「プロミシング・ヤング・ウーマン」:コワイですねー #プロミシングヤングウーマン #キャリーマリガン
映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、まさに#MeToo時代の流れに乗った今の映画。コメディーと言えばコメディーなんですけど、それ以上にホラーでもある社会派告発映画です。
キャリー・マリガンがこんな主人公を演じるようになったんですねー。今年36歳ってことなので、当然と言えば当然ですが、あのふにゃっとしたベビーフェイスとのギャップ。それがリアルにコワイ。本作の製作者として名を連ねているマーゴット<ハーレイクイン>ロビーが演じたら、最初から強そうなので、この感覚は出ませんもんね。
アメリカ映画で古くから多数作られてきた「バチェラー・パーティーでバカ騒ぎ」「青春の一頁としてのムチャ」「マッチョな男らしさのノリを合わせないと弱虫としてバカにされる」といった世界が、根底から断罪されています。そこについては、大江戸も大賛成です。昔からキライな世界です。でも本作の主人公は、それ以上のぶっ飛んだ復習に命をかけているので、さすがにちょっと引きます。でも、今の時代にはこれぐらいの劇薬が必要だったんでしょうね。
先の読めない展開の中、じわじわと企みや狂気や覚悟や策略や全体像が明らかになっていく脚本は、お見事です。アカデミー脚本賞を取ったのも、むべなるかなです。脚本・監督はエメラルド・フェネル。これが長編初監督作だというので、びっくりしてしまいます。
終盤からラストにかけての後味の悪さも、一筋縄ではいかないユニークさです。男としては、身に覚えがないのにぞっとしますね。そういった意味では、非常に「教育的」な映画です。世界中の高校や大学で、男子学生に見せるべき教材だと思います(デートでは絶対に選んじゃいけない映画でもあります)。
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