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2021年8月20日 (金)

「浮世絵を うる つくる みる」展   #浮世絵をうるつくるみる #浮世絵展 #日比谷図書文化館

Dsc_03643_copy_576x770 日比谷図書文化館の特別展示室で、特別展『紀伊国屋三谷家コレクション 浮世絵を うる つくる みる』(~9/19)を観ました。この展覧会、前期と後期で出品作を全点展示替えという大胆なことをやっているのですが、8月18日からは後期になっていて、小生が観たのもそっちです。

Dsc_0365_copy_1024x576 浮世絵の展覧会は数あれど、本展がユニークなのはタイトルの示す通り「うる」と「つくる」にもスポットを当てていること。特に「売る」ことに関しては普通だとまず日が当たらないだけに、珍しいと思いました。

なにしろ図書館(まあ「図書文化館」ですけど)で行われる展覧会といえば、低予算の地味なものとなるのでしょうが、「うる」の章では、会場内に江戸時代の錦絵屋(その名も「日比屋」!)を再現しちゃいましたから! そうそう、先日観た映画『HOKUSAI』にも、こんな錦絵屋が出ておりましたよ。

Symmetry_0001_burst20210820180834613_cov 「つくる」のコーナーには版木の展示などもありましたが、興味深かったのは版元を中心に、絵師と彫師と摺師の仕事の流れを図にしたもの。こんなパネル1枚なのですが、普通の展覧会だとわからない部分ですし、現代の広告などの仕事にも相通じるものがあるようで、じっくり読んでしまいました。

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この展覧会、企画の切り口がユニークなだけではなく、見せ方もしっかりしています。壁面に出ている各章の内容を表した文章も、各行の字切りに注意が行き届いているのです。ご覧のように、できるだけ文節の切りがいい所で改行してあって、語の途中で切れたりはしないのです(まあ、他の章には語の途中で切れてるものもありましたが、気をつけてることはわかります)。学芸員さんや会場デザイナーさんがしっかりした人なんでしょう。

Center_0002_burst202108201842446913_copy 「みる」の章は、当然ながら一番ボリュームが多く、その中で役者絵、武者絵、美人画、名所絵などを紹介しています。

写真は平家の怨霊たちが荒波の間から団体さんで顔を出していたり、人面ガニになって押し寄せていたりする国芳の作品(そういえば「平家蟹」ってありましたね。これのこと?)。面妖な面白さがありますね。

Dsc_03673_copy_886x576_20210821003201 「大江戸美人百科」なんてコーナーもあって、大江戸としては「おっ!」と思いましたが、割と「この人、美人なんですかい?」って感じの絵が多かったですね(前期展示は、もっと美人率が高かったのかしらん?)。

Dsc_03692_copy_1004x576 旅路(名所絵)のコーナーには、広重の「五十三次名所図会」のシリーズが並べてありましたが、「東海道五十三次」で目にする横構図ではなく、縦長構図なのが珍しかったです。しかもこれらの構図がことごとくお見事なんですよねー。

Dsc_03682_copy_576x858 最後のコーナーにはへんてこりんな遊び絵がいろいろ。いやいや、浮世絵にもいろんな種類があるもんですねえ。楽しゅうございました。

 

出口を出て少し行くと、常設展の部屋もありました。今日は時間がなかったので、さっと歩きながらチラ見したら、なかなか面白い千代田区の郷土の歴史や地理がわかる展示の数々がありました。今度の機会に来てみるといたしましょう。

 

 

 

 

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