「イン・ザ・ハイツ」:堂々たる古典的ミュージカル #インザハイツ #ミュージカル映画
映画『イン・ザ・ハイツ』は、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。2時間23分をダレ場なく駆け抜ける見事な映画化だと思います。ラテン・ミュージカルです。現代の物語であり、ラップも多用されているのですが、ラテン・ミュージックとの相性も良く、映像もミュージカルの呼吸をわかっています。
実際にニューヨークのワシントン・ハイツで撮影した場面も多いらしく、街の魅力が作品に生きています。そして人々の魅力。彼らの生活が短いカットで、音楽のリズムと同期しながら紹介されていくシークェンスなんて、まさにミュージカル映画ならではの興奮を味わえます。イキがいいです。
そして、群舞! 街中、プール、ダンスホール、道路などで、見事なミュージカル場面となっています。この映画、実にミュージカル的な見せ場が多くて、そういった意味でも名作ですね。やはりミュージカルは、記憶に残るような印象的な場面が勝負です。プールでは、バスビー・バークレイ調の俯瞰による人間万華鏡の舞いが拝めますし、ビルの壁を使ったCG使用のダンスは、『恋愛準決勝戦』の壁登りダンスへのオマージュではないかと思いました。
そう、全編を通して古典的なミュージカルへの敬意を感じるのです。若者たちの夢と挫折と家族と恋と葛藤と…みたいな筋立ても、まさに古典的。最終的には、いきなりどうでもいいようなハッピーエンドってあたりも、ある意味古典的です。しかし、それをラテン音楽に乗せて、ラテン・コミュニティの物語としているところが現代的でもあって、本作のパワーとなっているのです。中国系アメリカ人のジョン・M・チュウ監督、良い仕事をしました。
これぞミュージカル!ではあります。でも、小生の好みは『ラ・ラ・ランド』なんですよねー。
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