「オールド・ジョイ」:アメリカンなワビサビ #オールドジョイ #ケリーライカート #シアターイメージフォーラム
映画『オールド・ジョイ』(2006年)を、シアター・イメージフォーラムのケリー・ライカート特集で観ました。これで今回の4作品を制覇しました(パチパチ)。
デビュー作『リバー・オブ・グラス』から12年ぶりの第2作。たった73分で、物語も男二人で車に乗って温泉に行って帰って来る、ただそれだけです。シンプルです。ただ、その中にアメリカンなワビサビがあるというか、どうにも俳句みたいな映画なんですよね。男二人の心情にそれぞれ微妙な揺れがところどころあって、ただそれを明確に解き明かしたりはせずに、そのまんまほっておくという作風。
山中のウッディな温泉小屋の場面がいいですね。空気感がリアルです。湯気もいい。あんな温泉に入れたら、気持ちいいだろうなー。近年の映画だと、こういう話はゲイ方面に行きがちなのですが、これはそうでもないんですよね(でも微妙なほのめかしがあるようでもあり…)。そこがかえって不思議な感触です。で、根底には今の社会の生きづらさみたいなものがあって、いかにも社会派ライカートって感じです。
男二人に同行するのが犬のルーシーちゃんなのですが、そう、『ウェンディ&ルーシー』のあのルーシーなのです。そうかあ、先にこっちに出てたのかあ。
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