「ジャッリカットゥ 牛の怒り」:異端の怪作 #ジャッリカットゥ #ジャッリカットゥ牛の怒り
映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』は、「なんでシアター・イメージフォーラムにこれが?」って感じの怪作インド映画。『アギーレ 神の怒り』を意識したかのような邦題です。でも映画を観るとわかるけど、怒っているのは牛じゃなくて人間なんですよねー。「暴走牛vs1000人の狂人!!」っていうコピーが、結構言い得てます。最初は「1000人なんてあまりにも盛り過ぎ」と思ったのですが、終盤で納得します。そういった意味ではまさに「パニック映画」なのではないでしょうか。
オープニングなど、リズムに合わせて細かくカットを割っていく小気味良さに瞠目させられます。ところがその後中盤までは大きな物語のうねりもなく、ただ「水牛が逃げたので、村中が大騒ぎ」ってだけの映画です。テンポもゆるくて、かなり退屈です。水牛がこわいわけでもないし…。
ところが、終盤に至るや、突如凄いことになっていきます。どんどん膨れ上がる男たちの数。そのエネルギー、エントロピーの凄まじさ! 最後にはゾンビ映画か黙示録かって感じの、哲学的なまでにわけわからん世界に突入していきます。何かすごいものを見ている気になります。
しかしながら、その前の場面で繰り広げられる、男二人が叫びながらのプロレス的大喧嘩には笑っちゃいます。何コレ? もうギャグなんだかコントなんだかマジなんだかさっぱりわかりません。でも最後には、神話的な気分にもなるわけでして、…もうまさに異端の怪作としか言いようがないのです。インド映画なのに91分と短いってのも、異端ですよね。
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