしたサイズ。お値段はコスタがブラック170円(税込)、カフェラテ180円(税込)。ジョージアがブラック、微糖ともに135円(税込)です。

で、お味の方は・・・決定的に違います。そもそも大江戸は、他社の缶コーヒーに比べてジョージア・シリーズはどれもが優れていると思っているのですが、こうしてコスタと比べちゃうと、うーん、違い過ぎますね。やっぱりコスタのコクと深みってのは、大したもんです。レベルが違いますね。

あとはこの価格差をどうとらえるかという、各人の判断に委ねられるわけであります。

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2021年8月23日 (月)

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」:キャラも見どころも盛りだくさん   #ザスーサイドスクワッド #極悪党集結 #新スースク #ハーレイクイン #キングシャーク 

2_20210823111401 映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は、2016年の『スーサイド・スクワッド』の進化形と言って良いのでしょうか。原題にも邦題にも、前作にはなかった“THE”、「ザ」がついております。その分(?)過激な人体損壊描写が激増して、R-15指定となっております。 で、・・・

・大イタチ(ウィーゼル)が出て来ます。こいつ変で、相当笑える。でも、大イタチって…、昔の浅草の見世物小屋じゃないんだから(←わかる人にはわかるネタ)。

・サメ人間(キング・シャーク)が妙にカワイイ。ズボンはいてるし。頭悪いところが、愛嬌たっぷりです。で、声がシルヴェスター・スタローンなもんで、「頭悪そう感」が5割増しです。スタローンすげーな。

・ハーレイ・クインは相変わらずアクションもキマッて、カッコかわいい! 彼女の銃撃でお花ぶわぁーーっ!!な場面は、スーパー・キュートにカラフルでした。斬り倒しても、血の代わりにお花が出るし…。

・ポルカドットマン、うーん、こじらせきってますねえ。なんだ、あの母の幻影?!

・体弱そうなラットキャッチャー2のおねえさんも、なんか良いです。このように、キャラクター一人一人に焦点が当たった群像劇になっているのが、本作の特徴であり、成功ポイント。

・よくもワーナーの、DCの、メジャー大作の枠内で、こんな切り株描写だらけの映画を作ったもんです。でも微妙なバランスで笑えちゃったりするから、ま、いいか(この匙加減が、ジェームズ・ガン監督の功績)。

・“スターロ”は、どう見ても『宇宙人東京に現る』(大映)のパイラ人。でも、(大きさを表す)仰角の映像とか、怪獣映画として良かったです。

・あんだけのネズミが終結すると、あの後が空恐ろしいです。

・なかなか胸に迫るクライマックス。でも、お子様は観ちゃダメですよん。

・章のタイトルとか字幕代わりに、いろんな工夫で文字を作っているあたりもナイスでした。

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2021年8月22日 (日)

「うみべの女の子」:中二病の中三生たち   #うみべの女の子 #浅野いにお #石川瑠華 #中二病 #ウエダアツシ

1_20210822222301 映画『うみべの女の子』は、浅野いにおのマンガの映画化(『ソラニン』以来11年ぶりだとか)。想像以上にハードでもあり、想像以上に心に爪痕を残す作品でありました。

なんと主人公たちは中3なのですが、日々セックスにあけくれています。で、それを演じるのが今年24歳!の石川瑠華と今年20歳の青木柚なのですが、かなりちゃんと中学生に見えます(オドロキ!)。少なくともキラキラ映画の高校生よりは、違和感なく見ていられます。もっともヌーディティがあるから、今は成人の俳優でないとこういった役に使えないのでしょうけれど…。 主人公の少女の友人が、あの『街の上で』で関西弁がステキだった中田青渚なのですが、今年21歳の彼女もやっぱり中学生に見えます。何なんだ、この映画。

幼さと未熟さでヒリヒリしてます。青春のヒリヒリです。男の子が自分でいう通り「中二病」です(中三だけど)。彼も彼女もです。引いた視点で見ると、みんなイタイ人たちです。(以降ネタバレあり) でも、終盤の彼氏の変貌は(残酷でもありますが)サバサバしていて、それまでとのギャップに笑えたなあ。ま、成長ってそういうもんですよね。

はっぴいえんどの『風をあつめて』や、台風の海辺や、ラストの一言が、あまり機能していないのが欠点。原作通りなのかも知れませんが、ちょっと残念です。

当世風の軽みを持ったATG映画みたいな雰囲気も感じました。ウエダアツシ監督、今後に注目したいと思います。

 

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2021年8月21日 (土)

「孤狼の血 LEVEL2」:悪鬼のごとき鈴木亮平   #孤狼の血 #孤狼の血レベル2 #松坂桃李 #鈴木亮平

1_20210821233101 映画『孤狼の血 LEVEL2』は、2018年のあのギラギラした東映映画の続編。今回は柚月裕子の原作から離れたオリジナル脚本です。

(前作のレビューはこちら ↓ )

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-6bd4.html

リアルな時間の経過と同じ3年後という設定で、松坂桃李も貫禄と迫力がつきました。優しさや線の細さをカバーしようと必死で演じています。そういった意味では努力賞なのですが、対する悪魔のような男=鈴木亮平があまりにも凄いので、ちょっとワリ食っちゃうところはありました。それぐらい、この鈴木亮平の狂犬ぶりは圧倒的で、怖いのなんの。体がデカいだけに、威圧感も只ならぬものがあります。そのリミッターを外した暴力の容赦なさが、日本映画史に残るほどの悪役を生みました。

なにしろ鈴木亮平と較べると、吉田鋼太郎も斎藤工も寺島進もヤワに見えてしまうほどです(頑張っていたのは、滝藤賢一。細いのに、すっごい迫力を出しておりました)。 前作の柱だった役所広司不在の穴を埋めるのは難しいことです。松坂一人ではどうしようもないことです。それを今回は鈴木亮平の極悪非道さで埋めちゃいましたねえ。

荒れた粒子のブルートーンのモノクロ写真に、縦書きの赤い文字でキャストやスタッフ名が出て来るメインタイトルのあたりは、ナレーションも含めて(またも)『仁義なき戦い』のようでした。

とにかく、面白かったです。鈴木亮平の組に村上虹郎が潜入する一連の件りは、ハラハラして大変でした。今日び珍しく、しっかりしたカーアクションも見せてくれましたしね。こうなったら、早いところLEVEL3を見せていただきたいものです。

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2021年8月20日 (金)

「浮世絵を うる つくる みる」展   #浮世絵をうるつくるみる #浮世絵展 #日比谷図書文化館

Dsc_03643_copy_576x770 日比谷図書文化館の特別展示室で、特別展『紀伊国屋三谷家コレクション 浮世絵を うる つくる みる』(~9/19)を観ました。この展覧会、前期と後期で出品作を全点展示替えという大胆なことをやっているのですが、8月18日からは後期になっていて、小生が観たのもそっちです。

Dsc_0365_copy_1024x576 浮世絵の展覧会は数あれど、本展がユニークなのはタイトルの示す通り「うる」と「つくる」にもスポットを当てていること。特に「売る」ことに関しては普通だとまず日が当たらないだけに、珍しいと思いました。

なにしろ図書館(まあ「図書文化館」ですけど)で行われる展覧会といえば、低予算の地味なものとなるのでしょうが、「うる」の章では、会場内に江戸時代の錦絵屋(その名も「日比屋」!)を再現しちゃいましたから! そうそう、先日観た映画『HOKUSAI』にも、こんな錦絵屋が出ておりましたよ。

Symmetry_0001_burst20210820180834613_cov 「つくる」のコーナーには版木の展示などもありましたが、興味深かったのは版元を中心に、絵師と彫師と摺師の仕事の流れを図にしたもの。こんなパネル1枚なのですが、普通の展覧会だとわからない部分ですし、現代の広告などの仕事にも相通じるものがあるようで、じっくり読んでしまいました。

Horizon_0002_burst202108201828078994_cop

この展覧会、企画の切り口がユニークなだけではなく、見せ方もしっかりしています。壁面に出ている各章の内容を表した文章も、各行の字切りに注意が行き届いているのです。ご覧のように、できるだけ文節の切りがいい所で改行してあって、語の途中で切れたりはしないのです(まあ、他の章には語の途中で切れてるものもありましたが、気をつけてることはわかります)。学芸員さんや会場デザイナーさんがしっかりした人なんでしょう。

Center_0002_burst202108201842446913_copy 「みる」の章は、当然ながら一番ボリュームが多く、その中で役者絵、武者絵、美人画、名所絵などを紹介しています。

写真は平家の怨霊たちが荒波の間から団体さんで顔を出していたり、人面ガニになって押し寄せていたりする国芳の作品(そういえば「平家蟹」ってありましたね。これのこと?)。面妖な面白さがありますね。

Dsc_03673_copy_886x576_20210821003201 「大江戸美人百科」なんてコーナーもあって、大江戸としては「おっ!」と思いましたが、割と「この人、美人なんですかい?」って感じの絵が多かったですね(前期展示は、もっと美人率が高かったのかしらん?)。

Dsc_03692_copy_1004x576 旅路(名所絵)のコーナーには、広重の「五十三次名所図会」のシリーズが並べてありましたが、「東海道五十三次」で目にする横構図ではなく、縦長構図なのが珍しかったです。しかもこれらの構図がことごとくお見事なんですよねー。

Dsc_03682_copy_576x858 最後のコーナーにはへんてこりんな遊び絵がいろいろ。いやいや、浮世絵にもいろんな種類があるもんですねえ。楽しゅうございました。

 

出口を出て少し行くと、常設展の部屋もありました。今日は時間がなかったので、さっと歩きながらチラ見したら、なかなか面白い千代田区の郷土の歴史や地理がわかる展示の数々がありました。今度の機会に来てみるといたしましょう。

 

 

 

 

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「オールド・ジョイ」:アメリカンなワビサビ   #オールドジョイ #ケリーライカート #シアターイメージフォーラム

Oldjoy 映画『オールド・ジョイ』(2006年)を、シアター・イメージフォーラムのケリー・ライカート特集で観ました。これで今回の4作品を制覇しました(パチパチ)。

デビュー作『リバー・オブ・グラス』から12年ぶりの第2作。たった73分で、物語も男二人で車に乗って温泉に行って帰って来る、ただそれだけです。シンプルです。ただ、その中にアメリカンなワビサビがあるというか、どうにも俳句みたいな映画なんですよね。男二人の心情にそれぞれ微妙な揺れがところどころあって、ただそれを明確に解き明かしたりはせずに、そのまんまほっておくという作風。

山中のウッディな温泉小屋の場面がいいですね。空気感がリアルです。湯気もいい。あんな温泉に入れたら、気持ちいいだろうなー。近年の映画だと、こういう話はゲイ方面に行きがちなのですが、これはそうでもないんですよね(でも微妙なほのめかしがあるようでもあり…)。そこがかえって不思議な感触です。で、根底には今の社会の生きづらさみたいなものがあって、いかにも社会派ライカートって感じです。

男二人に同行するのが犬のルーシーちゃんなのですが、そう、『ウェンディ&ルーシー』のあのルーシーなのです。そうかあ、先にこっちに出てたのかあ。

 

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2021年8月19日 (木)

「ウェンディ&ルーシー」:貧困と社会を描く名作  #ウェンディアンドルーシー #ケリーライカート #ミシェルウィリアムズ

Wendy 映画『ウェンディ&ルーシー』(2008年)を、シアター・イメージフォラムのケリー・ライカート特集上映で観ました。先に観た『リバー・オブ・グラス』『ミークス・カットオフ』と較べても、こちらの方が明らかに優れた名作です。日本ではDVDが2012年に出ていたようです。あ、ちなみにウェンディってのは主人公(ミシェル・ウィリアムズ)の名前。ルーシーってのは彼女の愛犬です。

貧困、特に女性の貧困という社会問題に対して鋭く切り込んだ作品。観ていて苦しいし、多くの事を考えさせられます。それを80分で描き切るムダの無さと、映画としての切れ味の良さ。ケリー・ライカートの確かな才能を感じさせる傑作です。

辛く苦しい事態の積み重ねと、どん詰まり感。その中での人と人のふれあい。重要な役割を果たす老警備員が、いい味出してます。 そして意表を突く終盤。その厳しい視線もさすがです。我々はこの映画の尊厳の前に、襟を正すしかありません。観ていて、『ノマドランド』や『17歳の瞳に映る世界』を思ったりしたのですが、『ノマドランド』よりもこっちの方がオスカーにふさわしい名作です。

それと、『ミークス・カットオフ』を観た時にも思ったことですが、夜の場面がとにかく暗いのです。そこらへんリアルだなあと。その光源いったいどこにあるんですかい?的な明るい夜じゃないし、ましてや「アメリカの夜」なんかじゃありません。夜の暗さが、主人公の心細さや辛さを増幅しているのです。

ミシェルの好演はもちろんなのですが、ルーシー役の犬もなかなかの名演でした。小生のように犬に興味のない人間にも、感銘を与えるだけの芝居をしておりました。

 

 

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2021年8月18日 (水)

「キネマの神様」:北川景子がザ・昭和の美人女優!   #キネマの神様 #山田洋次 #北川景子 #沢田研二

1_20210818221601 映画『キネマの神様』は、松竹映画100周年記念作品。本当は2020年が100周年だったのですが、ご存じの事情で完成・公開が遅れてしまいましたからねえ。山田洋次が作る映画愛の物語なんですから、大江戸としてはかなり気に入るかもだったのですが、…そこまでは至りませんでしたね。

原田マハさんの原作はだいぶ前に読みました。その「映画評論」の部分を「映画製作」に移し替えて、かなり大幅な改変を行っています(ちなみにマハさんは、終盤の沢田研二が歌う場面で、踊る人たちの一人として、カメオ出演してました)。でもどっちにしても、そう「強い」物語じゃないんですよねー。昭和中期の映画華やかなりし頃の雰囲気は出ていたし、それを山田監督がやってくれたのは尊いことだと思うのですが、一方では全てにわたって想像を超えるものではありません。予定通りであり、しかもそれが大して面白くはないという…(またしても、近年の山田洋次が多用する「すべったころんだ」で笑いを取ろうとするシーンがありましたし)。

現代パートと昭和パートということでは、断然昭和パートの出来が良かったです。ヘアメイクさんもさすがでした。(小生が全然評価していない)永野芽郁をこれだけ上手に使った例は、テレビにも映画にもなかったのではないでしょうか。 そして、北川景子!! 昭和の美人女優をここまでの説得力で演じられる人は、現在彼女以外にいないでしょう。昭和顔になりきった上で、話し方もあの時代のものにして、あの完璧な美しさ! 失礼な言い方かも知れませんが、北川さんはこの映画の時代に生まれた方が、今よりも更に女優として大成していたのではないかと思ってしまいます。

宮本信子さんはいつも通りに達者でしたが、観ていて辛かったのは沢田研二。小生は往年の沢田さんのファンなだけに、今の顔と体形をさらされると(しかも役柄上、だらしなく、意地汚く、しょーもなく)申し訳ないけど無残な思いを禁じ得ません。もともと芝居がそう達者な人ではなかったし…、辛いところです。でも、志村けんだったら成功したのかと考えると、それはそれで微妙な気もしますけどね。

コロナの時代を取り込んで脚本を書き直したということで、現代パートの登場人物たちはマスクを着けていることが多いのですが、みんな結構簡単にはずしちゃうんですよねー。そこはリアルじゃないけど、やっぱり役者の顔を見せたいってことなんですかねえ…。

 

 

 

 

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2021年8月17日 (火)

「愛が世界を救います(ただし屁が出ます)」@PARCO劇場   #愛が世界を救います #ただし屁が出ます #のん #宮藤官九郎 #クドカン #大江三千里

Dsc_03563_copy_600x874 渋谷のPARCO劇場で、大パルコ人④マジロックオペラ『愛が世界を救います(ただし屁が出ます)』を観ました。宮藤官九郎作・演出・出演によるロック・ミュージカルです(タイトルには「ロックオペラ」と入ってますが、台詞部分も多いので、これは「ロック・ミュージカル」と呼ぶべきでしょう。『トミー』と『ファントム・オブ・パラダイス』の違いみたいなもんですね)。大江戸にとって、渋谷PARCOの建て替えで新しい劇場になってからは初の来場となりました。最後列の座席でしたが、オペラグラスも持参して、のんさんたちの表情もしっかりチェックしました。

そう、当然のんさん目当てです! パンクな彼女が、パンクなクドカンと、パンクなミュージカル!しかも『あまちゃん』以来のタッグ復活ってことで、期待はオーバーヒート気味。しかも、共演が村上虹郎、藤井隆、三宅弘城、荒川良々と伊勢志摩(これまた『あまちゃん』以来ですね)などなど。映像も活用しながら、今のネタを多数取り入れながら、20分の休憩込み2時間45分を駆け抜ける疾走エンタテインメントでした。

のんさんはやっぱり歌って踊って演奏できるので、適任でした。華がありますし、ギター弾くとカッコイイのです。そして、寄り目+しゃくれアゴの変顔!! 物語上これを多用するのですが(って、どんな物語だ!)、さすがでした。キュートでヘンテコリンで様になってました。

でもやっぱり三宅、伊勢、荒川、宮藤という大人計画の面々は、きっちり笑いを取ってくれますねー。これまた、さすがです。

そして藤井隆が演じる大江三千里!これも笑えました。大根仁が『モテキ!』で大江千里の曲を使ったり、クドカンがこんな形で使ったり、往年の千ちゃんファンとしては嬉しいですね。休憩時間には大江千里の曲がずっと流れてましたもん。

Horizon_0001_burst20210817135007219_cove 開演前にすべての座席に謎の物体(「これ」)が置いてありました・・・って、ブーブークッションやないかーい!! 終盤に観客全員を巻き込んで、これを使用する場面があります(笑)。くだらねーなー。

カーテンコールのご挨拶はシンプルに1回だけ。PARCO劇場の外階段を下りる帰り道にも、頭の中ではあのくだらないテーマ曲がリフレインしているのでした。こんな時代に、このくだらなさ。さすがはクドカンさんなのでありましたー。

 

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2021年8月16日 (月)

「すべてが変わった日」:悪魔と正義と勇気   #すべてが変わった日 #スリラー西部劇 #レスリーマンヴィル #ダイアンレイン #ケヴィンコスナー

1_20210816221101 映画『すべてが変わった日』は、抒情的な西部劇なのかしらんと思ったら、観てびっくり。時代は1963年(冒頭にラジオからバディ・ホリーの“Oh, Boy!”が流れます)で、馬や銃は出て来るけど、神経を攻めて来るようなホラーであり、スリラーであり、サスペンスなのでした。その上、見事な出来栄えなのです。

何が怖いって、アメリカの田舎町がコワイのです。そのガラパゴス的な閉鎖性の中で、長年黒々と煮詰められてきた悪の塊。じわじわとその核心に迫っていく過程で、不安がどんどんと広がっていき、あのヤバいファミリーの室内場面では、本当にドキドキしました。(以降少々ネタバレあり) その一家の長であり、激ヤバおっかさんを演じるレスリー・マンヴィルのドスの利いた凄みと狂気。いやー、これは凄かった。映画史に残るような、悪魔的ヴィランです。ビッグ・バッド・ママです。

会話のやり取りを通して、嫌な感じをどんどん募らせていく脚本と演出が見事です。トーマス・ベズーチャ監督(脚本も)、やりますね。覚えておきたい名前です。

絶対的悪に対峙する正義と勇気の物語と考えれば、まさに近過去の西部劇です。ただ、これをアメリカの正義とイスラム過激派の正義の対立(それぞれの信じる正義)と捉えると、そう手放しで喜べないのかも知れません。そうは言っても、映画作品としては賞賛すべき出来だということは確かです。

ダイアン・レイン(おばあちゃんを演じる!)もケヴィン・コスナーも、ここ二十年ぐらいの中で最良の演技。この二人、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ』でも夫婦(クラーク・ケントの両親!)を演じてるんですよね。この二人の間の愛情の表現が、軽いのから重いのまで味わい深く表現されています。それで映画に品格が加わりました。

それはそうと、この邦題いったい何? 原題が“Let Him Go”ではやりにくかったでしょうが、とは言えあまりにイメージ違うし、そもそもどんな映画だかさっぱりわかりませんし、観終わってからもピンと来ません。厳しいようですが、売る気があるのか?!と申し上げたいです。

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2021年8月15日 (日)

「太陽の子」:終戦記念日なので   #太陽の子 #映画太陽の子 #田中裕子 #有村架純

1_20210814123601終戦記念日にふさわしい作品を。 映画『太陽の子』は、昨年夏にNHKで放映された単発ドラマの映画版。ただ、実はまず映画版を作ってから、TVの短い尺に合わせて編集し直したんだそうです。

「僕らは、未来を作っていると思ってたー--」というのが本作のコピーですが、まさにそういう映画です。科学者のタマゴとして懸命に開発していたものが原爆だった。研究はアメリカに先を越されて、原子爆弾は日本に投下された。でも、そうでなければ立場は逆だったのかも…という重い問いかけを持った作品です。とはいえ、完全な成功作かと言われれば、ちょっと違うかなあと思います。もう一つ、表面的な描写を突き抜けて来るものがないのです。主人公とアインシュタインとの脳内対話ってのも、なんだかなあですし…。

作中にものを食べるシーンがいろいろ出て来ます。研究所内ではスモモや鍋もの。家ではちらしずしなど。そして、大きな大きな白米だけのおにぎり。この家は1944-45年の戦争末期にしては、食材や白米が豊富にあったみたいです(酒もあったし)。この時代だと、普通の映画ではまず飢えとの直面を描きますからね。

(以降少々ネタバレあり) 後半に田中裕子の見せ場が二つあるのですが、片方は仏の表情、もう片方は鬼の形相です。でもどちらも圧倒的な演技で、心を奪われます。やっぱり神がかりのようにうまい人ですねー。

この戦時下ドラマの中で有村架純のけなげで純朴な可愛さが生きていましたが、有村架純のおじいちゃん役で山本晋也さんが出てたのにはびっくり。いやー、すっかり枯れたおじいちゃんになっておりました。

重要な役で三浦春馬が出演しているわけですが、これでまた本作が『キネマ旬報』読者選出ベストテンの上位に来たりしたら(1位になった『天外者』のように)、それはちょっと違うんじゃないかと思います(今年はめっちゃ豊作ですしね)。あれは人気投票の場ではないので、くれぐれも慎んでいただきたいと思います。

 

 

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2021年8月14日 (土)

「サマーフィルムにのって」:相性が合いません   #サマーフィルムにのって #伊藤万理華

1_20210814233601 映画『サマーフィルムにのって』は、時代劇オタクの女子高校生たちの話であり、映画作りの話であり…って言ったら、絶対に大江戸の好きなタイプの作品だと思ったのですが、いやー、そうではありませんでした。いろいろと文句つけたい作品になっておりました。そもそもタイトルの日本語も「のって」って何?って感じで、よくわかりません。

時代劇、映画作り、SF、学園などといろいろな要素を入れた割には、どれも中途半端で物足りません。ところどころ「この監督って、相米慎二のファンかな?」と思うシーンがあるのですが、レベルが全然違うのであります。おまけに、クライマックスをはじめツッコミ所満載ですし、あのアナーキーさには、少々イラっとしてしまいました。この映画と小生の相性が悪いのでしょうね。

こういう作品を作るなら、映画作りの苦労や工夫や奇蹟をもっと具体的に見せてくれないと。トリュフォーの『アメリカの夜』とか観て、勉強してほしかったです。

主人公の伊藤万理華が小さな男の子のようであり、おばあちゃんのようでもあるという不思議な顔。細い小さな体で熱演しておりますが、うーん…。彼女、’96年生まれってことなので、昨年の撮影時には既に24歳ぐらいだったわけです。びっくりしちゃいますね(当然十代だと思ってました)。 それはそうと、彼女と友人二人の名前が「ハダシ」「ビート板」「ブルーハワイ」なんですよ。それでいて、何の説明もありません。きっと裏設定はあったのでしょうが…。そこは知りてーなー。

 

 

 

 

 

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2021年8月13日 (金)

「ファッション イン ジャパン 1945-2020 流行と社会」展   #ファッションインジャパン #ファッション展 #国立新美術館

Dsc_03553_copy_576x800 乃木坂の国立新美術館で開催中の展覧会『ファッション イン ジャパン 1945-2020 流行と社会』(~9/6)を観ました。本来なら去年の夏に開催する予定だった展覧会が1年ずれて、今夏の東京公開となっております。日本ファッションのあゆみを概観する決定版的な展覧会。きっと東京オリンピック(2020年)で来日する外国人観光客にも観てもらおうって企画だったんじゃないですかね、もともとは。

Dsc_0350_copy_1024x576 戦後(あるいは戦中)のもんぺ姿から今日のサステイナブル・ファッションまで、時代ごとのファッションを歴史的パースペクティブで編集・展示してあります。洋裁学校の時代→アイヴィー→ミニスカート→ヒッピー→世界に羽ばたくデザイナー→DCブランド→渋谷系・原宿系(ストリート)→Kawaii→いいね→未来へという流れです。女性のファッションが中心ではありますが、ところどころにメンズ服への言及もあります。

Dsc_0351_copy_1024x576 実際の服がかなりの数展示されており(撮影できるのは最後のちょこっとだけ)、あとは写真・映像資料・雑誌・広告などで構成されています。編集も悪くありません。

Dsc_03532_copy_939x576 へーと驚くものもあれば、懐かしいなあ&こうだったよねってものもあり、日本ファッション史のお勉強材料としては、かなり有意義です。若い人にこそ観てもらって、目からウロコを落としていただきたい展覧会です。

最終コーナーに集められた未来のクリエイターたち=ユイマナカザト、山縣良和、森永邦彦、サカベミキオといったアーティストたち、そしてその後に控える人たちの作品も面白いのですが、どうも領域が狭すぎたり、街で着れそうになかったり、世界で大きく売れるためのサムシングに欠けているのではと思ってしまいます。そもそも今挙げたのは男性ばかりですし(一つ前のコーナーには、阿部千登勢とか青木明子とか女性も多いのですが)…。

Dsc_03542_copy_1024x530 会場を出たところに、何か異様なものが…。ガラスケースの中に土が敷いてあって、その上に死体?ミイラ? いえ、これは天然素材の服が菌による分解で土に返っていくことを表現しようとしているそうです。どうりでガラスの内側には結露の水滴などもついております。山縣さんらしいといえばらしい、ほぼ現代美術な作品でありました。

やっぱりこれ、世界の方々に観てもらいたい展覧会ですよねー。残念です。あ、それと「やっぱりこれ」の中には「パリコレ」が入ってます。びっくり。

 

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2021年8月12日 (木)

「ミークス・カットオフ」:現代に訴える西部劇   #ミークスカットオフ #ケリーライカート #西部劇

Pos_m シアターイメージフォーラムのケリー・ライカート特集で、彼女の2010年作品『ミークス・カットオフ』を観ました。『リバー・オブ・グラス』もそうだったのですが、画面はスタンダードサイズです。『リバー~』はノー・スター映画でしたが、こちらにはミシェル・ウィリアムズやポール・ダノが出演しております。今回の4本の中では一番長いのですが、それでも1時間43分です。

1845年のオレゴンを舞台にした西部劇。でも、この上なく現代的な作品、むしろ10年後の今こそピッタリな作品となっています。一つは男性社会における女性蔑視的な扱いへの告発になっていること。#MeToo的視点のウェスタンなのです。 もう一つは、アメリカ先住民(当然ながら「インディアン」と呼んでいます)への差別。他者のもつ文化への無理解と否定。アメリカをはじめ世界中で分断が進んだ今だからこそ、なおさら響くものがあります。

ラストでは、白人男性が優位だった時代が変わっていくことを暗示して終わります。しかし実際は、なかなか変わらなかったんですけどね。むしろこの終わり方は、ライカートの主張なのでありましょう。

一つ一つのカットのサイズだとか構図だとかが、実に「映画」でした。これはやはり、才能ってもんですね。

 

 

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「リバー・オブ・グラス」:ケリー・ライカートのデビュー作   #リバーオブグラス #ケリーライカート

Kelly 渋谷のシアター・イメージフォーラムで開催中の「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」で、『リバー・オブ・グラス』を観ました。「現代アメリカ映画の最重要作家」と言われるケリー・ライカートの初期4作品を集めた特集上映です。ケリーは1964年フロリダ州(マイアミ)生まれの女性。大手スタジオとは距離を置き、インディペンデントな制作体制を貫いているのだそうです。

Pos_r 本作はケリーの1994年のデビュー作。76分とコンパクトで、いかにも低予算です。舞台はマイアミの近くのさびれた町。オフビートの変な映画です。「ロードの無いロード・ムービー、愛の無いラブ・ストーリー、犯罪の無い犯罪映画」ってことらしいんですけど、なるほど確かに。’90年代のヘタレ版『ボニー&クライド』って感じ。初期のジャームッシュ的な味わいも、ちょっとあるしね。あと、どん詰まり感。

主人公の女も冴えないけれど、行動を共にする男もなんかイケてないし、主人公の父親もヘンテコです。そんなポンコツ連中しか出てこない、アメリカン・ニューシネマ風味のコメディ崩れみたいな映画。で、全体的には’70年代テイストがあります。へーんなのっ。

ま、ここからケリーはスタートしたっていう基点として観ておくべき作品なのでありましょう。

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2021年8月11日 (水)

「プロミシング・ヤング・ウーマン」:コワイですねー   #プロミシングヤングウーマン #キャリーマリガン

1_20210811222001 映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、まさに#MeToo時代の流れに乗った今の映画。コメディーと言えばコメディーなんですけど、それ以上にホラーでもある社会派告発映画です。

キャリー・マリガンがこんな主人公を演じるようになったんですねー。今年36歳ってことなので、当然と言えば当然ですが、あのふにゃっとしたベビーフェイスとのギャップ。それがリアルにコワイ。本作の製作者として名を連ねているマーゴット<ハーレイクイン>ロビーが演じたら、最初から強そうなので、この感覚は出ませんもんね。

アメリカ映画で古くから多数作られてきた「バチェラー・パーティーでバカ騒ぎ」「青春の一頁としてのムチャ」「マッチョな男らしさのノリを合わせないと弱虫としてバカにされる」といった世界が、根底から断罪されています。そこについては、大江戸も大賛成です。昔からキライな世界です。でも本作の主人公は、それ以上のぶっ飛んだ復習に命をかけているので、さすがにちょっと引きます。でも、今の時代にはこれぐらいの劇薬が必要だったんでしょうね。

先の読めない展開の中、じわじわと企みや狂気や覚悟や策略や全体像が明らかになっていく脚本は、お見事です。アカデミー脚本賞を取ったのも、むべなるかなです。脚本・監督はエメラルド・フェネル。これが長編初監督作だというので、びっくりしてしまいます。

終盤からラストにかけての後味の悪さも、一筋縄ではいかないユニークさです。男としては、身に覚えがないのにぞっとしますね。そういった意味では、非常に「教育的」な映画です。世界中の高校や大学で、男子学生に見せるべき教材だと思います(デートでは絶対に選んじゃいけない映画でもあります)。

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2021年8月10日 (火)

「イン・ザ・ハイツ」:堂々たる古典的ミュージカル   #インザハイツ #ミュージカル映画 

1_20210810214001 映画『イン・ザ・ハイツ』は、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。2時間23分をダレ場なく駆け抜ける見事な映画化だと思います。ラテン・ミュージカルです。現代の物語であり、ラップも多用されているのですが、ラテン・ミュージックとの相性も良く、映像もミュージカルの呼吸をわかっています。

実際にニューヨークのワシントン・ハイツで撮影した場面も多いらしく、街の魅力が作品に生きています。そして人々の魅力。彼らの生活が短いカットで、音楽のリズムと同期しながら紹介されていくシークェンスなんて、まさにミュージカル映画ならではの興奮を味わえます。イキがいいです。

そして、群舞! 街中、プール、ダンスホール、道路などで、見事なミュージカル場面となっています。この映画、実にミュージカル的な見せ場が多くて、そういった意味でも名作ですね。やはりミュージカルは、記憶に残るような印象的な場面が勝負です。プールでは、バスビー・バークレイ調の俯瞰による人間万華鏡の舞いが拝めますし、ビルの壁を使ったCG使用のダンスは、『恋愛準決勝戦』の壁登りダンスへのオマージュではないかと思いました。

そう、全編を通して古典的なミュージカルへの敬意を感じるのです。若者たちの夢と挫折と家族と恋と葛藤と…みたいな筋立ても、まさに古典的。最終的には、いきなりどうでもいいようなハッピーエンドってあたりも、ある意味古典的です。しかし、それをラテン音楽に乗せて、ラテン・コミュニティの物語としているところが現代的でもあって、本作のパワーとなっているのです。中国系アメリカ人のジョン・M・チュウ監督、良い仕事をしました。

これぞミュージカル!ではあります。でも、小生の好みは『ラ・ラ・ランド』なんですよねー。

 

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2021年8月 9日 (月)

「パンケーキを毒見する」:あきらめずに投票しよう   #パンケーキを毒見する #菅義偉 #スターサンズ

1_20210809225601 映画『パンケーキを毒見する』は、あの政治的&社会的問題作連発のスターサンズによる現役総理大臣のドキュメンタリー。ってだけでも、ここ日本では前例のなかった凄いことです。よくぞ作って、公開しました(しかも割と最近のワクチンが足りない問題とかまで入ってます)。

与党野党の議員や学者、メディア、元官僚など各方面の人たちへのインタビューがメインですが、これが滅法面白いのです。ある意味フェアーに、これまでの菅義偉の業績を紹介したりもしています。また記録映像や国会中継映像などを挿入したりもしていますが、これがほとんどコメディー。のらりくらりと議論を成り立たせない技を繰り返して、相手があきらめるのを待つという、ある意味凄い戦略かも知れません。のれんに腕押しと言うか…。

いろいろ見ても、菅さんの芯となる信条、主張があるようには思えません。なんか空洞のような…。不思議な人ですし、もしかしたらトップになるべきではなく、あくまでも裏方とかナンバー2として力を発揮する人なのかも知れません。

全体的に面白いんですけど、ただ、やけに菅氏を貶めるようなアニメの挿入とか、妙な壺振り姐御の登場とかの手法は、アンフェアーだったり、この映画の質を落としたりしていて、ちょっといただけませんでした。アニメでは、最後の羊のやつだけは、比喩として良かったですけどね。

こうしてみると、石破茂ってなかなか大した人だなあ。信頼できるなあと思います。だけど、自民党の政治力学の中では、いろいろと難しいんでしょうね。彼が言うように昔の自民党にはもっといろんなタイプの人がいたし、見識を持った人が多かったんでしょうね。そうしてしまったのは、選挙で投票して民意を示さない国民だという本作の結論は、ごもっともです。

最後の方で示される「日本ってG7の中で最低って項目が多い」とか、いろんなデータを見せられると、かなり戦慄しますよね。どうしてこうなってしまったのかと…。多くの人に観てもらって、戦慄してもらって、投票にいってもらいたい作品です。

 

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2021年8月 8日 (日)

東京オリンピック閉幕   #東京オリンピック #TOKYO2020 #閉会式 #恥ずかしい閉会式 #知恵とセンス

Center_0001_burst20210729132349620_cover 東京オリンピック閉会式をテレビで見ました。夏休み期間中の「STAY HOME」にかなり貢献したと言われるこのオリンピックですが、小生としてもこんなにオリンピック中継を見たことはなかったですね。

ホッケーとか七人制ラグビーとかスポーツクライミングとか、ふだん目にすることのない競技が面白かったです。ま、それを言ったらハンドボールとかフェンシングとか空手とか競歩とか含めて、ふだん目にすることのない競技だらけで、まさにマイナー競技にとってはオリンピックが唯一無二の晴れ舞台だってのがよーくわかります。

閉会式は開会式ほど長くないので助かりましたが、それでも意味不明な演出が多くて(スピーチも長くて)閉口しました。というか、開会式よりドイヒーな演出ではありませんか! 

だって、古関裕而の『東京オリンピックマーチ』自体は名作ですが、結局それですかい?って感じ。「半世紀以上新しいものを生み出せていない日本」って思わせるものになっちゃってます。で、他の出し物も、開会式と同じ花火に、大道芸に、太鼓に…って、驚く仕掛けや想像を超えるセンスの良い演出が、何もないではありませんか。miletに『愛の讃歌』は荷が重すぎたし、追悼パートって的外れ過ぎて意味不明だし(衣装もドイヒー)、続く日本各地の踊りってのも長過ぎる割に意味不明で、興ざめ過ぎます。さらに今さら『東京音頭』で盆踊りですかい?? そして最後が大竹しのぶと昭和風に見える子供たちの『星めぐりの歌』って、うーん、これは恥ずかしかったです。そんなことしか思いつかないの?って感じで、「子ども会」的な感じで…。

開/閉会式を見ると、北京の時のチャン・イーモウとかロンドンの時のダニー・ボイルとかみたいに、きちんとした責任演出家をつけなかったのが敗因だと思えてしまいます。チームを電通さんがコントロールしたのでしょうけれど、この世界的イベントの大きさとスケールが釣り合わない「国内イベントによくあるサイズ」の演出になっちゃってます。日本って文化的にこんなにダメだったけ?って感じの知恵のなさ、センスのなさを世界に発信しちゃってました。発想がテレビサイズというか、ちんまりし過ぎてて、研ぎ澄まされてないんですよ。あー、恥ずかしい。 一方でパリ大会紹介フィルムはセンス良かったですもんねえ。お金の問題じゃないんです。何度でも言いますが、知恵とセンス(美学)です!

でも、スカパラはまあ悪くなかったです。あと、唯一良いと思った光の粒が変形していって五輪マークになるのも、画面上の合成であって現場では見えてなかった(大型ビジョンには映っていた)って! なんだそりゃ?ですね。 あ、本当に素晴らしいのがひとつありました。男性ソプラノ歌手・岡本知高さんの歌った『オリンピック讃歌』。あれは世界に誇れるものでした。

いずれにしても、17日間+αが幕を閉じました。アスリートをはじめ関係者、ボランティアの皆さん、お疲れさまでした。どうか2024パリ大会は有観客で、マスクなしで、普通に行われますように!

 

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2021年8月 7日 (土)

「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」:しんちゃんとエリートと青春   #クレヨンしんちゃん #謎メキ花の天カス学園

1_20210807183601 映画『クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』は、緊急事態宣言による延期で7月30日に公開となりました。長年4月公開のゴールデンウイーク映画だったこのシリーズですが、前作もコロナ延期で9月公開となっており、今回は夏休み映画ってことになりました(興業も順調のようです)。

「天カス学園」ってのが「天下統一春日部学園」の略称だとわかって、開始早々にびっくり。今回はほとんど家族から離れて(ほとんど冒頭と終盤のみの登場)、カスカベ防衛隊の皆さんとの学園青春ものになっております。

青春学園もの(夢も、恋も、友情も、ツッパリも、ギャルも…)の要素に加え、ミステリーでもあり、もちろんコメディーであり、クライマックスはオリンピックを意識したかのような校内マラソン大会(感動的!)があったりして、盛りだくさんです。でもテンポ良く処理されて、シリーズ中でも上出来の部類に入っています。

そして、エリート(≒上級国民)ってものへの考察や批判精神もあって、一本芯が通っています。来年も新作が公開されるようで、また観ちゃうんだろうなと思います(館内にも一人で観てる大人が結構おりました)。

 

 

 

 

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2021年8月 6日 (金)

「ココ・シャネル 時代と闘った女」:ドイヒーなシャネルを描く   #映画ココシャネル #ココシャネル時代と闘った女 

1_20210806001101 映画『ココ・シャネル 時代と闘った女』は、「こんな辛口でいいんですかい?」て感じのドキュメンタリー。「時代と闘った」と言うよりは、「時代とうまくやった(男ともね)」女って感じ。彼女のしたたかな人生をシビアに見つめているので、こんな映画を観たらシャネル好きの方々も、洋服や香水を買う気がなくなってしまうのではないかしらん?と心配してしまうほどです。

だって、やけにずる賢いし、ナチスにも協力していたし、晩年にはすっごく性格の悪そうな意地悪頑固ばあさんになっちゃったし、フランソワーズ・サガンからは「ひどい人だった」って暴露されちゃってるし…。まあ、これまでの読み物や映画で知っているシャネル像の数倍もドイヒーな人だったということを描く55分のドキュメンタリーなのです。晩年の顔や口調もやけに攻撃的で意地悪だってのが、映像でわかっちゃいますし。

ファッションについてはさほど深く描かれず、ちょっと残念。まあ原題が「ココ・シャネルの戦争」だから、しょうがないところなんでしょうね。Bunkamuraル・シネマでの単館公開ですが、終映後の場内がなんか微妙な空気でした。わかります、わかります。

 

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サッカー日本代表、メダルに届かず終戦   #サッカー日本代表 #サッカーオリンピック代表 #日本対メキシコ #谷晃生

Horizon_0001_burst20210729132344063_cove 東京オリンピックの男子サッカー3位決定戦は、日本がメキシコに1-3で敗れ、53年ぶりの銅メダルには手が届きませんでした。森保監督が二日ぐらい前に「オリンピアンで帰るのと、メダリストで帰るのとは大きく違う」などと語っていたそうですが、残念ながらメダリストにはなれませんでした。

でも、完敗でしたね。1点目のPKが無ければ、まだ試合の流れはどうなるかってところがありましたが、前半22分に早々と0-2にされてからは、試合巧者のメキシコに上手にコントロールされて、あまり点が取れる匂いはありませんでした。ただ、随所に惜しいシーンはあったんですが、どうしても決めきれないんですよねー。まあ、釜本さんがいた時代とは違うから、しょうがないんですけど。三苫が個人技で1点もぎ取ったのが、せめてもの抵抗でした。結果論ですが、右・相馬、左・三苫の両ウイングを同時に使ってのサイド制覇ってのを見てみたかった気がします。

試合後に久保建英がもの凄い大泣き!涙ボロボロで声を上げて、まさに号泣でした(声も出さずにちょっと泣いたぐらいで「号泣」って書くメディアの人っているけど、「号」は「号令」とか「号砲」の号なんだから、大きな声や音を伴わなきゃ違うんですよね)。これまでインタビューでもクールにふるまい、ゴールを決めた時も表情が崩れそうになるのをすぐに抑えて雄々しい表情で雄叫びを上げたりして、ハードなイメージを押し通していた久保が、とうとう決壊しちゃった感じでした。君一人のせいではないので、これをバネに、ワールドカップで活躍してくださいよ。

今日は悲しいことに遠藤航がボロボロで、PKを与えて失点シーンにも絡んで、その他にもミス連発。やはり第3戦の後半に退いた以外はフル出場で大活躍してましたから、疲労の蓄積がハンパなかったんでしょうねえ。彼のおかげでここまで来れたってこともありますから、これはしょうがないです。いや、もっと早く森保監督が交代させるべきでした。

3失点ともGK谷晃生としてはノー・チャンス。やっぱりメキシコが強いってことです。試合後にメキシコのレジェンド的キーパーのオチョアと何か話してましたが、まだ二十歳の谷くんには、ああいう世界的キーパーに成長してもらいたいものです(キックをもっと練習しましょうね)。

確かに良いチームでした。でも決勝トーナメント進出以降の3試合は、ほとんど得点への道を封じられてしまいました。レベルの高い相手には、まだ力が足りないってことなんですよね。とは言え、この世代が多く選出されるはずの次回ワールドカップはとても楽しみです(もちろんその前に予選を突破しなけりゃいけませんが)。期待しましょう!

 

 

 

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2021年8月 5日 (木)

「ブラック・ウィドウ」:映画館で観ましょうね   #ブラックウィドウ #スカーレットヨハンソン #フローレンスピュー

1_20210805225701 映画『ブラック・ウィドウ』は、コロナ以降延期延期でようやく劇場公開(1日遅れで配信も)されたマーヴェルの新作。しかしディズニー・ピクチャーズの配信重視政策と劇場側の確執により、TOHOシネマズをはじめとする大手シネコンでは公開されたいという例の対応。それでも東京では池袋のグランドシネマサンシャインやヒューマックスシネマ、ヒューマントラストシネマ渋谷など数館で公開され、大江戸はEJアニメシアター新宿(昔の新宿文化シネマですね)の大きい方のスクリーンで観ました。

※ディズニーのこのやり方に関して、本作のスカーレット・ヨハンソンや『クルエラ』のエマ・ストーンが 提訴して反旗を翻し始めましたね。がんばっていただきたいものです。他の俳優や監督たちも続いてくれい!

それはともかく、やっぱり映画館の大きいスクリーンで観なきゃいけない映画ですよね(まあ、何だってそうなんですけど、「特に」ってことです)。派手なアクションのつるべ打ちですし、CGIの出来も当然のように最上級です(金かかってますから)。物語の方も、ちゃんとしてます(少なくとも、スカスカではありません)。

「家族」の物語になっていて、ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)の“妹”を演じるのが、あの『ミッドサマー』のフローレンス・ピュー。彼女ってかなりplump(ぽっちゃり)な体形なので、戦闘スーツ着ても妙に太いんです。スカーレットとの差が大きいんです。その上、膨張色の白を着たりしてるもので…。 でも、彼女がいい味出してます。コミカルで、しかもブラック・ウィドウのヒーロー風決めポーズを茶化しまくっていて、笑えます。それにしてもあの着地ポーズ、どこから始まったんでしょうねえ?(やっぱりマーヴェルの何かかしらん?)「NO MORE 映画泥棒」のカメラ男まで、マネしちゃってますから。

(以降ネタバレあり) 例によってのエンドタイトル途中や終了後のおまけ映像によって、『アベンジャーズ』本丸とのつながりや、ホークアイとの今後の因縁が示されて終わりました。いつまでも、そしてたぶん代替わりしても続いていくのですねえ。

 

 

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2021年8月 4日 (水)

「イラストレーター 安西水丸展」@世田谷文学館   #安西水丸展 #イラストレーター安西水丸展 #世田谷文学館 #村上春樹

Dsc_03503_copy_675x576 芦花公園にある世田谷文学館で開催中の『イラストレーター 安西水丸展』(~8/31)を鑑賞。2014年に急逝された安西水丸さん(享年71)の回顧展です。

Horizon_0001_burst20210803152901239_cove 文学館の入口がいつになくゆるくてポップな水丸調になっておりました。

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水丸さんって、小生なんぞには村上春樹作品の挿絵や表紙絵をはじめとする仕事が一番なじみ深いのですが、小説、エッセイ、絵本、マンガなど幅広くやっておられたんですねえ。

Dsc_0344_copy_1024x576 村上春樹本に関しては、「おお、みんな持ってるぜ」って感じでしたが、懐かしいですね。

Horizon_0001_burst20210803161331743_cove 会場の壁面が多くの部分で、ベニヤ板むき出し(無塗装)なんですが、そういう感覚がいかにも水丸さんです。壁の上に春樹さんの頭が出ているのなんかもあったりして…。

 

 

Dsc_03452_copy_951x576 全体的に遊び心に溢れた展示となっています。順路もどう見たらいいんだかわからない! まあ、ぐるぐるとご自由にどうぞって感じなんでしょうね。

 

Dsc_03462_copy_1024x513 今まで気づかなかったけど、切り絵の作品なんかもあったんですよね。マティスの影響ですね。だから、彼の色彩って、キレイなんですね。

Horizon_0001_burst20210803155928221_cove 水丸さんにとって重要な三人がフィーチャーされていて、それは春樹さんと嵐山光三郎さんと和田誠さん。和田さんとの合作シリーズなんて、楽しいですよー。

 

Horizon_0001_burst20210803160434853_cove 広告とかデザイン関係のお仕事が多かった水丸さん。デザイン関係のパーティーなどで、お姿をみかけたことが何度かありました。

Horizon_0001_burst20210803155806601_cove でも、旅好きで、酒好きで、お土産物やおもちゃが好きで、スノードームも大好きで、スタイリッシュにおしゃれ。ステキな大人でしたよね。

出口付近に展示してあった彼の愛用バッグが、カッコ良かったなあ。

 

 

Dsc_03472_copy_576x946 意外なほど見どころが多くて、楽しい展覧会でした。ショップで売ってた水丸グッズも、なかなかカワイイものが多かったですよ。

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2021年8月 3日 (火)

サッカー日本代表、あと一歩で決勝逃がす!   #サッカー日本代表 #サッカー準決勝 #日本対スペイン #谷晃生

Center_0001_burst20210729132355664_cover 東京オリンピックのサッカー男子準決勝の日本vs.スペイン戦は、延長120分の死闘を制したスペインが決勝進出。あと少しでした。延長後半10分の被弾でしたからね。またPK戦になったら、また谷晃生(湘南ベルマーレ)が止めてくれたはずだったのに…。

でも今日の日本はスペインを相手にできる限りの戦いをしていたと思います。少なくとも守備については、文句のつけようがないのではないでしょうか。その中でもGK谷が神がかっていて、何度ファインセーブがあったことか! これはもうヨーロッパに引き抜かれますね(いつもの事とはいえ…、もう少し湘南にいてくださいね!)。それにしても、谷はシュートを打たれるほどに、ピンチになるほどに、良さを発揮しますね。「ベルマーレの日常」が、そんな感じですからね。

攻撃面では、守って守ってカウンターという戦術をこれまでこのチームはほとんどしていないので、そういった意味ではカウンターの精度や勝負どころで駆け上がる人数の少なさやポジショニングに難がありました。前田大然と上田綺世を入れる順番が逆だったんじゃないかなー。それにしても、相手の守備のレベルが上がって来ると、このチームの前線ではなかなか点が取れないってこともよくわかりました。オーバーエイジがもう一人使えるルールなら、ここに大迫か南野を持ってきたかったところです(クラブが出してくれるかどうかはわかりませんが)。あと、ホリエモンが言ってたそうですが、「有観客なら勝てた」って気もしちゃいますよね。

まあしかし、死んだ子の年を数えるようなことをしてもしょうがありません。次の3位決定戦に勝って、53年ぶりの銅メダルを獲得することはものすごく重要です。大会前のテストマッチでは勝てた相手です。前線の選手の爆発に期待します!

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2021年8月 2日 (月)

「ジャッリカットゥ 牛の怒り」:異端の怪作   #ジャッリカットゥ #ジャッリカットゥ牛の怒り 

1_20210802224801 映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』は、「なんでシアター・イメージフォーラムにこれが?」って感じの怪作インド映画。『アギーレ 神の怒り』を意識したかのような邦題です。でも映画を観るとわかるけど、怒っているのは牛じゃなくて人間なんですよねー。「暴走牛vs1000人の狂人!!」っていうコピーが、結構言い得てます。最初は「1000人なんてあまりにも盛り過ぎ」と思ったのですが、終盤で納得します。そういった意味ではまさに「パニック映画」なのではないでしょうか。

オープニングなど、リズムに合わせて細かくカットを割っていく小気味良さに瞠目させられます。ところがその後中盤までは大きな物語のうねりもなく、ただ「水牛が逃げたので、村中が大騒ぎ」ってだけの映画です。テンポもゆるくて、かなり退屈です。水牛がこわいわけでもないし…。

ところが、終盤に至るや、突如凄いことになっていきます。どんどん膨れ上がる男たちの数。そのエネルギー、エントロピーの凄まじさ! 最後にはゾンビ映画か黙示録かって感じの、哲学的なまでにわけわからん世界に突入していきます。何かすごいものを見ている気になります。

しかしながら、その前の場面で繰り広げられる、男二人が叫びながらのプロレス的大喧嘩には笑っちゃいます。何コレ? もうギャグなんだかコントなんだかマジなんだかさっぱりわかりません。でも最後には、神話的な気分にもなるわけでして、…もうまさに異端の怪作としか言いようがないのです。インド映画なのに91分と短いってのも、異端ですよね。

 

 

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2021年8月 1日 (日)

「竜とそばかすの姫」:大きな世界と小さな世界の絶妙な融合   #竜とそばかすの姫 #細田守 

1_20210801224601 映画『竜とそばかすの姫』は、細田守監督の傑作。大江戸はこの監督の『時をかける少女』や『サマーウォーズ』は大好きですが、近作の『バケモノの子』『未来のミライ』は「好きくない」ので、今回はどうなるのかなあ?と思ってましたが、総合的には細田監督のベストではないでしょうか。

「総合的には」と書いたのは、本作はスケールが大きいから。インターネット上の仮想空間「U」のスケールが大きいし、緻密でカラフルな映像が圧倒的なのです。そこに『美女と野獣』が絡んでくるし、世界的なヴァーチャル歌姫の物語や巨大なライブの光景が展開するのですから。

ただ、最終的には高知県の地味な女子高生とその周辺および家族の物語であり、そこに素敵な味わいがあるあたり、やっぱり細田守作品であり、彼の集大成的な傑作だと思うのです。そして、『時かけ』や『サマーウォーズ』に結構似ているのです。

「U」の世界のプロダクションデザインは、建築家のエリック・ウォン。音楽は、多くのゲーム音楽を手掛けてきたルドウィグ・フォシェルやKing Gnuの常田大希を含む5人のチーム。その他のスタッフも世界の一流であり、映像と音楽は、説得力のあるものになっています。歌姫ベルのカラフルな場面や、キラキラ感の凄いすずの一大ライブの風景も凄いのですが、高知の山河や空を描いたシーンの懐かしい美しさ、特に横長画面の効果を発揮した川岸の場面なども見事でした。そして、今回もすずとベルは「宙に浮かぶ少女」となっておりました。

ラブコメ的場面のステキなことも言っておきたいですね。このピュアネス。すずを応援するおばちゃんたちも効いてます。そして、エピローグ的なラストの心地よさ、味わい深さ。大きな世界と小さな世界の絶妙な融合。やっぱり細田守の最高作と言えるでしょう。

 

 

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