「全員切腹」:短いっす #全員切腹 #豊田利晃 #26分の映画
『全員切腹』は、企画・製作・脚本・監督=豊田利晃のたった26分の短編映画。しかしながら、1本立てで劇場公開作となっています(東京では、渋谷・ユーロスペース、シネマート新宿)。映画館に入ってから出るまでで30分少々(予告編が約6分)という、稀有な体験ができました。昨年の豊田監督作品『破壊の日』も短かったけど、それでも56分ありましたからねえ。
たぶん江戸時代が舞台なのでしょうけれど、明確にいつとは示していません。などと思っていたら、公式サイトには明治初期が舞台と書いてありました。まあ確かに、男たちが髷を結っていませんでしたからね(予算の問題でしょうけれど)。物語の筋もシンプルそのもの。なのに、じっくり撮っているもので、とにかく「え、これだけ?」って感じにスパッと終わってしまいます。
その中で、主演の窪塚洋介の最期の言葉として直截的に伝えるメッセージが、豊田利晃が言いたかったこと。まあ、コロナに対する無策や不条理な措置を繰り返す政府に(一応暗喩として)物申しているわけです。もちろんそこには、拳銃所持で逮捕・勾留された際の「お上に対する怨嗟」も込められていると思います。
(拳銃事件に関してはこちらをどうぞ ↓ )
“拳銃所持で逮捕”の真実…映画監督が自粛社会に喝!「不条理に立ち上がろう」(相澤冬樹) - 個人 - Yahoo!ニュース
それにしても表現が直截過ぎて、ちょっとねえ。あと、いつもながらなんですけど、豊田映画ってケレンやこけおどしの割には絵に緊張感がなくて、音をバーンとかぶせることで迫力を出すというような手法。どちらも映画として、あんまり感心しないのです。
終わって場内の明かりがついた時には、やっぱり「短(みじか)っ!」「観たりない…」って感情が沸き起こりました。特別興行1,000円均一でしたが、この短さだとむしろ高額ですよねえ。
※小生は豊田監督による16分(もっと短い!)の『狼煙が呼ぶ』は未見です。
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