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2021年8月28日 (土)

「シュシュシュの娘」:志は良いのですが…   #シュシュシュの娘 #入江悠 

1_20210829000801 映画『シュシュシュの娘』は、入江悠監督がコロナ禍により仕事を失った映画スタッフと学生たちを集めて作り上げた「自主映画」。製作資金はクラウド・ファンディングで集めたそうです。そして上映するのは、コロナ禍で苦しんだ全国のミニシアターです。

基本的にゆるいコメディなのですが、公文書改ざん問題や移民(外国人)排斥問題などを正面から取り扱っています。地方都市での移民排斥問題は、まさに入江監督が『ビジランテ』で取り上げたテーマであり、『ビジランテ』がハード・バージョンだとすると、こちらはソフト・バージョンです。

ソフトと言っても、市長をはじめとする市の組織ぐるみの「悪」、自警団的な「悪」の嫌な感じはリアルです。(以降少々ネタバレあり) そして、そいつらに下される正義の鉄槌。この痛快さ(地味ですけど)は娯楽映画ならでは。ただ、そこにはリアリティがないんですよねー。そもそも忍者ですし、吹き矢ですし。それに、もっと彼女の進化の過程を絵で見せていかないと。どうもそこらは、絶妙のバランスでまとまるとまでは至りませんでした。志は良いのですが、完成度はちょっと…という映画でした。

途中から『シュシュシュの娘』という不思議なタイトルの意味はわかるのですが、でもこの作品の場合、「シュシュシュ」じゃないでしょー。「ヒュヒュヒュ」あたりでしょー。手裏剣じゃないんですから…。

 

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